今年も既に豪雨や浸水被害など、いろいろな場所で災害が発生しています。そこで地域に必要となる避難所ですが、様々な理由でサポートが必要となる人がいるのも事実です。もし、自分や家族にサポートが必要な場合、どうしたらいいのか知っていますか?8月31日に放送されたCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』「SDGsのつボ」コーナーでは、「福祉避難所」について取り上げました。

社会的弱者をサポート

9月1日は防災の日です。1923年(大正12年)のこの日発生した関東大震災に由来しています。
災害が起こった時こそ、SDGsの理念である「誰一人取り残さない」が大切になってきます。

自宅にいるのが危険な場合に必要なのが地域の避難所。多くの場合は学校の体育館などに開設されます。
しかし、高齢者や障害・難病を抱えた方、妊婦や乳幼児といった人たちはより助けが必要となるだけでなく、その家族も適切な避難生活を送れるような配慮が必要となります。

こうした人たちをサポートするため、最近「福祉避難所」を設置する自治体が増えてきました。

自治体によって違う運用方法

福祉避難所とは、避難生活の中で特別な配慮を必要とする方(要配慮者)のための避難所です。車いすで移動しやすいようにバリアフリー化されていたり、多目的トイレが設置された社会福祉施設、ホテルなどを利用して開設されます。

利用方法は、まず一般の避難所で要配慮者であると判定してもらい、市町村と連携している福祉避難所へ移動するのが基本です。

自治体によっては、あらかじめ各世帯にいる要配慮者を名簿で把握しておき、災害が起こった場合に指定の避難所へ行くよう決めておく「指定福祉避難所制度」を運用するところもあります。

気になる人は、住んでいる自治体がどのような運用をしているか調べておきましょう。

最近の豪雨被害でも開設

こうした福祉避難所は、今月9日からの豪雨で被害を受けた青森県の五所川原市でも開設され、47人の高齢者を受け入れたことが東北地方の新聞などで報道されました。

つボイノリオ「避難生活って普通の人でも大変な生活なので、より負担がかかる人っていうのはやっぱり状況にあった場所を提供できるようにしていくって取り組みはありがたいことやと思います」

小高「市町村と協定を結んでいる福祉施設や宿泊施設などが福祉避難所として機能するわけですが、昨今では新型コロナウイルス感染防止の配慮とかで、その日その施設に空きがないなどの理由で、福祉避難所が開設できない事例もあるということで」

市町村がより多くの施設と協定を結んでいけば、受け皿が増えて住民にとっても安心できる状況になっていくことが予想されます。まだまだ改善の余地がありそうだと小高がコメント。着実に各自治体の取り組み事例は増えてきています。

いざという時に困らないためにも、普段から地域の広報誌をしっかり読んだり、市町村のホームページを見たり、「地域名+福祉避難所」で検索すると情報が出てきます。小高は今のうちに調べておいてほしいと締めくくりました。

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「誰一人取り残さない」という考えに基づき、誰もが人間らしく生きる環境を作るため、国連で採択された17個の持続可能な開発目標のこと。
『つボイノリオの聞けば聞くほど』の「SDGsのつボ」コーナーは、小高直子アナウンサーが一見難しそうなSDGsについて、わかりやすく説明しています。
(葉月智世)
 

つボイノリオの聞けば聞くほど
2022年08月31日11時32分〜抜粋(Radikoタイムフリー)