みんなの党、発言者特定に声紋分析を実施~セクハラヤジ問題で塩村都議が会見~ - BLOGOS編集部
※この記事は2014年06月20日にBLOGOSで公開されたものです
6月20日15時から、みんなの党の代表である浅尾慶一郎氏が定例の記者会見を行った。今回の定例会見には、先日の東京都議会における“セクハラ野次”問題を受けて、当事者である塩村あやか都議会議員が出席。さらに、 薬師寺みちよ参議院議員(みんなの党 女性局長)も同席した。会見の中で、みんなの党はヤジの発言者を特定すべく声紋分析を実施することを明らかにした。会見の様子を書き起こしでお伝えする。
声紋解析をして、ヤジを発した当人を特定をしていく
浅尾代表(以下、浅尾):本日、参議院が終わりますと、事実上通常国会が閉会ということになります。この通常国会においては、私どもも様々な政策提言をさせていただきました。実現できたもの、実現途上のもの様々なあるわけですが、そうしたものについては引き続き、実現を迫ってまいりたいと思います。一方で、国会の閉会が迫り気の緩みからか、といったような失言。あるいは都議会においては、とんでもないヤジというようなことがおこりました。これについては大変遺憾に思っているところでございます。
石原環境大臣の失言については、私どもとしても衆・参の不信任、問責決議案を共同提案をさせていただいたとことでございます。また後ほど、ご本人からもお話をいただきますけれども、都議会における塩村あやか都議に対します野次ということについては、これは現在の安倍政権が女性をもっと社会参加をしていこうと言っている中において、その観点からも看過できないヤジであると考えております。そういう観点からみんなの党本部としても、今朝、東京都議会の議長に対して、薬師寺女性局長そして塩村都議、またみんなの党都議団のみなさんと一緒に申し入れを致したところでございます。
そして、先程残念ながら、その申し入れに対する回答も都議会の方から塩村都議に対してきたということでありまして、我々としてはもしそのヤジを発した人間が特定できないということであれば、残されている音声からみんなの党としても声紋解析をして、ヤジを発した当人を特定をしていこうと、たったいま決めさせていただいたところであります。もちろん、都議会としては既にそういった動きをしているところでございますが、それを党本部として、当然のことでありますけれども全面的にバックアップをした上で、この問題について真摯な対応をこの当人およびその当人の属している会派、政党に求めてまいりたいと思っております。
それでは本日、都議会議長に対して、申し入れをいたしました薬師寺女性局長並びに、ご本人、塩村さんからお話をいただきたいと思います。
薬師寺女性局長:女性局長の薬師寺でございます。本日、東京都議会議長に宛てまして、私どもみんなの党の女性局といたしまして、申し入れをしてまいりました。
内容といたしましては、第2回の定例会におきまして、塩村あやか都議会議員が子育て支援についての一般質問中、これは誰か特定できないということでご回答いただいておりますけれども、「自分が早く結婚した方がいいんじゃないか」というような女性蔑視とも取れる、不適切な発言が議場から起こってきた。これにつきまして、以前より私どもみんなの党所政局としては、全国の地方議会でも同様のことが行われている。こういった誹謗中傷、女性蔑視、セクハラとも取れるような発言について、取り上げていこうではないか、という動きがございました。
今回、塩村議員におきましては、本当につらい思いをなさったと思いますけれども、私ども女性局といたしましても、このまま指をくわえて、見守っているわけにはまいりませんし、ここでしっかりと女性局、女性議員しっかりこれからの国政や都政、そして地方行政を担わせていただくためにも、まずは発言者というものを特定して、その上で発言者に自らその発言の責任というものを取っていただくように処分を求めていく。かつ、議会の品位というものを保つために、自浄作用を示していただくために再発防止策、私どもにも公表していただきたいという、この3点申し入れをしてまいりました。
では、ご本人であります塩村あやか議員からもご説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。
塩村都議:(以下、塩村)東京都議会議員の塩村あやかです。皆様の報道などでご存知のとおり、私の一般質問中に、「早く結婚しろ」であるとか「子どもが産めないのか」といったような失言が相次ぎました。映像などでも確認できるような、はっきりとした音声も残っております。そのヤジを浴びた時に私は一瞬質問が止まってしまいまして、そのヤジを発した方の方角を見てしまいました。「この方だ」という風に今はいえないですけれども、その方角、都議会の席の幅は広いですから、本当に2~3人に絞られてくると思っております。
