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10月末まで全機復帰へ

 ANA(全日空)が2022年6月23日より、搭載しているエンジン「プラット・アンド・ホイットニー PW 4000」の問題で2021年2月より運航停止となっていた、「ボーイング777国内線仕様機」を定期便へ再投入させました。復帰1号機となったのは、405席仕様のボーイング777-200ER「JA742A」で、この日は羽田〜福岡線を1往復しています。


羽田空港に到着するANAのボーイング777国内線仕様機「JA742A」(2022年6月23日、乗りものニュース編集部撮影)。

 ボーイング777は、ANA国内線仕様機のなかでは、最大級のサイズと席数を持つ旅客機です。ANAでは現在、「PW4000」系エンジン搭載の777を15機保有。内訳は、標準型の777-200が10機(-200ER含む)、胴体延長型の777-300が5機です。777-200は全長63.7mで392席・405席を搭載、777-300は全長73.9mで514席を配します。なお、これらの777を除くと、ANAの国内線仕様機でもっとも大きなサイズの機体は、全長62.8mで最大395席を配するボーイング787-9でした。

 これら15機の777が搭載していた「PW4000」系エンジンは、2020年12月にJAL(日本航空)運航便で、2021年2月に米・ユナイテッド航空運航便でエンジン損傷事案が相次ぎました。そのため国土交通省では、同系列型のエンジンを搭載するJALの13機、ANAの19機(当時)に、運航停止の措置を下しました。ちなみに、ANA国際線で使用されている777-300ERについては、搭載エンジンが異なることから、国内線用仕様機が運航停止しているなかでも、通常通り飛行しています。

 同省は2022年3月、エンジンのファンブレードの非破壊検査の強化、エンジンカウルの強化、火災防止のための改修といった再発防止策を実施することを条件に運航再開を認可。ANAではその後、その手順に従いながら、運航再開にむけ準備を進めてきました。ちなみにJALの13機は、運航停止にともなって対象機全てを退役させています。

 ANAによると今後は「必要な再発防止対策が整った機材から順次運航を再開し、10月末を目途に対象全機材の復帰を完了する見込みです」とのこと。国内の各空港で再び、400席超のキャパシティを持つ大型旅客機の姿を日常的に見られる日が、そう遠くなく訪れそうです。