知っておきたい「給与明細」の基本! 書かれている内容はどんな意味を持つ?
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給料日に振り込まれる金額が、いったいどのような根拠で算出されたものなのかを明らかにしてくれるのが給与明細だ。給与明細をチェックすることで、給与額が結局のところいくらなのか、あとどのくらい有給休暇が残っているのか、いくら税金を払っているのかといった、さまざまな情報を得ることができる。
給与明細をもらったら、口座に振り込まれる金額だけではなく、内訳もしっかりチェックしよう。
給与明細をチェックすべきなのはなぜ?
給与明細をもらっても、きちんとチェックせずにいる人は少なくない。しかし、給与明細が絶対に正しいと思っていないだろうか?
本当に自分の基本給、手取り金額に間違いがないか、税金が正しく支払われているか――給与明細に書かれていることが絶対に間違っていないとは言い切れない。せっかく1ヵ月しっかり働いたにもかかわらず、加算されるべき残業代や休日出勤手当、資格手当が入っていないなど、本来支払われるべき金額が入っていなかったら由々しきことだ。
誤りを見つけたらすぐに経理担当に連絡できるよう、給与明細が発行されたら早めに内容をチェックする習慣をつけるようにしよう。
これだけは知っておきたい!給与明細の基本
給料日に実際に銀行に振り込まれる金額は、「差引支給額」と書かれた項目の金額(項目名は会社によって異なる場合がある)。給与明細の一番下あたりに記載されることが多い。
一方、「総支給額」や「支給額」と書かれた項目の数字は、会社から社員に支給する金額だ。ここから税金や社会保険料などが差し引かれ、差引支給額が算出される。
ちなみに、入社前の面接のときなどに提示される「給与」や「モデル給与」は、支給額を表している。一般的に「年収」といった場合も、年間の支給額の合計だ。そのため、「年収600万円」の人でも、毎月50万円が振り込まれるわけではない。
給与明細を構成する3つのブロック
給与明細は、次の3つのブロックで構成されている。
・勤怠
出勤日数や残業時間など、「どのくらい働いたのか」について記載される。
・支給
基本給や手当など、「会社から支給される金額」が記載される。
・控除
税金や社会保険料など、「給与から差し引かれる金額」が記載される。
なお、差引支給額が記載される欄は、これらとは別に、「集計」として設けられている場合が多い。
「勤怠」の見方
給与明細の勤怠をチェックする際には、最初に「いつからいつまでの勤怠なのか」を確認しておこう。締め日がわかっていないと、勤務日数や残業時間が合っているかどうかをチェックすることができない。
給与の計算期間は会社によって異なり、1日~末日ということもあれば、11日~翌月10日、21日~翌月20日といった場合もある。
なお、勤怠の主な項目には、下記のようなものがある。
<勤怠の主な項目>
・就業日数
・就業時間
・有給日数
・欠勤日数
・遅刻早退時間
・残業時間
・深夜残業時間
・法定休日残業時間
・有給残日数 など
勤怠項目のチェックポイント
勤怠の項目を確認するときに見ておきたいポイントは、下記のとおりだ。
・覚えのない欠勤や遅刻早退が記載されていないか
・残業時間は正しいか
・有給休暇を取った日数は正しいか、残りは何日あるのか
勤怠項目では、欠勤や遅刻・早退、残業時間などが、自分の記憶や控えと一致するかをまず確認しよう。
また、有給休暇は消化した日数だけでなく、残りの日数も記載されているため、残りの日数を間違えて休みすぎにならないようチェックしておきたい。
「支給」の見方
次に、給与明細の支給について、主な項目とチェックしておきたいポイントを紹介する。
<支給の主な項目>
・基本給
・会社が定めた各種手当(役職手当、住宅手当、家族手当等)
・残業手当
・深夜残業手当
・法定休日手当
・非課税通勤費 など
支給については、手当をそれぞれの会社ごとに自由に設定できることから、具体的な内容は勤務先によって大きく異なる。
なお、「非課税通勤費」というのは、いわゆる定期代や車のガソリン代の実費として支給されるお金のことだ。多くの場合、所得税がかからないことから、非課税通勤費と記載される。
支給項目のチェックポイント
支給項目を見る際には、下記のポイントについて確認してみよう。
・自分の基本給に誤りがないか
・該当する手当はきちんとついているか
・予定のない手当が入っていないか
・勤怠項目の「残業」「深夜残業」などの時間に対して支給額か正しいか
「控除」の見方
最後に、給与明細の控除について見ていこう。控除は、ほかの項目とは違って、給与から差し引かれるものだ(年末調整などのタイミングでマイナス表示になっているものは、給与に加算されている)。
主な項目と、簡単な算出方法についてまとめた。
<控除の主な項目>
・健康保険料:健康保険料は収入額によって決まり、原則として年に一度見直される。
・介護保険料:40歳以上の人が対象。健康保険料とまとめて「健康保険料」欄に記載されることもある。
・厚生年金保険料:健康保険料と同じく、収入額によって保険料が決まり、原則として年に一度見直される。
・雇用保険料:毎月の収入に雇用保険料率を掛けて算出される。
・所得税:毎月の収入から一定の計算にもとづいて算出される。年末調整時に、年間の収入をもとに正確な金額が算出される。
・住民税:前年の所得(収入からさまざまな控除の額を引いた金額)に応じて決まる。毎年6月に金額が変わる。
・欠勤控除、遅刻控除:会社を欠勤した場合に、欠勤日数や遅刻時間に応じて算出される。
そのほか、会社や本人の状況によって、「社宅費」や「社員旅行積立金」「親睦会費」などが控除項目として設定されていることもある。金額は、会社規定によって決められている。
控除項目のチェックポイント
控除項目については、下記のようなポイントについてチェックしておきたい。
・勤怠に入っている「欠勤」や「遅刻」に対応した控除になっているか
・介護保険料は引かれているか(40歳未満の人が引かれていた場合は間違いの可能性が高い)
・引かれる覚えのない控除項目がないか
なお、控除の欄には、「財形貯蓄」「団体保険」「持株会」「マッチング拠出」といった項目が記載されていることもある。これらの項目は、社員本人が会社に申し込んで控除されているもの。
ゆくゆくは自分の資産になるものだが、申し込んだ記憶がない場合や、忘れてしまった場合は、一度経理など給与計算を行っている部署に問い合わせてみよう。
自分の給与明細を確認してみよう
給与明細を見ることで、自分の給与の内訳を知ることができる。よくわからない項目があったときは、明細を作成している部署に問い合わせるか、賃金規定を確認してみよう。
なお、給与明細は賃貸物件を借りる際の収入額の証明に使える場合もある。紙で明細をもらっている場合は、捨てずに保管しておこう。保管しておけば勤務時間や給与額の変化もわかるため、今後の働き方のビジョンが見えやすくなるはずだ。
※この記事はREISM株式会社が運営するREISM Styleの記事を一部編集、転載しています。