私の仕事は見えない″ガラスの石″を取り除くことー森まさこ少子化担当相が講演 - BLOGOS編集部
※この記事は2014年07月17日にBLOGOSで公開されたものです
16日、森まさこ少子化担当大臣が外国特派員協会で講演を行い、安倍政権が掲げる"女性の活用"についてこれまでの取り組みを報告した。森大臣は、先日公開された、11人の県知事と共演した動画「Let It Go~ありのままで~ by 子育て同盟」も話題。この日も時折ユーモアを交えながら子育ての苦労や、霞ヶ関の実態などを語った。 写真一覧
日本では、未活用になっている女性の力が大きな潜在労働力の一つです。安倍内閣では、女性の社会参加促進を成長戦略の中核に据えて、すべての女性が輝く社会をつくるのための様々な施策を行っています。
私は弁護士、国会議員、そして閣僚として働きながら、2人の子育てをしてきました。その過程で実感したのは、女性が社会で成功するための道のりには、多くの見えない"ガラスの石"が置かれているということです。それらは男性に見えないものでした。とくに私の夫のような男性には(笑)。彼らには、なぜ女性たちがつまずくのか、理解できなません。私の仕事は、この"ガラスの石"を見えるようにすること、そしてそれらを男性とともに一つ一つ取り除くことだと思っています。
また、出生率の低下も、社会・経済の基盤にとって重要な問題です。6月には「少子化危機突破のための緊急対策」を発表しました。先月には、「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2014)」を決定しました。
安倍総理の国連での演説の半分以上が女性の活躍についての話しで、高い評価を得ました。また、ダボス経済フォーラムでも、女性の力について言及ししました。日本の総理が女性の活用について話しを始めたのは初めてだと思いますし、世界が注目していると思います。
日本では6割の女性が結婚・出産を機に仕事を辞めていますが、働きたい女性は350万人います。
女性の活躍は労働力の確保という側面だけではなく、優秀な人材を確保し、女性の視点が加わることで商品開発やサービスの向上につながると期待されています。ゴールドマン・サックスやIMFも、女性が活躍をすることが経済にも大きなプラスになると指摘しています。また、経営陣に占める女性の割合が高い企業ほど経営指標が良い、という統計もあります。
2つの数値目標を策定
我々は昨年、KPIを2つ定めました。まず、2020年に、”指導的地位に女性が占める割合が30%”を目指すこと、 もう一つは、25歳~44歳の働き盛りの女性の就業率73%を目指すことを設定しました。これらの実現のために3つの政策を立てました。ひとつめは企業に対するインセンティブ、つぎに女性の様々なライフステージに対応したきめ細かい政策。そして、男女のワークライフ・バランスです。それぞれのKPIに向けた政策の主な成果をご紹介します。
まず、女性の登用ですが、安倍総理が経済三団体に「女性を役員にいれなさい」と直接要請しました。政治の世界から経済界に注文をつけることは非常に異例なことですが、経団連も「やります」と答えました。
実は前の晩まで揉めました。私は根回し役の担当大臣ですので、「"役員に必ず女性を一人入れるように"と言うのはやめてくれ、"入れるように努力する"というソフトな言い回しにしてくれ」という抵抗がありましたけれども、総理の強い意志をそのまま言葉にしていただきました。
その結果、2012年6月から2013年6月までの1年間で、女性管理職の比率は6.9%から7.5%に上がりました。経団連のトップが断定調で言ってくれたおかげで、これだけの大きな伸びが出ました。この1年間で、50人以上の女性が上場企業の役員になりました。
最近では日経新聞をめくると、毎日のように「どこどこの企業の役員に40代女性が入りました」というようなニュースが出ています。
最近では、私の大臣室を訪れる大企業の社長は、ドアを開けるとまず「あっ!森大臣!今度女性を役員にしました!」と言わないと、他の陳情ができないと思われているようです(笑)。そのくらいの大きな動きがあります。
育児休業給付金の支給率を引き上げ
