※この記事は2014年06月23日にBLOGOSで公開されたものです

現在は「20歳以上」とされている選挙権を「18歳以上」に引き下げようと、高校生や大学生らが6月19日、「18歳選挙権」について考えるシンポジウムを、東京・永田町の衆議院第一議員会館で開いた。(亀松太郎、高橋洸佑)

この日のシンポジウムには、約100人の高校生・大学生に加え、10人ほどの国会議員も参加。シンポジウムの共同発起人である安倍昭恵・首相夫人も出席し、投票年齢引き下げの是非や政治のあり方について、高校生らと意見交換した。
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昭恵夫人「選挙があれば、自分の頭で考える」

討論後、参加者に向かってスピーチした昭恵夫人は「私自身、自分の頭でものを考えていなかったのだなと50歳近くになって気が付いた。それで、言いたいことは言おうと思い、今や『家庭内野党』と呼ばれるほどだ」と、自らの経験を紹介。「高校生も、選挙があれば、自分の頭で考えて、いい人を入れようと考えると思う。輪を広げていってほしい」と学生たちにエールを送った。

また、高校生から「国会の議論は分かりにくい」という意見が出たことにも触れ、「もう少し未来に期待を持てるような議論をしてほしいという意見をいただいた。ヤジを飛ばしたりというのは、やはり子どもたちが見ていていいものではない。それはさっそく主人に伝えたい」とも語った。

投票年齢をめぐっては、今国会で改正国民投票法が成立し、さっそく6月20日に施行された。これは憲法改正に必要な国民投票について、4年後から投票年齢を「18歳以上」に引き下げるというもの。一般の選挙権にさきがけて、憲法改正の国民投票だけ、投票年齢が引き下げられたかたちだ。

憲法改正だけ投票年齢が「18歳以上」というのもアンバランスだということで、自民、公明、民主などの与野党8党は、2年以内の18歳選挙権を目指すとする「8党合意による確認書」を交わしている。

この日のシンポジウムには確認書を交わした自民、公明、民主、みんなの各党の議員も出席した。高校生からは、「いつから18歳が投票できるようになるのか」という質問が出たが、公明党の北側一雄議員は「秋の臨時国会に法案を提出したい」と答えた。そのうえで、「個人的には来年の通常国会で成立させたい。そうすれば1年の準備期間を経ても参院選挙に間に合う」と述べ、2016年に予定されている次の参議員選挙までに「18歳以上」に引き下げる目標を示した。

一方、18歳から選挙に参加できるようになれば、高校の同じクラスの中で、選挙権を「持つ生徒」と「持たない生徒」が現れることになる。そのため、会場内からは「年齢よりも、学年で一律で区切る方がいいのではないか」という意見も出た。これについて北側議員は「運転免許など、そういうのはいくらでもある。何か月かの違いではないか」などと語った。