※この記事は2014年07月12日にBLOGOSで公開されたものです

 集英社のティーン向け女性ファッション誌『Seventeen』で「女性の理想のスタイルは身長152cm、体重37kg」と男子学生が答えた記事が、女性の間で騒ぎになっているようだ。(*1)
 そのあまりに無茶な理想に「男はわがままで、女性のことを全くわかっていない」と、怒りをかっているらしい。

 うん、全く分からん。
 僕の好みなどを言っても仕方ないのだけれども、個人的にはそんなガリガリな女性は好きではない。実際に会ったら「健康状態大丈夫かな? もう少し食べたほうがいいんじゃない?」と心配してしまいそうだ。

 こうした話題になると「男は現実をわかっていない!」と憤る女性もいるのだろう。しかし、世の中の男性のほとんどは、理想体重を聞かれて、あえて適当な数字を答えるということはあっても、たとえその時の答えが37kgでも45kgでも、身長や体重だけで女性を好きになるということもない。

 聞かれているから仕方なく数字を出しているだけであって、37kgが理想と言っていた男性が55kgくらいの女性と付き合っても、全く驚くには値しない。少なくとも僕は、女性の体重にそこまでこだわる男性というものを見たことがない。

 しかし、女性誌には、さもそれが男性の要望であるかのような記事が並ぶ。そして「痩せよう!素敵な服を着よう!綺麗にお化粧しよう! それはとても素晴らしいことだ」と女性に向けて煽り立てる。

 そして、記事の間に挟まれたダイエット食品や、アパレルや化粧品の広告が、女性たちの購買意欲を掻き立てる。それが雑誌のやり方である。

 なんのことはない。購買意欲を煽るために、女性に向けて「身長152cm、体重37kgが男性が望む体系だ」とたきつけているのは、他ならぬ女性誌自身である。女性誌に出てくる男性は、女性誌の意向をもって創作された架空の存在であり、身長152cm、体重37kgの女性そのものと同じように、そのような女性を望む男性もほとんど存在しないと言っていいのである。

 ならば当然、女性たちが男性に向けている怒りは、本来であれば女性誌に向けられるべき怒りであるはずだ。

 ところが、女性は男性に対して怒りの矛先を向けてしまう。なぜなら「男性は女性を軽視している」という、世間の偏見によって、男性が愚かなことを主張しているという記事は信じられやすい状況にあるからだ。

 結局、こうした記事に憤る女性という構造自体が、女性誌の販売戦略なのである。
 些細な身長や体重の数値など気にせずに、自分らしく振る舞う女性にこそ、好意をもつ男性が多いのではないかと、一人の男性として意見させてもらいたい。

*1:女子の理想スタイルは「152cm、37kg」 男性の「現実無視」に女性たちが怒る(J-CASTニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140709-00000004-jct-soci