2つめのKPI、女性の就業者を増やすということですけれども、これは68%から69.5%に上がり、1年半で62万人の女性が働き始めました。これには経済界の自主的な取り組みもあります。経団連は総理の要請に答えまして、47社が女性の登用に関する自主行動計画を作って公表しました。また、全会員企業に女性登用の数値目標の策定を呼びかけています。また、保育の充実。民主党政権も含め、これまでの政権で少しずつ保育所の数を増やしてはいましたが、まだまだ足りないということで、安倍政権になってからの2年で20万、5年間で40万人という大規模な保育の拡充を掲げまして、財源の裏付けをしました。現在、計画に沿って着実に保育園が増えています。
さらに、(原則として満1歳未満の子の養育のために休業した場合に支給される)育児休業給付金の支給率を、休業開始前の賃金の50%から67%に引き上げました(今年度から。)。休業しているときには税金などの支払いもなくなりますので、実質的にはお給料の約80%が手元に残るということで、育児休業を取得しやすくしました。
この80%というのは、スウェーデンと同じくらいということで、世界の中でもトップレベルだと思います。加えて、男性にも育児休用を取ってもらえるように、この期間が2倍に延びるというインセンティブを与えています。
国際会議に行く度に女性の閣僚たちから面談を求められるのですが、アメリカのラッセル大使、オーストラリアの外務大臣からも「自分の担当範囲外だが、是非話したい」ということで面談しました。彼らが「育児休業給付金というのはアメリカにもない」「オーストラリアに帰国したらアボットに伝える!」と言っていたくらい、高い評価を得ています。
しかし、これは簡単に実現できたことではなくて、これまでどの政党も「これをやれば育児休業は増える、だから給付を増やす」と公約に掲げて選挙を戦ってきたんですが、財源が取れないということで結局実現しませんでした。
私も閣僚になってから、担当の田村(憲久)厚生労働大臣にー私たちは同い年で、二人で"最年少大臣"なのですがー「たむたむやってよ!これをやんないと女性の活躍はできないのよ!」
と閣議の度に言ってきました。たむたむも、
「わかってるんだけど、これは難しいんだ…」
と、いい答えはもらえませんでした。
しかしある日、彼は「やります」と発表しました。私から閣議で言われる度に、厚生労働省に戻って官僚にやってよやってよと言い続けていたということです。厚生労働省も1年間かけて、知恵を絞って一歩踏み出しました。この取り組みで、育児休業が増えることを大変楽しみにしています。
また、女性の役員の数、男性の育児休業の取得率などの情報は、内閣府のホームページに載せて頂いています。
このシステムを始めると私が言った時、部下は全員反対しました。「無理です、どの企業も、任意の要請で、どうぞお載せ下さいと言うわけないじゃないですか。女性の役員がこんなに少なくて、男性の育児休業取得率0%。こんな恥ずかしい情報を載せるわけがない」と。でも今では上場企業のうち33.5%にあたる1191社が掲載され、私がこの種の講演をする度に数字が伸びています。
アベノミクスに乗り遅れないようにするためには、女性の活躍のための施策をしなければならないということに企業は気づいています。それを投資家、就職活動をする学生、消費者が見ています。
消費者庁では"育児休業を取ったら昇進"
企業に要請するからには役所も変えなければいけない、霞ヶ関の中も変えなければいけないと取り組んでいます。私も消費者庁の担当大臣ですから、すぐに男性の育児休業取得率データを出させました。栄えある0%でした
(笑)。しかし私が就任した後にお子さんに恵まれた男性官僚は、必ず全員が取得しています。今では取得率100%です。リーダーを見ているということがあると思います。
私はNY大学時代の恩師に「マサコ、君が活躍をしているのはわかるけれど、日本は男尊女卑の国ではないのかい?」と言われました。「いまどきの日本のお母さんたちは、自分の息子に、台所に入るなとか、将来結婚したら奥さんを手伝っちゃダメみたいな教育は一切していません。」と答えました。
ですから、日本の若い男性はみんなイクメンなんです。でも、会社に行くと上の人たちの目や会社の空気を気にして、イクメンとして振る舞えないんです。制度は改善されたけど制度が使えない。その意味で、リーダーシップとかマインドセットが大変大事だと思います。
日本の官僚は給料が低いんです。他の有名な企業に入った同級生より給料が低くても、霞ヶ関で働くのは、やはり国を動かす仕事がしたいという志があるからです。それが叶わなくなっては大変ですね。お給料ももちろん大事ですけれど、やはり男性官僚が気にするのは、休暇から戻ってきた時に、同期と一緒に昇進できるか、ということだと思います。
