※この記事は2014年06月23日にBLOGOSで公開されたものです

海外でも報道され、大きな注目を集めている都議会における「セクハラヤジ」問題。この問題について、都議会自民党幹事長である吉原氏が23日14時過ぎから会見を行い、ヤジの一部について発言した議員の名前を明らかにした。

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吉原修・都議会自民党幹事長:今日は大勢の記者の皆さん、お集まりをいただきまして、急にも関わらずありがとうございます。都議会自民党幹事長の吉原修でございます。今日は報告等につきまして、記者会見を開かせていただきました。

6月18日、塩村議員の本会議での一般質問に対してのヤジの問題につきましてご報告を、これまでの経過も含めて、させていただきたいと思っております。

私たち都議会自民党の中でも、当日18日の夜にみんなの党の皆様方が、自民党の控え室にお越しをいただきました。その中で、「自民党らしいんだけれども、不規則発言がありました。そのことについて、状況をしっかりお調べをいただいてください」と。こういう内容でございました。

当日、当然のことながら私も本会議には出席をしておりました。その中で、塩村議員の発言の最中に不規則発言につきまして、詳しい内容等は把握はできませんでしたけれども、塩村議員が、発言と発言との間の中で、結婚に関するヤジが飛んだということでございました。

そのことの内容について、先程お話をしたようにみんなの党の皆さんからお話がございましたので、とにかく不規則発言は、個人の中傷あるいは人の尊厳に関わるようなことについては、やはり慎まなければならない、そんなことも申し上げました。加えて、「自民党らしい」ということのお話だったんだけれども、「このことについては、しっかりと我が会派しても確認をさせていただきますけれども、都議会全体の会派で、それぞれ確認をしあうことも必要でしょう」と。こういうお話もさせていただきました。

ついては19日の日から、都議会自民党の責任者として、各議員にそういった不規則発言の特に個人の尊厳に関わるような、中傷のようなヤジをしたのか、していないのか、確認をそれぞれ個別に連絡を取らせていただきながら、させていただいたきたところでございます。

その間、皆様方からも様々な問い合わせも頂いたところでございますけれども、最終的にはまだ委員会が開かれている状況もございましたり、それぞれの仕事もありましたので、全部が全部取られたわけではございませんでしたが、今朝、最終的にその塩村議員に対する「早く結婚すればいいじゃないだろうか」。こういった種の発言については、鈴木章浩議員から、「私がその発言をいたしましたと」。こういう報告がございました。

その他にこれまで新聞等でいろいろヤジ問題になりましたけれども「子どもを産めばいいじゃないか」あるいは「産めないのか」というような類のことについては一切、そのことについては 鈴木章浩議員曰く「まったく触れておりません」。こういうお話でございました。私たち都議会自民党としても、この数日間にわたって、責任者としてもそれぞれの議員の皆様方に、その問い合わせをしてきたところでございますけれども。

皆様方がインタビュー等あるいはテレビ等で報告をされてきた皆さん方に対しては、私は「そういったことは知らない」というご本人のそれぞれの皆さんの弁でございましたので、あえてしてございませんでした。

どうして、その時に鈴木章浩議員が「私だ」と言わなかったのか?ということについては、「結婚の話はさせてもらったけれども、子どもを産むとか産まないのか、そういうことに関する発言は一切していない。それはしておりません。」こういうことでございました。

そうした中にあって、いずれにいたしましても個人の尊厳に関わること。あるいは、女性ばかりではなくて、男性も当然関係をすることでございますので、鈴木議員については、結果的に今後どういう対処をするのか、こういう問い合わせをしたところ、「いろいろ都議会自民党にも、あるいは自民党員の皆さんにも、あるいは都民の皆様、国民の皆様に対しても深くお詫びを申し上げたい 」。こういうことでございまして、ついては、責任をとって 自民党の会派を離脱させていただきたい。こうした申し出がございました。

事の重大性を私たち都議会自民党としても私自身としても深く受け止めさせていただいておりましたので、その場で受理をさせていただきました。

従いまして、今日の午前中に鈴木章浩議員、これだけ多くの皆様方にあるいは、都議会自民党の皆様だけではなくて、他の会派の皆様方にもご迷惑にもおかけをした。そういう意味でお詫びがございました。私ども都議会自民党としても、そして都議会自民党の責任者としても我が会派から、そうした個人に関わる、あるいは人の尊厳に関わることに対しての不規則発言をしてしまったことに対しては心から、都議会自民党を代表いたしましてお詫びを申し上げたいと思います。 大変申し訳ございませんでした。