終わった後に一言あれば、私もそして、そのいろいろな形でTwitterやfacebookで後から謝罪を受けたと言うような形で皆さんに、ご報告が出来たんですけれども、現状それがございません。
そこで都議会という場で、バッジをつけた議員があのような言葉を発しているということに、私はとても悲しいと。あってはならないことだと思っておりますので、本日吉野議長宛に処分要求書を提出させていただきました。
内容としましては、本会議の一般質問中に不規則発言が繰り返しありましたが、それについて発した人を特定すること。そして、処分を申し入れました。地方自治法第133条に基づいて、当該行為に及んだ議員の処分を要求するという形で朝9時に出させていただきましたが、お昼過ぎに議会から返答があり、受理が出来ないというようなことでございました。
ここにいただいた回答の紙があるんですけれども、「地方自治法第133条に基づく処分要求書について、被処分要求議員の氏名の記載がありません。処分要求書としての要件が不十分であり、その後の手続きを進めることができないため、本日中に補正をしてください」というような形で受け取ったんですが、「現状では名前を載せることができない。それが出来ないと提出できないのですか?」と聞きましたら、そのようなことになるということでした。
「地方自治法上には、名前がないと受け取れないというようなことはないと、受理はできないということはないと思いますが」とお聞きしたのですが、その後の処理を進めていく上で、議員の名前がないと懲罰委員会、そのようなものを設置ができないので、どうしても受け取ることが出来ないということでございました。
私としては、懲罰委員会を設けるというよりも、議会に対して助けを求めたというような形で、この紙を出させていただきましたので、非常に残念な気持ちで一杯です。現状は以上です。
自分があんまり考えてないことを公約の中に入れていることが問題
-みんなの党として声紋解析を進めていくということだったが、どのような形でいつまでに進めていくのか?浅尾:先程、塩村さんからお話がありましたように、申し入れに対する回答として、「貴殿が本日提出されました地方自治法第133条に基づく処分要求書について、被処分要求議員の氏名の記載がございません」と。当初はですね、我々は、そういったことを我々で、誰が発言したのかということを特定しなくても都議会のだいたいどなたか、どちらの方向か、ということはわかっているわけですから、そういう行動に出ていただけるものだというふうに思っておりました。
当初、薬師寺女性局長からですね、都議会議長に対して出す申し入れ書の中には声紋分析ということも入れようと思ったのですが、そこは都議会の方でやられるだろういうことで、それは載せなかったのですが、結果として今申し上げましたように氏名の記載がないということで、受理をしてもらえないということであれば、我々の手によってですね、声紋解析をしなければいけない。
そういったことも想定してということか、そこまで詳しくは聞いておりませんが、都議会のみんなの党の中で既に声紋解析を行うことが出来る業者を特定をしておりますので、出来るだけ速やかに、そこにお願いをして氏名の特定をつなげていきたいと思います。
-党の代表として、今回の事件をどのように受け止めているか?また、今後党としてどのような対応をしていくのか
浅尾:おそらく私のみならず、各紙報道を見ておりますと、閣議後の大臣の会見を見ても、みなさんが「とんでもない発言」だと言う風に言っておられるわけでございます。
とんでもない発言だと皆さんが言っておられるということで、あるとするならば、本来は、その発言者本人が自発的に発言を取り消すといって申し出をするというのが、本来あるべき形だろうとおもいますが、そういう風になっていないと。
なおかつ、先程申し上げましたように、我々の申し入れ、塩村都議の申し入れの受理もしてもらえないということであるとすれば、みんなの党として出来ることをやって、この人がそうだと特定した上で徹底して抗議をしていきたいと考えております。
-議会という場で、こういことが起きたことについて浅尾さんとしての考えは
浅尾:議会という場であれ、どういう場であれ、こういうことがあったことは断固として許容できるものではありません。
-ヤジを飛ばした議員が誰かという目処は、塩村都議としては数人には絞られているのですか?
