青い海に温暖な気候が魅力で、旅行先としても人気が高い沖縄。一度訪れると、「このままここに住んでしまいたい」「余生は沖縄でのんびり暮らしたい」と考える人も多いのではないでしょうか。

このように、沖縄は観光地としてだけでなく、移住先としても注目を集めている地域です。ただ、沖縄には独自の文化があり、移住に不安がある人もいるかもしれません。

そこでこの記事では、沖縄の基本情報や魅力、注意点をご紹介します。沖縄県についてしっかりとリサーチして、移住を成功させましょう。

沖縄県の基本情報

沖縄への移住を叶える前に、まずは基本情報についておさえておきましょう。

人口
2022年3月1日現在、沖縄県の推計総人口は146万8,780人です。男女別にみると、男性は723,013人で女性は745,767人となっています。

ちなみに、沖縄県よりもやや面積の小さい東京都の人口は1,397万2,039人で、沖縄県の人口は東京都のわずか10分の1程度です。このことから沖縄県は人口密度が低く、過ごしやすいことがわかります。

※参考:沖縄県推計人口

住民税
住民税は住んでいる市区町村に対して納める税金です。沖縄県の住民税も他県同様市民税と県民税で構成されていて、均等割と所得割の合計が納める税金です。税率は次のとおりです。

・均等割…3,500円(市民税)+1,500円(県民税)=5,000円
・所得割…6%(市民税)+4%(県民税)=10%

沖縄県の移住支援

移住を考えたとき、「住む場所を探せるか」「就職先はあるのか」など生活についての不安も多いでしょう。沖縄県では、そんな不安を解消する移住支援があります。移住支援の内容についてまとめました。

就職に関するサポート
沖縄県に移住するときには、就職のサポートを受けることが可能です。県内企業人材確保支援事業「りっか沖縄」では、U・Iターンの就職希望者に対して相談や情報共有、県内企業とのマッチングサポートを実施し、就職の後押しをしています。

また、「沖縄バイオ人材マッチング」においては、沖縄県内のバイオ系企業のほか、沖縄県の大学や研究機関などで働きたいという人と、県内のバイオ系の求人をマッチングしています。

保育士渡航費助成
保育士資格があり、沖縄県の石垣島や宮古島で保育士として働きたい人には、「離島保育士確保総合対策事業」(石垣市)や「保育士就労渡航費等補助金交付事業」(宮古島市)を利用しましょう。これらは、引っ越し費用や渡航費、就労準備金を補助する制度です。

離島保育士確保総合対策事業のなかには、「保育士指定養成校誘致事業」というものが含まれていて、2017年4月から保育士・幼稚園教諭養成課程を実施しています。これから保育士を目指すという人は、このような保育士に対する教育サポートを受けられます。

空き家バンク
沖縄県の市町村では、空き家バンクや定住住宅等住まい支援を行っています。空き家バンクでは石垣市や久米島町、粟国村など離島の物件も探せるポータルサイトがあるため、沖縄に住むための家を探している人はこの空き家バンクを使うこともおすすめです。ただ、登録数はそれほど多くないため、気になる物件があれば早めに問い合わせましょう。

また、Uターン・Iターン向けに建設された賃貸住宅も用意されています。地域は、2022年4月現在、国頭村・東村・粟国村・渡名喜村・伊是名村・多良間村・与那国町の7つの地域です。申し込みには、子育て世帯であること等の条件があるため、自治体に確認しましょう。

民間の移住支援サービスもある
沖縄県では公的な移住支援だけではなく、民間団体も移住のサポートを行っています。たとえば、移住を検討していて不安なことが出てきたときには、アドバイザーに相談できます。また、移住者の交流会なども実施されるので、「移住したけれど馴染めない」という事態も回避しやすいでしょう。