つきましては、これまでの一連の「結婚、早くすればいいのではないか」。この発言につきましては、以上のようなことで、鈴木章浩議員からくどいようですけれども、そういう申し出がございましたので、今日この場をもってご報告をさせていただきたいと思います。

質疑応答

―鈴木議員からどのような報告を受けたのか。

直接、報告を受けた。朝10時半過ぎでしたでしょうか。幹事長室で。今日もともとですね、しばらく前から今日11時から役員会、11時30分から総会を開催する予定にしていましたので、私自身も今日は、まだ確認が取れていない議員が数名おりましたので、早めに来て確認をしようと思っていたところでございまして、役員会が始まるそういうお話がございました。

その後、鈴木議員から、そういう申し出がありましたので、受理をさせていただきました。そのことについては、役員会でも報告をさせていただき、そして総会でもお話をさせていただきました。

会派の中にも、鈴木さんではなく、違う議員の方々ではないかという様々な報道も若干あったようでございますので、その場でも我が会派の皆様方にもこれまで時間が掛かったことも、経過をお伝えしながらr、お詫びをしながら、報告をさせていただいたところでございます。

―「結婚」に関するヤジは鈴木章浩議員のことですが、塩村議員はそれ以外のヤジを聞いたといわれています。今回の件に関して、調査というのは一旦幕引きになってしまうのか。それとも他の出産に関するヤジについても継続していくのか。

今日のところはですね、鈴木議員からそういう申し出がございましたので、取り急ぎご報告をさせていただいた次第でございます。

―他のヤジの発言者については特定するのか?

私自身もですね、マスコミの皆さんの新聞等の書き方、あるいはテレビ関係の報道を見ますと、「結婚をしないのか」といった結婚に関する発言と、「子どもを産める、産めない」の発言が同時にいつも語られておりましたので、私は会派の中の議員には、それぞれ確認をいたしました。

結婚の話につきましては、「よくわからなかった」という議員もおられましたし、そのことははっきり「そういう発言をした議員がいたよ」という議員もございました。しかしながら、もう一方の「産めないのか」「産まないのか」、この件に関して「発言を聞いた」という議員は誰一人おりませんでした。

―自民党内では、これで一旦幕引きになるという感じですか?

これは自民党内では、ということよりも都議会としての尊厳あるいは権能に関わる問題でございますので、明日、議会運営委員会、これが開催をされる予定になっております。その際にですね、各党派の責任者の皆さんも当然メンバーになっておりますので、そういう皆さんのご意見も聞きながらですね、対処していきたい。

これは都議会自民党の幹事長として、ということも含めて議会運営委員会の委員長としても含めて、議会全体のこととして考えていきたい。やっていきたいと思います。

―名乗り出なかったのは、「産める、産めない」という発言をしていなかったからなのか?

ちょっと私がお聞きしたのはマスコミの皆さんが、鈴木さんにインタビュー等をされた社もあったようです。その社の皆さんが、どういうお尋ねの仕方をしたのか、よく存じ上げておりません。しかしながら、それまでの新聞報道等によっては、結婚の話と、子どもが産めるのか、産めないのかという話も含めながら、様々なヤジが飛んだということを含めて、インタビューをされたようにお聞きをしていますので。

そういったトータル的なことを全部自分で言ったという意味では、話したつもりではないんだというお話でございました。

―「トータル的に言ったのは自分ではない」という意味で言っていないと?

そういう理解だと思います。私もそう理解しています。

―「最初の発言は自分だが、トータルで自分ではない」というのは若干苦しいように思えるが。

その辺は私も鈴木議員にお尋ねをいたしました。鈴木議員にたいしては、「やはり中身が中身なことだけに、個人に関わる中傷的なこと、あるいは人に対しての尊厳に関わる内容だと思うんだけれども、そういことについてはどうだろう」というお尋ねをしたところ、鈴木章浩議員にしてみた時に、まぁとっさのああいう不規則発言ですから、前もって文章にしていたとか、そういうことではまったくないと思いますので、不意に出た言葉の中で、その悪意を持ってしたつもりではなかったんだ。こういうお話でございました。

―鈴木議員は何故そういう発言をしたかというようなことは言っていたのか?

