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 今回ご紹介する大阪のお店は、『出入橋きんつば屋』。名物となっているのは店名ズバリでもある「きんつば」。寒天で固めたあんこを小麦粉の皮で包んだ四角い和菓子ですね。

 大阪人は派手好きなイメージを持たれがちですが、昔からあるシンプルな和菓子も大好き。手土産や差し入れなどに重宝され、いつ見ても多くの人がこちらの「きんつば」を買いにやって来ます。

 1日に2000個以上を売り上げたこともあり、「大阪できんつばといえば出入橋」と言われるほど、大阪を代表するお店となっています。

「きんつば」が関西生まれの和菓子って知ってた?

 店舗があるのは、大阪梅田から10分ほど歩いたオフィス街の何気ない一角。そもそも「きんつば」は関西で誕生したお菓子で、ブロック状の四角い粒あんの塊に小麦粉の生地を付けて鉄板で焼き上げています。もともとの形状は円盤状で、刀の鍔(つば)に形が似ていて、白い皮の色から銀鍔(ぎんつば)と呼ばれていました。

 それが江戸に伝わる際、銀より高価な金になって金鍔(きんつば)となり、さらに明治期になって焼きやすくて運びやすいという理由から四角い形に変化したんだとか。現在の四角い「きんつば」は、角(かど)きんつばとも呼ばれています。

お土産に人気だけど、イートインで食べる「きんつば」は別格だった

きんつば 350円

 手土産として、すっかり有名な存在になっている出入橋の「きんつば」。じつは店内奥にテーブルが4席だけあってイートインもできます。何度もお店を利用している人でも、初耳という方もいると思います。

 しばらくして運ばれてきたのがこちら。一皿に3個ものっていて、「きんつば3個は多くない?」と思いましたが、2口くらいの小さめサイズなので食べきれそうです。

 一口食べてまず感じるのが、皮のもっちりしっとり感。中の粒あんは、上品な甘みで小豆の粒感もしっかり感じられます。そして驚くほど、生地も餡もふんわり。これは焼き立てのなせる技。きんつばの常識を覆すこのふんわり感が一層、美味しさを引き立てています。

 最初こそ量が多いと感じましたが、小振りなサイズと甘さ抑えめな上質のあんこということもあって、ペロリと食べてしまいました。

お店で手作りされる「きんつば」が出来るまで

「きんつば」はすべて、お店で手作りされ、店頭にある鉄板で焼いています。四角いブロック状のあんこをいくつも手に持ち、生地が入った器にチョイっと付けて鉄板に並べる。

 ある程度並べたら、今度は最初に焼き始めた「きんつば」を手に取り、別の面に生地を付けて鉄板に並べる。これを6回繰り返すことで、6面体の「きんつば」が焼き上がります。

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 リズミカルに繰り返される焼き工程は、思っているよりもスピーディー。パッパッと衣を付け、焼き付けていく光景は一見の価値ありです。

 出入橋の「きんつば」は冷めた状態でももっちりと美味しいのですが、焼き立ては餡がふっくらしていて、さらにオススメ。購入するなら、焼き立てが買える午前中が狙い目ですよ。

手土産の「きんつば」は焼きなおせば香ばしさがアップ!

きんつば 10個入り 1100円

 お店できんつばを一人前食べたのですが、当然のように家へのお土産用にも購入しました。伝統的なフォントがカワイイ箱も魅力的です。

無添加なので賞味期限は当日のみ。食べきれない分は冷凍するのがおすすめだそう

 ちなみに家で食べる場合には、焼き直しもオススメ。お餅を焼く感覚でトースターやフライパンで表面を炙ると、しっとりとしていた皮に焦げ目が付き、生地がカリッとして香ばしさがアップします。

 お土産用は10個や20個の箱入りが売れ筋ですが、バラで1個からでも購入できるので、買い食い感覚で小腹が空いた時にサクッと食べるのもオススメです。

(撮影・文◎けいたろう)

●SHOP DATA

出入橋きんつば屋

住:大阪府大阪市北区堂島3-4-10
TEL:06-6451-3819
営:月~金 10:00~19:00 (L.O.18:00) 、土 10:00~18:00 (L.O.17:00)
休:日曜・祝日

●著者プロフィール

けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。