住まい探しや職探しも、総合的にサポートしてくれるので安心です。また、賃貸契約のときは沖縄在住の保証人を求められることがあります。保証人になってくれる人がいない場合、企業が代行してくれるサービスもあるため、保証人が見つけられずに困ったときは活用しましょう。

沖縄県の魅力

沖縄県に長く住み続けるなら知っておきたい沖縄県の魅力。これからどんな生活が待っているのか、沖縄県のよさについてご紹介します。

沖縄にしかない大自然
沖縄といえば、豊かな自然に恵まれた地域として有名で、多くの人が訪れています。美しい海や温暖な気候、そして多種多様な動植物など、都会では味わうことができない魅力がいっぱいです。

なかでも、透き通るような青い海は世界中のダイバーから人気があり、移住すればすぐ側に美しい海がある生活を楽しめます。

1年中暖かい
沖縄は亜熱帯気候で、1年中暖かいというも大きな魅力の1つです。夏の暑さを心配する人もいるかもしれませんが、実は最高気温が35℃を超えるような猛暑日はあまりありません。冬も10℃を下回らずそこまで寒くならないため、1年を通して過ごしやすい気候でしょう。

観光地として人気
沖縄は言わずと知れた人気の観光地で、休日に遊べるスポットもたくさんあります。沖縄美ら海水族館や国際通り、個性的な食材が並ぶ市場などの観光地で、休日を楽しむこともおすすめです。大自然を感じられる鍾乳洞、青い海を望める断崖絶壁の景勝地などもあり、自然を楽しみたい人も満足できるでしょう。

沖縄県にしかない魅力が多い
沖縄は昔、琉球王国として繁栄し、中国や東南アジアとの貿易や交流が活発でした。その影響もあり、泡盛や三線などの独特の文化が根付いたといわれています。

食生活においても中国の影響が大きく、ラフテーやソーキなど豚肉中心の料理が多くみられます。エイサーやハーリーなどの独自文化など、ほかの地域では味わえない魅力があります。

沖縄県に移住するときの注意点

人気の観光地である沖縄県へ移住すると楽しいことばかりのようにも思えますが、移住をする前に注意点もおさえておきましょう。移住するときにはどのようなことに注意すべきか解説します。

求人数が少ない
沖縄は、他県に比べ比較的有効求人倍率が低く、就職先を見つけることに苦労する可能性があります。2022年の沖縄労働局の発表によると、2021年の有効求人倍率は0.8倍で全国最下位の数値でした。

さらに、有効求人倍率の下げ幅は全国平均の0.05ポイントを大きく上回っています。このことからも、沖縄県では求職者の数に比べ求人数が少ないことがわかります。

移住しても仕事を探すのに苦労する可能性があるため、準備資金を多めに用意する、どんな求人があるか調査するなど、事前に十分な準備をして移住を検討しましょう。

平均給与が低い
沖縄の平均給与は全国的にみて低い傾向にあります。厚生労働省が行った「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、全国平均賃金が30万7,400円であるのに対し、沖縄は25万800円でした。求人数も少ないため、希望の職種を現地で探しだすことは難しい可能性があります。

独自の文化に慣れるまでに時間がかかる
沖縄への移住希望者はたくさんいますが、すべての人が移住に成功しているとは限りません。沖縄には独自の文化があるため、食生活や気候、地域の雰囲気などに馴染めない人もいることが現状です。

そのため、すぐに移住を決めるのではなく、旅行でお試し移住をしてみることがおすすめです。観光地を回るだけではなく、沖縄の人や文化と触れ合い、これから生活していけるかどうか確認してみるといいでしょう。

まとめ

観光地としても人気の高い沖縄への移住に注目が高まっています。公的な支援サービスだけではなく、民間の移住支援サービスもあるのでぜひ活用してみましょう。住む場所や就職先を探すときにはサポートもあります。

また、沖縄には独自の文化があり、大きな魅力の1つではありますが、馴染めないと移住がうまくいかないかもしれません。まずは、お試し移住を検討してみてはいかがでしょうか。