【きのこクイズ】Q1「なめこは調理前に洗う?」Q2「なめこは生で食べられる?」なめこ農家がズバリ答えます!
味噌汁の具でおなじみの「なめこ」。ところで、調理する前に洗ってますか? それとも洗わずにそのまま使っちゃう? この素朴なギモンについては、ネット上でも答えがまちまちです。さらに、もっと気になることが! なめこって生のままでも食べられるの?? 栃木県のなめこ専業農家・小西聖子さんに直接取材しました。さて、正解はいかに…。
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Q1の答え:真空パックは軽く洗い、株付きはなるべく洗わないで
〇真空パックのなめこ
野菜売り場の冷蔵コーナーに置かれていることが多いですね
「中身は軸の部分を切って収穫したなめこです。かさの形がしっかりしているものが新鮮で、形が崩れているものは鮮度が落ちていますね」(聖子さん)
袋から出してみたところ。形もしっかりしています。これは新鮮そう!
「真空パックのなめこは、軽く水洗いしてください。おがくずなどが付着していることもあるので。ただ、ゴシゴシ洗うのは禁物。形が崩れるし、なめこの持ち味であるぬめりが取れてしまいます」(聖子さん)
ボウルに張った水でやさしく洗い、ザルにあげるとよいそうです。
〇株付きのなめこ
「株なめこ」「株取りなめこ」などと呼ばれることも。包装技術や輸送方法が進歩して、近年出荷が増えています
「株付きなめこを選ぶポイントは、明るくきれいな茶色で、全体にハリがあること。水分が抜けてクタっとしているものは収穫から時間が経っています」(聖子さん)
袋から取り出した株付きなめこ。これはぷりっぷりで新鮮です!
「株付きのなめこは、よほど気にならない限り洗わないで使いましょう。なめこは水分を多く含んでいるので、傷みやすく、形が崩れやすいですから。ちょっとした汚れはキッチンペーパーでそっと拭くくらいで大丈夫です」(聖子さん)
Q2の答え:なめこは生食できないんです!
真空パックのなめこを見ると、柔らかくてそのまま食べられそうって思っちゃいますね…。
「真空パックのなめこはくたっとしているので、火を通しているように見えますが生です。なめこは生で食べるとお腹を壊すことがあるので、必ず火を通して食べてください。ただし加熱しすぎると縮むし、食感も損なわれてしまいます。加熱時間の目安は、30秒から1分くらいです」(聖子さん)
株付きなめこは、包丁で石づきを切ってから加熱します。
包丁で切りにくいときは、キッチンばさみを使ってもOKです。
「わたしも、収穫のときははさみで1本1本、切っているんですよ」(聖子さん)
なめこのベストな保存法は?
柔らかくてデリケートななめこですが、どのように保存するのがベストでしょうか。
「冷蔵コーナーに置かれていることからもわかるように、なめこの鮮度は低温で保たれます。買ってきたなめこは、すぐに冷蔵庫の野菜室に入れてください。持ち帰るときも、保冷剤や保冷バッグを使うとカンペキです」(聖子さん)
冷蔵庫で何日くらい持ちますか?
「真空パックなら2~3日は持ちますが、鮮度はどんどん落ちます。できるだけ買ってきた当日、遅くとも翌日には食べきってくださいね。封を開けてツンと鼻につくにおいがするときは傷んでいるかも。食べないほうが無難です」(聖子さん)
ちなみに冷凍保存はできるのでしょうか。
「真空パックなら、袋のまま冷凍できます。1か月くらい持つので、すぐに食べないなら冷凍保存がオススメです」
「ただし、冷凍したなめこを自然解凍すると水っぽくなってしまいます。写真のように、お湯に直接入れるなどして凍ったまま調理するのが、おいしく食べるコツです」(聖子さん)
なめこは、菌床に菌を植えつけてから収穫するまで100日ほど。小西なめこ園では、時期をずらしながら通年で栽培・出荷できる態勢を整えています。丹精して育まれたなめこ、この記事を参考においしくいただきましょう!
培養室に並ぶ菌床。適切な温度と湿度で、なめこの菌をじっくりと育てます
菌糸が十分に育ったら、ハウスでなめこを発生させます。この春も立派に育ちました!
小西なめこ園
小西美好さん・聖子さん
栃木県高根沢町で、なめこ栽培を営む専業農家。兼業農家だった実家の跡を継いだ美好さんは2代目。菌床栽培の設備をととのえることで通年栽培を可能とし、専業農家へと転換する。収穫したなめこは、おもに高根沢近辺の道の駅、直売所のほか、給食用にも出荷。妻の聖子さんは収穫を手伝うほか、Instagramなどを通じてなめこレシピを発信し、消費拡大に向けてPRしている。
●Instagram ID @little.west.s.m.farm
●贈答用の株付きなめこは予約で受け付けています(販売期間10月~3月)。問い合わせは下記まで。
電話:028-676-1075