【新聞チェック】野田財務相が次期首相の有力候補に浮上、知名度は低いが「無難な人選」の声も - BLOGOS編集部

2022年3月30日 0時0分

※この記事は2011年06月09日にBLOGOSで公開されたものです

　「菅直人首相の後継について、野田佳彦財務相（54）を軸として調整に入った」と、6月9日付けの朝日新聞（東京版）は、一面トップで報じた。この記事によると、民主党の岡田克也幹事長、仙谷由人代表代行、枝野幸男官房長官といった菅政権の中枢幹部らが8日までに「ポスト菅」について会談を重ねた結果、次期首相を事実上決める民主党代表選に野田氏を擁立する方針を固めたという。野田氏は前向きとみられ、有力候補に浮上している。

小沢グループ内で容認する議員も

　
　野田氏が後継者に浮上した理由には、「震災復興に充てる2次補正の編成を控えて、政策の継続性を重視」と書かれており、現政権の政策が維持できることが大きいようだ。さらに、菅首相と激しく対立している小沢一郎・元代表のグループとも、悪くない関係だと分析している。

菅政権と対立してきた小沢一郎元代表のグループで、野田氏への拒否感が比較的小さいことも理由だ。小沢氏は最近、「過去の言動や振る舞いにとらわれない」と「脱小沢」系候補も支持する可能性に言及。野田氏は小沢氏の「政治とカネ」を巡る処分に関与しておらず、小沢グループ内で野田氏を容認する議員も出始めている。

知名度の低さがネックに？

　さらに、自民党内にも「野田首相」を歓迎するムードがあることを伝えている。

　一方、自民党には「野田氏は政局を動かすような言動をしておらず、抵抗感が少ない」（ベテラン議員）との評価がある。野田氏は「ポスト菅」候補の中で知名度が劣るため、「仮に総選挙を打ってきても勝機がある」との安心感も漂う。

　自民党にとっては、“くみしやすい相手”と言えそうだが、政局に関わらないことで存在感が薄く、知名度が低いという点は否めない。国民ウケという面ではネックになりそうだ。

　実際、読売新聞が3～4日に実施した全国世論調査でも、「次の首相にふさわしい人」とし野田氏を挙げた人は、わずか2%で。トップの前原誠司・前外相の14%、第2位の枝野官房長官らには大きく水を開けられて、第9位と低迷している。

「次の首相には、誰が最もふさわしいと思うか」のアンケート結果

第1位　前原誠司　14%
第2位　枝野幸男　 9%
第2位　岡田克也　 9%
第2位　石原伸晃　9%
第5位　石破茂　　9%
第6位　原口一博　 5%
第7位　小沢一郎　 4%
第8位　谷垣禎一　 3%
第9位　野田佳彦　 2%
第10位仙谷由人　 1%
第11位玄葉光一郎 1%

（読売新聞6月5日朝刊を元に作成）

菅氏の後釜として財務大臣に

　野田氏は当選5回の衆院議員。1957年に千葉県船橋市生まれ。早稲田大学卒業後、松下政経塾に入塾。85年に第1期生として卒業した。87年に千葉県議会議員選挙に立候補。当時最年少の29歳で当選した。

　千葉県議を2期務めた後、93年の衆院選に千葉1区から日本新党公認で出馬、初当選を果たしている。新進党を経て、民主党に参加。約25人の国会議員から成る野田グループ「花斉会」の会長だ。前原氏と並ぶ若手議員のリーダーとして、国対委員長などの重要ポストを歴任。世代交代を訴えて、02年の民主党代表選にも出馬したが敗北。08年の代表選でも、当時の小沢一郎代表の無投票再選を阻止すべく立候補寸前まで行ったが、グループ内の反対で断念した。
　
　政権交代を経て、2010年1月に財務副大臣に就任。首相になった菅氏の後継として、同年6月から財務相に昇格している。

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