もはや別形式!? 東急目黒線5080系 相鉄直通8両化であちこち変化 車両ごと内装バラバラ!
もともと6両編成だった東急目黒線は、相鉄線との直通を控えて順次8両編成に改められています。東急5080系は増結車を4・5号車に組み込みますが、製造年が従来車と10年以上差があり、特に内装では様々な差が見られます。
形式は5080系だけど…
東急目黒線では、翌2023年3月から始まる相鉄線との直通運転を見据え、2022年4月から一部8両編成での営業運転が始まりました。今まで同線で使用されていた車両は6両編成だったため、2両が増結される形で8両編成化されています。
自社車両である東急5080系電車では、中間車を組み込んで8両編成にしていますが、新たに組み込まれた車両は同じ形式を踏襲しながら、従来の車両と様々違いがあります。
8両編成化が行われた東急目黒線の5080系電車(柴田東吾撮影)。
新たな車両は8両編成の4号車と5号車の位置に連結されています。8両編成化にあたっては既存の車両番号を変更した車両もあり、こうすることにより目黒線基準で目黒方の先頭車が5180番台、日吉方の先頭車が5800番台となり、1〜8号車で通し番号になるよう配慮されているのです。
新たな車両、つまり4号車と5号車(デハ5400形とサハ5500形)は、内装が一新されています。従来の5080系は、壁面の色が紫系で、座席の色はローズ系でしたが、それが木目調となり、座席は緑系になっています。床も変わり、灰色系の砂目模様から木目調のツートンカラーに変化しています。
また座席の上に付く荷棚は、網目に代わって穴の空いたアルミ板を採用しているほか、座席端部の仕切りはプラスチック製から金属の化粧板を用いたものに変わっています。
車椅子スペースも、従来は編成両端の2両目だけに設けられていたものが、新たな車両では各車両に備えられ、床にはヒストグラムが添えられています。
元大井町線の車両も混在!?
そして5080系のうち、5189編成と5190編成の4号車は、大井町線の急行列車で使用されていた6000系電車の転用車両です。なぜ転用されたかというと、同線で有料座席指定サービス「Qシート」が導入された際、6000系の一部に「Qシート」車両が連結され、差し替えられた車両が余剰となったから。これは廃車されることなく改造の上、5080系の新しい中間車として活用されたのです。特徴は座席の色で、大井町線時代のオレンジ色そのままで目黒線にて使われています。
従来の5080系にも変化
このほか、8両編成化を前にして従来の5080系にも手が加えられています。客室の設備では、TIPと呼ばれるドアの上の車内表示器が一新され、液晶画面のサイズが15インチから17インチの横長タイプに交換されました。
5080系の運転台。相鉄線直通に備えて一新されている(柴田東吾撮影)。
また、運転台も交換され、従来は速度計の左側にあった電流計や圧力計が右側に移動し、液晶画面が2画面に増設されています。このほか、乗務員室に搭載する機器が増加したためか、乗務員室と客室を仕切る壁にある窓が3つから2つに減っています。
また5181編成と5182編成は、車内表示器に液晶画面ではなくLEDを使用していましたが、液晶画面に改められました。あわせて、字幕式だった前面の種別表示器と、3色LED式だった行先表示器は、ほかの5080系と同じフルカラーLEDに交換されました。
5080系の8両編成化では、同じ形式のまま前回の製造から10年以上も間を空けて増備されました。一見すると外観は同じでも、従来車と増備車では細かな違いが見られます。時代のニーズに合わせ、改良を盛り込んだためといえるでしょう。