コラボの話もトントン拍子に進んだ3人は、「熱々おでん」ではなく「熱々てんぷら」で盛り上がった

 ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんが亡くなり1カ月が過ぎた。

 リーダーの肥後克広はツイッターで「何をやっても笑いを取る天才芸人上島が最後に誰も1ミリも笑えない、しくじりをしました。皆で突っ込んで下さい。皆にツッコまれる、それが上島の芸風です」(一部略)とつぶやき、さらに「ダチョウ倶楽部は解散しません。二人で、純烈のオーディションを受けます」とギャグを飛ばしファンを泣き笑いさせた。

 これを受けて純烈のリーダー酒井一圭が「泣くの我慢してたけど、肥後さん、勘弁してくださいよ。合格ですよ! 推すなって? 絶対推すなって? 純烈は推しますよ」とダチョウ倶楽部のネタ、熱湯風呂の「押すなよ」にからめてリツイートした。

 今回、「熱湯風呂」のダチョウ倶楽部、スーパー銭湯のアイドル・純烈が、「風呂」つながりということで芸能界でもブームになっているサウナに集結。「純烈、合格」の真相とコラボの可能性、そしてダチョウ倶楽部のこれからを語り合った。

 2019年5月、『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』(フジテレビ系)でダチョウ倶楽部が純烈のものまねをした。酒井に扮したのは上島さん、小田井涼平に肥後、小田井の妻LiLiCoは寺門だった。このときのものまねが、「純烈のオーディションを受けます」のツイートにつながる。

酒井一圭 あれは嬉しかったなあ。僕たちもまねしていただけるようなグループになったのかと。あの写真はスマホに入っています。純烈を選んでくださったのは、どういう理由からですか?

肥後克広 ものまねは誰のまねをするかがすごく重要で、いわゆる「ブームが来ている人」をまねするんです。「最近さあ、純烈さんに世間がザワザワしているよね」ということで企画したんだけど、似てたかなあ。

酒井 いや〜、めちゃくちゃ似ていました。大変でしたか?

寺門ジモン 竜ちゃんが歌えないので、それが大変でしたね。歌えたらすごく楽だったのに(笑)。

酒井 そうなんですね。リーダー(肥後)、なぜあのタイミング(密葬のあと)で、あのツイートになったんですか。

肥後 竜ちゃんの最後のオチが下手だったばかりに全国の方を悲しませてしまいました。その方たちに「ダチョウ倶楽部は続ける」という僕たちの気持ちをどう伝えればいいのかを考えたんです。続けるのは寺門のためでも肥後のためでもなく、ファンのため。

 そして僕たちのネクスト、次を想像したとき「メンバーを募集している純烈だな」と。ネームバリューもあるし、『紅白歌合戦』も一緒に出たいし(笑)。それと一緒に何かできれば日本中を明るくできるんじゃないかと思ったんです。

寺門 純烈さんなら我々を受け入れてくれるかなと思ったしね。そうしたらリーダー(酒井)の反応がめちゃめちゃ早くて。

酒井 ガチな話、純烈に参加していただきたいんです。純烈のメンバーには「もし今日、お話しできるタイミングがあれば直接“合格”をお伝えして、純烈と同じ衣装を着てステージに立っていただきたいとお願いする」と言ってきました。健康センターで、おばさまたちと握手をすると、すごくエネルギーがもらえますから、ぜひお願いします!

寺門 そう言ってくださると嬉しいよねえ。

肥後 スーパー銭湯、行きたいなあ。酒井さんに『合格』をいただいてから純烈さんのライブ映像をじっくり観たんです。アーティストと芸人の違いはあるけど、ダチョウと同じ空気感がありますよね。絶対におもしろいコラボになると思うなあ。

酒井 熱湯風呂も入ります(笑)。

寺門 だったら、熱々のおでんも用意しなくちゃね。

酒井 でも、リアクションに自信がないんです(笑)。メンバーが(結果の)電話を待っているはずです。早く報告したいなあ。

 肥後は「竜ちゃんに去年、還暦のお祝いに赤いちゃんちゃんこを贈ったんです。それを今年の11月に60歳になる寺門が受け取り、来年は僕が受け取る。その後は出川哲朗というふうに受け継いでいく予定でした」と悔しさをにじませたが、今後のダチョウ倶楽部について聞くと「ダチョウは寺門と2人で延々と、いつまでも続けます」と断言してくれた。

肥後 熱湯風呂や熱々おでんが「伝統芸能」というものであれば、それは次世代の若い芸人たちに伝えなければいけません。だけどそれには時間がかかります。そして伝え終わったころには僕たち、年金がいただける年齢になっていますから、そこからは年金生活に入ります。

寺門 あとひと山もふた山も頑張らないとね。

肥後 今回、ダチョウ倶楽部にこんなに多くのファンがいたんだと驚きました。その方たちのためにもダチョウは続けます。

 ダチョウ倶楽部と純烈が同じステージに立つ光景を思い浮かべ、ワクワクしたファンも多いのではないだろうか。肥後は鼎談中、何度も「ファンの方への恩返し」と「次のステージ」という言葉を口にした。上島さんが亡くなったことは心から寂しいが、ダチョウ倶楽部は今、新たな一歩を踏み出した。

ひごかつひろ
1963年生まれ 沖縄県出身 上京後はデザイン事務所のデザイナーになったが帰郷。お笑い芸人を目指し再上京、杉兵助氏に師事した。1985年にダチョウ倶楽部の結成に参加

てらかどじもん
1962年生まれ 兵庫県出身 役者を目指し、テアトル・エコー養成所に所属。同期の上島竜兵さんとお笑い芸人に転身することを決意し、ダチョウ倶楽部の結成に参加

さかいかずよし
1975年生まれ 大阪府出身 1985年、ドラマ『逆転あばれはっちゃく』(テレビ朝日)の主人公で子役デビュー。2007年、純烈を結成。2018年から『NHK紅白歌合戦』に4年連続出場。純烈主演映画『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』(今秋公開)、シングル『君を奪い去りたい』A〜Dタイプ発売中

写真・福田ヨシツグ、野澤亘伸(上島竜兵さん) 
撮影協力・恵比寿サウナー(東京都渋谷区恵比寿西1-21-5 WEST21ビル 1F)