私の役所では、(2013年度から)育児休業を取ったら昇進させる、というふうに人事規定も変えました。規定を作ろうとしたら、人事課長が「大臣おやめください」という。「前例が無いからと言うなよ!」と言うと、「いや、世界に前例がありません」と言いました。ですから、世界初の制度が実現できたと思います(笑)。
国家公務員における管理職比率、これは安倍内閣になってから従来の3倍のペースで増えています。この秘密は"通信簿制度"です。
これは私が閣議の度に全大臣の通信簿を付けて配っています。女性の官僚が何%いるのか、その中で管理職が何%なのか。また、有識者会議の中に女性は何%いるのか。全部のリストを作り、トップから最下位でランキングにして配っています。男性はランキング大好き(笑)。大臣たちは争って、1学期、2学期、3学期となる度に、女性の比率は上がっています。
最下位だった警察庁は頑張って、岩手の県警本部長を女性にしました。彼女は被災地という大変治安の維持が難しいエリアの本部長に女性初で就任しただけでなく、同期入庁の男女の中のトップで県警本部長になっています。
また、公務員の処遇を決めるのが人事院ですが、女性がその総裁になっています。
今後の施策
昨年の成長戦略でも、女性の活躍が入っていましたが、今年はさらにその優先順位がアップして、トップに書き込んでもらえました。新たな具体策としては、育児・家事支援環境の拡充。学童保育を今後5年間で30万人分整備、子育て支援員のメンバーを増やす、家事支援サービスの利用者負担を下げるなどを進めていきます。税制と社会保障制度も見直します。目新しいものとしては、女性活躍のための新しい法律を作ります。そして有価証券報告書への女性役員比率の記載義務付け、企業情報の一元化を行います。
また、全国的にこの動きを広げて行きたいと思っております。輝く女性応援会議を立ちあげ、総理が全国を回るキャラバンをしています。さらに、オーストラリアの性差別担当官に教えていただいた取り組みを採用し、輝く女性の活躍を加速する男性リーダーの会を立ちあげました。これは"男性の男性による男性のための女性活躍"ということで、錚々たる男性社長さんたちが、彼らがあらゆる機会に、なぜ、この会議には女性が居ないの?我が社では女性が活躍できないの?なぜ取引先の人が出てくるときに男性ばかりなの?というようなことを発信していってくださる予定です。
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質疑応答
ーどのようにして働きながら育児をなさったんでしょうか。ご両親が手伝ってくれたのでしょうか。また、多くの若い女性が、いい会社に就職する目標のひとつに、良い夫を見つけるということがあるように思います。男性の考え方を変える必要があるとおっしゃいましたが、女性の考え方を変える必要もあるのではないでしょうか。
弁護士の頃は、常に世の中を呪っていました。とにかく日本という国は、女性が働きながら子育てをすることは不可能に近いと思っていました。今、担当大臣になりましたので、その呪いが私にかかってきていますので、それを解消しなければいけないのですが(笑)。
私は夫と同時に司法試験に受かりました。日本で一番難しい試験ですが、頭ひとつで受かる試験です。同じ脳みそで受かっているのに、彼の方がどんどん先に行くんですね。"よーい、スタート"でかけっこをしても、女性の走る道には先ほど言ったようなガラスの石ころ、ガラスの壁がいっぱいあって、ぶつかったり、転んだり、血を流したりしています。
うちの夫は遥か先に行ってから振り返って、"なんてお前はトロいんだ"と言う。ガラスの石ころが彼には見えないんです。自分と同じようにやっているとばっかり思い込んでいる。
まず男性に、その苦労をわからせなければいけないと思います。私は両親と同居していませんでしたし、彼の両親とも同居していません。ベビーシッターも使っていません。保育園は4時に終わりますので、お迎えにいって、子どもを膝の下に置いて、弁護士としての電話を受けたりしていました。2人目が生まれた時に、"もうダメだ"と思って仕事をやめ、2年間専業主婦をしました。
