京阪の門真市駅に特急や準急が停車すれば、大阪モノレールに乗り換えやすくなる……その構想が、18年越しに動き出そうとしています。今後どのような動きになっていくのでしょうか。

国の答申にも盛り込まれていた「門真市停車」

 京阪本線の門真市駅は、大阪モノレールの終着駅にもなっており、大阪国際空港(伊丹空港)へ直結する、重要な交通結節点のひとつとなっています。しかしこの門真市駅に停車するのは、各駅停車と、朝夕に運行される区間急行のみ。準急や快速急行、特急など優等列車は通過します。


門真市駅を通過する列車(画像:写真AC)。

 これが何を意味するかというと、門真市で大阪モノレールに乗り換えようとする場合、ほとんどの場合で最低1回は乗り換えが必要になってくるということです。まず、萱島以北の「各駅停車」は実質ほとんどが準急ですが、この準急は萱島より大阪側で急行運転となり、門真市を通過します。さらにこの萱島駅が困ったことに、快速急行や急行、特急が通過します。そのため、「特急に乗車→枚方市で準急に乗り換え→さらに萱島で各駅停車に乗り換え」と、ちまちまとした移動を強いられます。

 この不便さを解消するため、2004(平成16)年、国の諮問機関による「近畿地方交通審議会答申第8号」の中に、「門真市への優等列車停車」が盛り込まれました。答申第8号では、なにわ筋線や大阪モノレールなど新線整備計画がよくクローズアップされますが、「既存施設の改良に関し検討すべき主な事業」もいくつか挙げられており、門真市駅の案件もそのひとつでした。

 さて、「検討すべき」とされてから18年が経過。門真市駅の停車種別に変わりはありません。2014(平成26)年から行われた交通審議会におけるフォローアップでは、各施策について「開通済み」「完了」「代替措置が完了」「未着手」などの振り返りが行われるなか、門真市駅の件は全く触れられていない”スルー状態”となっていました。

停車には様々なハードルも

 それが2022年度に入り、ひとつの転機が訪れようとしています。門真市の作成した「門真市総合交通戦略(案)」の中で、「鉄道ネットワークの機能強化」の課題解決の事業のひとつに「京阪電車『門真市駅』への優等列車の停車」が盛り込まれたのです。

 具体的なアクションについては明記されていないものの、スケジュールでは、2029年度に予定している大阪モノレールの東大阪市延伸までに、鉄道事業者を実施主体として「優等列車停車についての検討」を行うこととなっています。

 門真市は「交通戦略として動くのは今回がはじめて」、京阪も「市と具体的な話が始まったのは2021年7月から」と話します。答申から18年が経過したいま、官民の連携が動き出す段階に来ています。

 とはいっても、「実現に向けた動き」ではなく、まずは「実現させるメリットがあるかどうかの検討」からのスタートとなります。

 というのも、ただ停車させるだけの単純な話ではないからです。最大の問題は駅構造で、現在の門真市駅は複々線の外側、各駅停車用の線路2本にホームがあるだけ。優等列車を停車させるためには、真ん中2本の線路側にもホームを設置しなければならず、駅の敷地も「外に膨らむ」ことになるため、用地買収も必要となってきます。

 鉄道事業者による単独工事は負担が大きいため、国土交通省の何らかの事業に盛り込まれ、補助金の交付を受けて行うこととなりますが、その事業認可に向けても、十分な費用対効果を見通さなければなりません。それが現実的であるかどうか、まずは見極めるための調査が始まっていきます。