塩村:そうですね、明言は避けていたのですが、本当に数人の方が座ってらっしゃる位置というのが、パッと顔を上げて目で見たので。
-塩村さんの中ではこの人だなというのはある?
塩村:そうですね、あの辺りに座ってらっしゃる方というのはあるが、ただその右側なのか、左側なのか、というようなところもあるので、明言は避けてはきました。
-いわゆる議員の処分というのは、具体的にどのような処分を求めるのか
浅尾:みんなの党としては、自ら責任を真摯に受け止め、議員辞職。自発的な議員辞職を求めているということです。ですから、それをもって「処分」と言うのかどうかは別として、自発的に責任を認めると言うこと。
-本来であれば発言者が自発的に名乗り出るべきだが、そうなっていない現実についてどう思うか?
塩村:第一に一番残念なのは、そのような発言があったことですが、二番目に残念なのは、その後すぐに何も言ってきてくださらなかったことであると思います。そこは本当に残念を超えて、悲しみと本当に遺憾という風に私は思っております。本当に残念です。
-この問題が起きた原因とこうした現状を変えるために何が必要だと考えるか?
浅尾:何故こういうことになったか、というのはその発言をした人に聞かなければ本当のところはわからないということだと思いますけれども、一般論で言えば、今の安倍政権が様々な女性が子育てをしながら社会に参画をする、仕事ができるようにしていきたいといったようなことを政策として訴えている。あるいは、これも一般論ですが、国会の中でも出生率をあげていこうと、そのために必要な施策をとっていこうということを議論されていて、そのために東京においても様々な未婚あるいは不妊といったことに対しての対応策をとっていこうと塩村都議がそういう質問あるいは提案をしていこうとしたことに対して、こうしたヤジが飛んでくると言うことは、そういうことを実は考えていない人が都議会の中にいる。
少なくともそのヤジを飛ばした当人は、考えていないということだと思いますので、その人は真摯に、たぶん表で聞けば、その人も「そういうことを自分は考えているんだ」というんでしょうが、実際にそういうヤジを飛ばすということは考えていなかったということだと思いますので、自発的にそこはお詫びをするというところから、まずはしてもらいたいと思いますし、みんなの党として、みんなの党として議員辞職を求めたということです。
-塩村さんに確認なんですが、方角的には自民党会派の方からヤジが聞こえたということでよろしいでしょうか?
塩村:そうですね。
-名乗り出てくれるのがいいが、現状でそうではないので声紋鑑定などで特定した上で、議員辞職を求めていくということでよいのか?
浅尾:お手元に処分要求書があるとおもいますが、これは東京都議会議員塩村あやかという名前で出ておりますので。
塩村:私は受理されなかったんですけれども、受理されてれば、特定をしてくださいということは入ってまして、その中で経過がわかると思いますので、私としては処分と言うのはそれを見て、世の中の動きとか意見を反映しながら決めていけばいいという思いがありました。私の中では。
ただ、その女性局の考えとか、との考えと言ったものもあるのですが、私個人の願いとしてはまず特定をしてもらわないと何事も始らないので、それを特定してから、処分を決定るするようにしいきたい。なので、具体的には示していないですね。
-この発言が、どこが一番問題だと考えているか?
浅尾:みんなの党のみならず、おそらく各党とも、すべての政党が少子化という問題に対しては、真面目に取り組もうと。
その上で晩婚化・不妊・未婚の問題についていろんな対策を出していこうと言うことを、国政のレベル、都議会のレベルでも各党とも理解していますけれども。そのことを公約でも言っている。
公約にもいっているにも関わらず、ヤジを飛ばした当該本人もたぶん選挙の公約、都政の選挙においても、その属している政党の公約の中にも少なくとも入っていることは間違いないと思いますが。公約として入れてるけれども、全然頭の中に入っていないと言うことが最大の問題だと。要するに自分があんまり考えてないことを公約の中に入れている。そのことを許容しているということが問題だと思います。
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