大物議員が相次いで「政界引退」を表明 それぞれの選挙区で波乱は? - BLOGOS編集部
※この記事は2017年10月18日にBLOGOSで公開されたものです
9月28日、臨時国会の冒頭で衆院解散が行われ、事実上の衆院選がスタートした。希望の党の設立、民進党の分裂など野党の動きが目まぐるしいなか、これまで政界を動かしてきた大物議員たちが不出馬、引退を表明した。大物不在となった各選挙区で、「票」はどのように動くのか。
京都5区 谷垣禎一氏(72)
谷垣氏は、京都府福知山市で生まれ東京大学法学部を卒業。その後、自民党で副幹事長や文部大臣を歴任した父・専一氏の死去に伴い京都5区の地盤を継承し、12期の連続当選を果たした。2009年の政権交代で自民党が野党になった際は、自民党総裁として党を支えたが、政権復帰目前の総裁選で敗れ、第二次安倍政権では党幹事長を担った。
谷垣氏は、昨年7月に自転車事故で頸髄(けいずい)を損傷。復帰に向け療養中のなかでの解散となり、「きちんと歩くことができず、議員活動を十分できない」「後進に道を譲りたい」と語り衆院選不出馬、政界引退を決めた。谷垣氏の選挙区、京都5区では新人の本田太郎氏(43)が後継として出馬している。
山口1区 高村正彦氏(75)
高村氏は中央大学法学部卒業後、弁護士となり1980年の衆院選で旧山口2区から初当選。その後、12期連続当選した。1994年の村山内閣で経済企画庁長官として初入閣。その後も、外相、法相、防衛相を歴任し、2012年の安倍内閣発足時に副総裁に就任。副総裁の歴代最長の在任日数を更新している。高村氏は、党憲法改正推進本部の特別顧問を務め、改憲論議を主導してきた。
今回の衆院解散を受け、高村氏は「体力の限界」を理由として不出馬。政界引退の意向を表明した。その後、安倍首相は「議員でなくても副総裁は務められる。任期の間は務めてほしい」とテレビ番組で語り、来年9月の任期まで留任させる意向を示している。選挙区である山口1区では長男の正大氏(46)が自民党公認で立候補している。
岡山3区 平沼赳夫氏(78)
平沼氏は慶應義塾大学法学部卒業後、会社員を経て1980年に自民党から出馬し初当選。その後、12期連続当選している。初当選後は、運輸相や通産相を歴任するも、2005年の郵政民営化に反対し自民党を離党。たちあがれ日本の代表や次世代の党の党首を務めた後、2015年に自民党に復党し、超党派の「拉致議連」会長を務めた。
平沼氏は、「病気で身を引かざるを得ないと考えた。自主憲法制定に民間人として今後も関わりたい」と引退理由と今後について語った。選挙区である岡山3区からは次男で新人の正二郎氏(37)が無所属で出馬し、当選した場合に自民党が公認する見通しだという。
広島6区 亀井静香氏(80)
亀井氏は東京大学経済学部を卒業後、警察官僚を経て1979年の衆院選に自民党公認で出馬。旧広島3区から初当選を果たした。その後、運輸相、建設相、自民党政調会長などを歴任。2005年には小泉政権の郵政民営化に反対して、自民党を離党(除名)し国民新党を立ち上げた。2009年の政権交代時には、鳩山政権の金融担当相を務めた。
亀井氏は今回の衆院解散を受けて、出馬せず政界から引退する意向を表明。「後進に道を譲るため政界から身を引く」と引退理由を語った。
このほかにも、坂本剛二氏、漆原良夫氏、横路孝弘氏、川端達夫氏、大畠章宏氏、黄川田徹氏、保岡興治氏が引退を表明している。