田中マルクス闘莉王氏。YouTubeチャンネル「闘莉王TV」より

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2022年7月19日に行われたEAFF E-1サッカー選手権2022決勝大会・日本代表対香港代表戦(茨城県立カシマサッカースタジアム)の観客数がわずか4980人だったことに対し、元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏が、人気低迷の原因を招いたとして日本サッカー協会(JFA)への怒りをぶちまけた。

観客4980人に「えっ? 嘘でしょ?」

同試合は、国内組のみのチーム編成、平日火曜日19時20分のキックオフ、対戦相手が格下の香港など、いくつかの事情が重なったにせよ、国内開催のA代表公式戦としては異例の5000人を切る少ない観客数だったことが話題を呼んでいた。

26日に公開した「『日本代表を見にきているわけじゃない!』森保J香港戦の『観衆4980人』の衝撃に闘莉王苦言が止まらない!」と題した動画で闘莉王氏は、インタビュアーから香港戦の観客数が4980人だったことを伝えられると、「えっ? 嘘でしょ?」と耳を疑い、「間違ったんじゃないの? ちゃんと数えた時に0(の数を)間違えたんでしょ?」と信じられないといった口ぶりだった。

続けて、カシマスタジアムの収容人数が約4万人であることに言及した上で、「4980人...。恥ずかしいよ」と嘆き、「協会にずっと言ってきてるんだけどね、何かを変えていかないと。これ大ピンチですよ」「ちゃんとしないと、みんなの愛着がなくなってしまうよ。Jリーグへの愛着もなくなってしまうよ」と危機感を募らせた。

闘莉王氏は、「いい例があるじゃない」としてプロ野球を挙げ、一時サッカーに人気を取られそうになっていたところから、クライマックスシリーズ、セ・パ交流戦など新しい施策を次々と打ち出したと指摘。

そこからサッカーの話に戻し、「日本サッカー協会が代表も含めて、色々考えて新しい風を吹かせないと。我々の宝である子どもたちもサッカーに興味なくなってしまうよ。こうなったらサッカーが終わり」と将来を憂えた。さらに、「世界で最も人気があるスポーツをこういうふうにしてしまえば、もう悪いんすけど、バカしか集まってねぇのかなと思いますよ」と激怒し、「それはヤバい。本当に心配。心配してんのかな?協会の上の人たち」と不満を漏らしていた。

「Jリーグに興味がないってことですよ」

今回のE-1選手権では、海外組が招集されておらず、また、鹿島アントラーズの選手も選ばれていない。そういったことがカシマスタジアムで行われた香港戦の少ない観客数の要因になったのではないかとの指摘には、「いや、これは事情じゃないと思う」とキッパリ否定し、「普段通りのことがこういうことに現れると思うんですよね。ちゃんとしたメンバーを選ぶか選ばないかでこういうことが表に出てくる。これは正直、Jリーグに興味がないってことですよ。これだけのことが起きるとね」と嘆いた。

一方で、6月6日に行われたサッカー日本代表対ブラジル代表の国際親善試合(国立競技場)では6万人以上のサポーターが詰めかけた。闘莉王氏は「だから(サポーターは)日本代表を見に来てるわけじゃないってことですよね。これは数字として現れてると思いますよ」と分析した。

そして、闘莉王氏は「まずJリーグ、日本代表を大事にすること。Jリーグはお金が少ない。もっとJリーグに投資をすると。海外にいるから選ぶんじゃないんだ、代表は。結果出してる選手を選べ!」と提言し、「ちょっと考えましょうね。もっと子どもたちに興味を持たすものを作らないといけない。夢があるものを作らないといけない」と訴えていた。