道路守る「太郎」世代交代へ!? 可愛い「バルーン太郎&花子」導入広がる 背景に切実問題
道路工事の規制区間を見守る「ガードマンロボ」。いま高速道路では、その世代交代が進んでいます。新型の、空気で膨らむバルーン型ガードマンロボに、カワイイの声も寄せられています。
「安全太郎」から「光太郎&花子」へ
2022年6月現在、高速道路では対面通行規制を伴うリニューアル工事が各地で進められています。その工事現場で“活躍”している「太郎」と「花子」が、SNSなどで徐々に注目されているようです。
i光太郎くん。東北道の工事区間にて(乗りものニュース編集部撮影)。
何かといえば、工事の規制区間が始まる箇所に設置して注意を喚起する、いわゆる「ガードマンロボット」のこと。ですが、いまNEXCOの工事区間で多く見られるのが、空気で膨らむバルーンタイプです。男性モデル「i(アイ)光太郎くん」と女性モデル「i花子ちゃん」の2種類が見られます。
NEXCO東日本によると、もともとは生身の人間が規制区間を誘導していたものの、危険が伴うことから、腕が動くロボットタイプや、マネキンのような「安全太郎」が用いられてきました。しかしいま、バルーンタイプの導入が広がっているのだとか。
「バルーンは横に広がるので、視認性が大きく向上しています」というのが理由。確かに、クリクリな目が描かれた巨大な頭を持つ2頭身フォルムは、バルーンならではの形かもしれません。
導入進む背景にある、笑えない問題
「i光太郎くん」と「i花子ちゃん」は、NEXCO東日本グループのネクスコ・メンテナンス東北と、アークノハラが共同開発。収納された箱から5秒で膨らみ、顔は両面に描かれているので方向を選ばず使用が可能、かつ夜は内側から光ります。
すでに200台以上が納入されており、2022年6月現在、リニューアル工事が行われている東北道で多く目にしますが、NEXCO中日本管内の中央道でも見かけました。会社を越えて導入が広がっています。
実は、彼らが活躍する背景には、看過できない事情があります。実は、工事の規制区域にクルマが突っ込む事故が多発しているのです。
NEXCO東日本の注意喚起ポスターより。実際に発生した工事規制区域内への衝突事故(画像:NEXCO東日本関東支社)。
たとえばNEXCO中日本管内での当該事故件数は、2016年度に46件だったのが、2018年度には149件になるなど、事故が年々増加していました。光太郎&花子のようなバルーンは、工事区域を目立たせて事故を防ぐ取り組みのひとつとして導入されているのです。
そんな道路の“新顔”である光太郎と花子ですが、SNSでは特に花子に「カワイイ」といった声や、「最近この子頑張ってるよね」「グッズ化してほしい」といった声が見られます。ちなみにNEXCO東日本によると、光太郎と花子のどちらを使うかは、現場の判断だそうです。