原潜導入の布石? 仏西共同開発の輸出専用潜水艦スコルペヌ級 ブラジル向け1番艦が就役
南米最大の海戦「リアチュエロの戦い」が艦名の由来。
ブラジルは4隻を調達予定
フランスの造船企業であるナーバル・グループは2022年9月1日、ブラジル海軍向けの最新鋭潜水艦「リアチュエロ」が、リオデジャネイロ州イタグアイにあるブラジル国営企業ICNの造船所で就役したと発表しました。
「リアチュエロ」はブラジルが取得を進めている新型潜水艦ファミリーの1番艦として建造されたもので、フランスのDCNS社とスペインのナバンティア社が共同開発した輸出専用の通常動力型潜水艦、スコルペヌ級をタイプシップとしています。
リオデジャネイロのブラジル海軍基地で就役したスコルペヌ級潜水艦「リアチュエロ」(画像:ナーバル・グループ)。
船体サイズは、全長70.62m、全幅6.2m、排水量1900トン。乗員数は約30人、主武装として533mm魚雷や対艦ミサイル「エグゾセ」、機雷などを装備し、搭載するドイツMTU社製のディーゼルエンジンと、フランス・シュナイダー社製の電気モーターによって、水中速度21ノット(約38.9km/h)を発揮できます。
ブラジル海軍はスコルペヌ級を4隻調達する計画で、自国内で建造するために所要の技術移転契約をDCNSとICNのあいだで結んでいるとのこと。この契約に従い、イタグアイにあるICNの造船所には仏ナーバル・グループの社員が常駐しているそうです。
なお、2020年12月に進水した2番艦「フマイタ」についても、2022年9月から海上公試を開始する予定としているほか、ブラジル初の原子力潜水艦「アルバロ・アルベルト」も2029年の進水へ向け、現在、建造が進められています。