大宮周辺に「ニュータイプ駅名標」出没中 時刻表があった場所に掲示 なぜ?
さいたま市内のJR線を中心に、新しいタイプの駅名標が登場しています。時刻表などが掲出されていた掲示板スペースに、一部表記を省く形で、いかにも狭く配置されたニュータイプ駅名標。今後これがスタンダードになるのでしょうか。
掲示板を「間借り」
駅のホーム上で駅名を知らせる「駅名標」。一般的には横長で、ホームの屋根から吊り下げられるか、ホーム上に立てられています。そうしたなか大宮周辺のJRの駅では、2022年6月現在、少し変わった形で”駅名標”を掲示している風景が見られます。
北与野駅にて、立て看板上に掲示された駅名標(乗りものニュース編集部撮影)。
それがあるのは、駅の発車時刻表を掲示していた掲示板です。上半分は駅名標に似たデザイン、下半分は周辺エリアの路線図が掲出されています。スペースの関係か、”駅名標”は本来のものと違い、前駅の表記がなく、次駅のみが書かれているのが特徴です。
ホームに立てられる時刻表や路線図と「一体化」した駅名標自体は、東武をはじめ、他社線にも例があります。ただ今回のケースは、掲示板の一画を「間借り」するような形。しかも時刻表を置き換える形で登場したものです。
なぜ最近になり、このような形で駅名標を掲示しているのでしょうか。駅を管轄するJR東日本大宮支社に聞いてみました。
――駅名標をなぜこのような、掲示板へのポスター掲示という形にしたのでしょうか?
もともとここには駅の発車時刻表などが掲示されていましたが、掲示終了にともない、空きスペースを活用する形で始めたと、確認しています。
――支社としての取り組みなのでしょうか。
いえ、駅ごとに各自行っているものです。
――屋根から吊るす駅名標を撤去するケースが各地で見られますが、この取り組みも吊るし看板から掲示板への移行ということでしょうか。
いえ、あくまで「空き掲示スペースの活用」ということであり、吊るし看板の駅名標を撤去するといった予定はございません。
――このような掲示を行っているのはどの駅でしょうか。
現在は、埼京線の北与野駅〜南与野駅間、宇都宮線の土呂駅、川越線の指扇〜日進間で行っています。
――ちなみに、なぜホーム上の発車時刻表を撤去したのですか?
ホームでは電光掲示板により次車の時刻や行先などを案内しているほか、スマートフォンの普及などによりホーム上の時刻表の需要が低下していることから、コスト削減のため撤去しました。なお、発車時刻表自体は、改札付近など駅のコンコースに残っているため、時刻の確認がいっさい出来なくなったわけではありません。
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駅名標をめぐっては、大宮周辺以外でも変化が見られます。駅名標はもともと、内部に蛍光灯などがあり自発光するものが主流でしたが、コスト削減等のため都心部を中心に、光らない「ただの板」に置き換えが進んでいます。それにくわえ、ホーム上の時計が撤去されることも。今回は置き換えというケースではなさそうですが、駅の風景も時を経てさまざまな変化が見られるようになっています。