【速報】石原慎太郎氏「橋下さんと袂を分かつのは辛いが仕方がない」 - BLOGOS編集部
※この記事は2014年05月29日にBLOGOSで公開されたものです
5月28日、日本維新の会の石原慎太郎、橋下徹両共同代表が名古屋で会談、日本維新の会の分党が決まった。同党には12年の総選挙で石原氏ら太陽の党が合流していたが、橋下氏が結いの党との合併を目指す中、自主憲法制定などを強く主張する石原氏との対立が表面化していた。その石原氏が29日午後、国会内で記者会見を行った。
会見では集団的自衛権を巡る与党協議にも言及、「連立を組む前に、公明が足手まといになって来るんではないかと安倍さんには言った。その通りになった」と述べた。(橋下氏の会見はこちら)
石原氏の発言要旨
東京都知事を辞めて国政に戻った理由に、私には憲法を変えて国を立て直したいという熱望があった。かつて参議院議員をしていたときも、アメリカの飼い殺しのような、いわば宦官のような国になったことをどうにかしたいと思っていた。私個人の問題で言えば、アメリカが日本を解体するためにつくった、あの日本語としても間違いだらけの憲法を直したいと思っているし、そのための論文も書いてきた。いずれにしろ、理念を謳っているつもりの、あの醜悪な日本語で書かれている全文、助詞一つとっても物書きのひとり、日本語に愛着を持つ者のひとりとして我慢できないと申してきた。
東京都知事という、大事な首都を預かる仕事を通じて、中央官僚が支配してる日本の政治を変えなくちゃいかんと、いくつかの試みをしてきたが、それをそのまま受け継いで知事になってくれた橋下さんに共感したし、彼との出会いは人生の中での快事だと思っている。だから彼の応援団長として協力もしたし、国会に戻ってきて橋下さんの日本維新の会と合体して大きな仕事しようじゃないかと申し込みをした。
そのときの橋下さんとの会合での強い印象がある。彼ははっきりと、私たちが必要としてるのは石原さんで、平沼さんなど、それ以外の方は必要ないと言った、私はハラハラして聞いていたが、平沼さんは先のことを考えて我慢してくれた。今日ここに至るまでいろいろギクシャクあったのは否めないが、その走りとして、この時から小さな亀裂があったと思う。(この点について、橋下氏の説明はこちら)
分党ということについては、そもそも最初に言い出したのは橋下さんで、前々回の執行役員会で「来年の地方統一戦の成り行きを考えると、大阪維新の会が独立してひとつの政党になって、結いの党と合体して、地方選を切り抜けたい」と言い出した。心外だった。
いろいろ経緯はあったが、一緒に共同代表を勤めてる橋下さんが結いの党との合体を引き金にして野党の再編成をしたいと。しかしそれがそんなに大きな引き金になるとは思えない。
知事時代に私が火を付けた尖閣諸島問題、統治権問題。これは私が衆議院議員在任中に数人の仲間で作った青嵐会が、あそこの持ち主の栗原一族から買ってもいいじゃないかという決心をして、今日まで政治生命を懸けてきたこの問題を、いかにも合点のいかない政党と手を組むというのは許容できない。
江田という人物のことはよく知らないが、合併が進んでいくプロセスで、日本にとっての致命的な問題である集団的自衛権に対する江田氏の見解、結いの党の見解、私と大きな齟齬があることがわかってきた。こういうひとたちと維新の会が合体する理由はないなという確信に至った。
野党の再編はひとつの眼目かもしれないが、私と同じように考えていた仲間は案外多い。
そういうことで、平沼さんとも謀って分党を決めた。
昨日名古屋にでかける前に、日の丸に寄せ書きをもらいました。橋下さんにも、目的が同じだったとしても、道の登り方があるだろうし、分党したほうが、合体もしやすいだろうし、私たちは私たちなりに、野党の再編成や集団的自衛権を考えていきますと言った。彼は「どうしてですか」と言った。
私たちはかつての吉田松陰や大塩平八郎のように熱烈な陽明学の信徒ではないですが、志を遂げるためには身に降り掛かってる不利・不幸をあえて享受しないと、人間の最高の徳である「仁」を体現できないと孔子は言っていますけど、ともかく限られた仲間で志を遂げたいと分党を申し入れた。
橋下さんと袂を分かつことは、千昌夫の「星影のワルツ」ではないが、辛いが仕方がない。 橋下さんはやっぱり稀有なる存在だと思う。あんなに演説が上手い政治家は見たことがないね。ただやっぱり、これから大成していくためには、幅の広い教養や経験を積んでいくことが大事で、弁護士という才覚だけでは難しいと思う。それでも大いに期待している。
・【日本維新の会 分党へ】 石原慎太郎共同代表 記者会見 - ニコニコ生放送
また、ほぼ同じ時刻に、橋下氏も会見を行った。政党助成の制度上、党から脱退した(分派)と総務省に届け出があれば、政党助成金は分配されないが、1つの政党が解散し分割されたという形式である「分割」とすれば、双方に未交付金が助成される。今回、日本維新の会は「分割」という形式を取り、議員数に応じ双方に助成金が配分されるようにするとみられる。
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