本当に失意の毎日でした。真っ暗なトンネルで先は見えません。司法試験に受かっていても、復帰のチャンスは無いんです。子どもが2人いる女性弁護士を雇う事務所はどこにもありません。2年間と決めて専業主婦になったわけではなくて、永遠のトンネルと思って入りました。だけど、子供2人と一緒の日々はもちろん充実しているし、楽しかったんです。
そんな中、アメリカに行ってびっくりしました。私が住んだのはメリーランド州のベセスダというとことです。小学校では平日に保護者会があって、弁護士、医者、政治家をしているママたちも100%くる。お迎えもパパがくる。 日本と全然違う風景がそこにありました。
私は「あなたたち、4時に保護者会に来て、クライアントはどうしているの?」と聞きました。彼女たちは「後輩たちがやってくれている」と言いました。当時の日本ではありえません。
次の日、彼女の弁護士事務所に行って、どうして4時に帰ったか知っているかと聞きました。独身の男性や女性たちが「保護者会でしょ、クライアントや裁判のことは私たちがやりました。」と言いました。「なんで人の仕事を手伝うの?フィーも彼女のものでしょう?」と尋ねると、「彼女は私たちの未来の姿です。彼女はかっこいい。子育てがちゃんとできるから、仕事もちゃんとできる。」と。こういう意識に変えていかなければならないと思いました。
そんな天国のようなアメリカから日本に帰りましたが、もちろん弁護士としては復帰できませんから、泣く泣く金融庁に入り、官僚になったんです。当時の金融庁には、子どものいる女性官僚は居ませんでした。みなドロップアウトするからです。でも、「子どものいる職員の皆さんへ時間差出勤が出来ますよ」と書いてありますから、人事課に、保育園に送っていくので、時間差出勤したいんですけど、と言いに行きましたら、「できません。使ったことある人がいないんです。」という。そんな現状でした。
今はそのときの上司が私の部下ですので(笑)、金融庁を180度変えまして、50%は女性を採用するようにしています。国会当番のある部署にも子どもがいる課長補佐を置いています。彼女は国会を待たずにiPadを持って家に帰ります。テレワークです。そういうふうに少しずつ変えています。
しかし、夫の名誉のために言っておきますと、彼はイクメンに変身しました。彼はとても大きな事務所の弁護士なですが、私が大臣になったときに、同僚たちに言われたそうです。「あ、もうこれで君の出世はないね。ご愁傷様。」と。彼の事務所は365日・24時間、馬車馬のように働いて稼いでいる事務所です。私が大臣になれば、彼が育児をしなければならなかったんです。帰って子どもたちのご飯を作る。同期が事務所にいる間も、土日もずっと育児をしていました。でも、彼はなんとパートナー弁護士になったんです。「そのほうが仕事のスキルが上がったんだ。」と言いました。
女性の活躍がと少子化問題。両方解消するには、男性がチェンジするためには長時間労働を変えなければ行けないとも思います。
また、最近の統計では、若い世代は共働きをしてきたいという割合が高いでし。結婚相手に望むことは経済的な裕福さではなく、家事を分担できること、というのが多くなってきました。
どの国でも、お金持ちと結婚して、という女の子は一定割合でいます。その彼女たちも、将来は学んできたことを活かして働きたいという時期がくると思います。その時に支援が出来る仕組みができたらと思っています。
ー男性の考え方、ということで、都議会で野次問題もありました。政治の世界も変わらなければいけない、ということについてはいかがでしょうか。
"ガラスの石ころ"とおっしゃいましたが、政治の世界にはどんな石ころがあったんでしょうか。
また、今度の内閣改造では、より大きな省、たとえば財務省や厚生労働省などに、女性大臣が登用する可能性はありますでしょうか。(ドイツのジャーナリスト)
ワールドカップ優勝おめでとうございます(笑)。
これもやはり一世代前とは変わりました。先輩たちから聞くと、夜の意味不明な飲み会に出なきゃいけない。1年生は先輩より早く帰っちゃいけない。そうすると子育て中の女性の議員は出られませんね。そして朝になると知らないうちに物事が進んでいた、ということもあったそうです。
しかし私が受かる頃には、先輩たちは私に小さい子がいるのがわかっていますから、早く帰りなさいといってくれますし、大事なことが夜のうちに決まるとか、そこでお願いをしないと何か役職がもらえないとか、そういうことは一切なく、やはり実力で決まるように変わってきていると感じています。