それは、今あの申し上げたとおり、不規則発言でございましたが、文章にしてたわけでも通常の場合ではありませんし、鈴木章浩議員の場合も、そういった状況ではなかったようです。とっさの発言というかヤジだったと思います。そういう話でした。

―鈴木議員から塩村議員への直接の謝罪はしているのか?

もうしているはずだと思います。そのことについては、本人も謝罪を塩村議員については自分の発言といいますか、ヤジについて、不規則発言についてはしっかりとお詫びを申し上げたい。こう言っていました。また鈴木章浩議員の方で、記者会見を開いて説明をさせてもらいたい。こういうお話でした。

そういう意味では、私共も先程会派総会が終了したばかりですので、若干委員会、理事会もありましたので、ちょっとずれてしまいましたけれども、総会後についてはお話をさせていいただくということで、かねてから19日、20日ぐらいからそういう話をさせていただいておりましたので、この機会を持たせていただいたというわけでございます。

―国内だけでなく世界からも批判が出ている、このように問題が大きくなったことについてはどのように考えますか。

これは大変我が会派としても、反省すべき全体的な話だと思います。そういう意味では、2020年にオリンピックが来る。そして、またおもてなしをしなければならない。世界の国の皆さんからは、日本の国民性やら人間性ものをある程度、肯定をされていただいていると思っていますし。

今回のこのことについてはですね、世界の皆さん、世界中の皆さんが、それぞれコメントいただいているのも若干読ませていただきました。今の時代の中にあって、女性差別というか、人種差別というか差別的な発言は、本会議の中で、あるいはどこの場所であってもすべき話ではない。そういう風に私自身も思っております。

―先週の水曜日に発言があってから、木金土日、そして今日となるわけですが、この間、自民党都議の皆さんから「誰が発言したのではないか?」というような話があったのか。また、都議会自民党としては、「結婚」のこと以外はヤジは飛ばしていないという認識なのでしょうか?

飛ばしていないというよりも、「子どもを産めるとか産めない}という話については聞いていないという話しでした。私も聞いていません。

―皆さんとして聞いていないという意見で一致したと?

一致したというよりも、私は個人的にそれぞれの皆さんにお尋ねをしましたので、それぞれの個人の皆さんが私との話の中で、そういうことを言っていただいたとこういうことであります。

もう一つ申し上げれば、みんなの党のおときた議員のブログを私も見させていただきました。その中の何行かにはですね、「私は、その『子どもを産める・産めない』ということについての不規則発言は聞いてはいないけれども、本人からお聞きをいたしました」。こういうことでそのブログが載っていたわけでございまして、誰がどうだということではなくて、そのブログを書いていただいた方も一番最前列におられるわけで、一番発言席の塩村さんのところに一番近いところにおられる方でございまして、そういう意味では「本当に一体誰が聞いたのか」「どういう状況の中で言われているのか」ということが私自身もよくわからない。

そのことについては、塩村議員が「私は聞こえた」と言われているんですけれども、最前列にいる同じ会派の議員の方がですね、「私はその音は聞こえませんでしたけれども」という注釈をついて書いていますので、他の自民党以外の会派の方にも若干私会合であったりすると、お尋ねをいたしましたけれども、そのことはまったくわからなかったという方が大半でございました。

もう一つ申し上げるとするならば、決していい不規則発言ではなかったと思います。そのなかったと思うのは、結婚に関することもそうだと私どもも認識しているわけです。一つ、やはり議会には、会議規則が当然のことながらあるわけでございまして、不規則発言のことについても規定というのはもちろんないんですね。

議長、あるいは副議長が指名した方についての発言は認めている。こういったことでございます。それで塩村議員が発言をしている時、あるいは終わった後もですね、私共の方に、その場も含めて各それぞれの会派の方から休憩動議、議事進行の動議というものも議場内ではまったく出されていなかったので、他の会派の皆様方もそこまで認識が及んでいなかったのかなぁと思っています。

それはいいことだとか悪いことだとか、そういう意味ではなく、事実のこととして、そういう状況がありました。

―週をまたぐまで誰だかわからなかったというのは、会派内から「あの人なんじゃないか」といった反応はなかったのか

会派の中ですか。会派の中を私のほうで、ご案内のような私の幹事長室というところと、一般の役員以外の部屋というのは廊下を挟んでいますので役員の皆さんとそういう話はいっさいありませんでしたし、他の皆さんとの行き来というのも短い期間、“これまで”と言われましたけれども土日も挟んでおりますので、そういうことは特段。私のほうからお尋ねをするというのは、このことが役目だと思っておりますので。

―党派の中からは「鈴木さんじゃないか」という声はなかったと。

はい。

―「自民党の議席からヤジがあったのではないか」という声は当初からあったが、対応が遅いような気もするが。

ヤジというのはどのような部分でしょうか?