今度の組閣は、私は常に女性大臣の数を増やすべき、と言っています。女性議員の先輩たちは本当に優秀でして、どの重要な閣僚でも務まると思っていますし、常にそのようにアピールしています。そのことを望んでいます。
ーフランスには「パリテ法」がありまして、国会議員、地方議員の数はほぼ5:5です。そしてオランド大統領の英断により、閣僚も男女比は5:5になっています。日本の場合ですと地方議会に行くと女性議員ゼロというところもたくさんありますが、これから自民党としては国会議員の候補、地方議員の候補を男女比5:5にするつもりはないか、安倍政権の閣僚を5:5にするつもりはないか。
フランスには昨年9月に行きました。ベルカセム女性の権利担当大臣、家族担当大臣など4人の女性大臣にお会いしまた。ベルカセム大臣の執務室には三輪車が2台。子ども二人を育てながら、「保育園が終わると、大臣室にベビーシッターが連れてくるのよ」とおっしゃるのを嬉しく拝見しておりました。
私もティーンの娘二人を育てながら、やっています。 政務官も副大臣もやったことがない、国会議員1年生で大臣になったのは私が初めてでした、なぜ安倍総理が私を任命したかというと、リアルに子育て中のママで、仕事をしているからだと思います。そのママたちの毎日の葛藤を解消するためにというミッションだと思ってやっています。
そのためには、働く女性のパーセンテージ、指導的立場にいる女性のパーセンテージを増やしていくことは大変大事だと思います。
私の出身母体の自民党では石破幹事長が選挙担当ですので、大臣になった時にすぐ、候補者、女性をどんどん増やしてほしいと申し入れに行きました。女性は選挙に出るのに障害があります。家族の了解、資金の問題、人的ネットワーク、それらを党が支援してほしいとことを文書にしてお渡ししました。
その結果、石破幹事長も、自民党大学という自民党の中にある学校に女性の候補者を養成するためのプログラムを作っていただいて、頑張っています。
消費者庁はランキングで常にトップを走っておりますので、今後も比率を上げていきたいと思います。
昨日ちょうど人事課が(国家公務員合格者の官庁訪問の)報告に来ましたが、「私はこんなペーパーは見たくない!」と突き返しました。まだまだ努力が足りません。「来た人は必ずつかまえます」と言うのですが、女性は全体の2割でした。「こちらから全部の女子大にお手紙を出しなさい!これからの霞ヶ関で働いてみないかと女子大生を口説いて、学生が訪問に来た時には大臣室訪問ができるように!」、と昨日指示をしたところです。頑張ります。
ーワークライフバランスについて、オランダ人の私から見ますと、パートタイム・ワークを進めるのはどうでしょうか。これは日本でのいわゆる"パート"ということではなく、たとえば2人が1週間のうち半分ずつ出勤して、正社員と認められ、福利厚生も付いてくるようなワーキングプロセスです。非正規社員ばかり増えても、問題解決にはならないと思います。
また、日本では子育てにコストがかかると思います、もっとしっかりした、質の高い公立学校の制度を創り、私立に行かなくてもいいようにすべきではないでしょうか。
日本では、非正規労働者の中で女性の占める割合が非常に高いです。非正規で子育てから復帰している方も多い。仰るとおり、そこを正規として復帰し、育児しながら働き続けられるようにすべきだと思います。週に何回とか、1日のうち3時間だけとか、在宅勤務であるとか、柔軟な、様々な働き方をする正規社員というものが認められるよう、整備しているところです。政府は取り組んでおります。
教育についてですが、幼児教育の無償化に取り組んでいます。昨年実現したのは、少子化にも資するように、第三子は幼児教育を無料に、第二子は全員半額にしました。生活保護の家庭は全部無料にしました。この枠を今年も広げるべく頑張っているところです。
教育にコストがかかる、子育てにコストがかかるというのを解消していかなくてはなりません。そのためには子どもの政策に優先的に財源を使わなければなりません。そこで政府の骨太方針に、今年はじめて、少子化問題を30行も書き込んでいまして、その中に少子化予算のさらなる拡充ということも書き込みました。私個人としては倍増を目指しております。今日本ではGDP費の1%が子ども・子育て・家族予算に使われております。ドイツですと2%,フランス、スウェーデンになりますと3%です。日本はまだまだ低いので、これの拡充を目指していきます。