―「早く結婚したほうがいい」というヤジが自民党の議席から聞こえていたという話はあったと思うが。

それは大変申し訳ないなと思いますが、これは私の責任において、私以外の58名の皆さんに直接確認しなければならない重大なことだと思っておりましたから、その事で時間が経過した。こういうことです。

―鈴木章浩議員がヤジを飛ばしたときに周囲から笑いが起きていたように思うが、こうした人物の特定や処分については

これはちょっと周囲から笑いがあったのか、全体的に笑いがあったのかちょっとそのことは未確認でございます。

―鈴木章浩議員は、いつ会見されるのか?

今日するはずです。何時ごろかはわかりません。(※実際には15時から会見を行った) 塩村議員のところにまずお詫びに行きたいと。その件と記者会見をしたいと。こういわれております。

―もし「子どもを早く産めばよかった」という発言があった場合、声紋調査などはお考えでしょうか?

そのことについては、私が確認した中では、そういうヤジが飛んだということは、私は確認をしておりません。従いまして、そのことについては答えようがないです。

―議席表を見ると、鈴木議員のほぼ後ろが幹事長なんですが、それでも聞こえないものですか?

よくわかりませんでした。

―寝てたんですか?

寝てません。

―20日の時点で、鈴木議員はマスコミの取材に「寝耳に水」だと。自分が言ったのか?という質問にそう答えていました。また議員辞職すべきか、という質問について「議員辞職に匹敵するのではないか」という認識をしめしていました。その発言と今回の行動は相反していると思うが。

その事は先程申し上げましたとおり、皆様方がどのような質問をされたのか私は把握しておりません。一つなのか二つなのか三つなのか四つなのかわかりません。ですから、そのことについての鈴木議員がどういうお返事を、インタビューに答えたのか存じ上げてないなんですけれども、トータル的に、お話を聞いたにしても自分は一つ目のその「結婚すればいいんじゃないか」ということについて自分がいったとするならば、それは前もってそのことについては「こうだ」ということは何故言わなかったのか、ということはお話をいたしました。

―鈴木議員なんですが、過去に類似のヤジを飛ばしたことはあるのか

それはわかりません。

―不意に出たと。悪意をもって言ったのではないと。おそらく本人は弁明か釈明のように言っていると思うのですが、むしろその方が問題では

不規則発言は、恐縮ですけれども権限を与えられておりません。だからこそ不規則発言だと思うんですが、それを前もって準備をするという事はまぁ私が知りえる限りでは誰一人いないんではないでしょうか。

―20日の日だと思うのですが、塩村議員が処分を求める要求を議長宛に提出しています。3日以内ということなので、あの時は「処分については受理できない」ということで、それが土日を挟んで今日ということは、要は逃げ切るための時間稼ぎじゃないかとも受け止められるのだが。

それは私なんとも申し上げられません。

―幹事長に、今日おっしゃるのであれば、20日に言ってくだされば、その時点で塩村議員は文書を提出することができました。そうすれば、議会としての処分もできたわけですが、今日になるとそういう処分はできませんよね?時間稼ぎが巧くいったという印象も残るのですが。

それは先程も申し上げましたけれども、私の責任において個々に、お一人お一人お尋ねをしておりました。ですから、インタビューを受けられた議員もおられましたので、その議員については鈴木議員含めて、他の議員にも私は今回の件については、もう公の場でそういうインタビューに答えられておりますから確認をしておりません。

で、先程も申し上げましたように明日、議会運営委員会がございます。しかもその前には理事会がございますので、その場の中で、今後どういう風にね、そのことも含めて議論になるんだろうと思っております。

もし、よろしければ議会運営委員会の記者会見もございますので。

―懲罰委員会の発動など議会としてなんらかの処分が下る可能性はあるのか?

これはだから、議会運営委員会の理事会の中で、そのことも含め、違うことも含め、トータル的な議論があろうと思います。

―幹事長、ご自身は?

私は議会運営委員会の委員長でもございますので、議運の中で議論を進めていきたいと思います。

※最後に幹事長は、今回の発言、騒動について改めてお詫びの文言を述べて会見を終了した

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