築地で煮魚定食ならココ! 老舗食堂『多け乃』で悶絶級に旨い「キンキの煮魚」を食べてきた
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東京・築地には場所柄、美味しい魚料理を食べさせてくれるお店がたくさんあります。夜はもちろん、ランチタイムでも魚を定食で楽しむことができるとあって、界隈のビジネスマンだけでなく、海外を含め遠方からもわざわざやってくる人もいるのは周知の通りです。
今回ご紹介するのは築地場外市場にある人気の居酒屋&大衆食堂『多け乃(たけの)』。昭和10年創業の老舗で、刺身や煮付け、フライなど、魚や貝など海の幸は何を食べても美味しいと評判のお店です。
築地場外市場に佇む老舗『多け乃』
築地の晴海通りから小さな路地に入ってすぐの場所にある『多け乃』。風格のある店構えで、落ち着いた雰囲気です。お昼のピークタイムを外してお邪魔したのですが、さすが人気店、お客さんがいっぱい。筆者は2階の席に案内していただきました。
壁に貼られたメニュー。どれもソソられますね
壁にたくさん貼られたメニュー。魚の種類の多さに驚くと同時に、すべて食べ尽くしたい衝動にかられます。夜限定のメニューかと思いきや「時間帯を問わずお出ししています。昼飲みを楽しむお客さんもいらっしゃいますから」と店員さん。なるほど、確かに。筆者も思わず「とりあえずビールと…」と言いかけて、慌ててその言葉を抑え込みました。今回のテーマは定食。グッとこらえて、テーブルに置かれたランチメニューに目を向けます。
定食メニュー。文字を見ただけで胃袋が騒ぎ出すラインナップ
刺身、天ぷら、カキフライ…。これまた目移りしそうなほどのラインナップですが、ここはひときわ目を引く煮魚定食に。日によって異なるようで「本日の煮魚定食」という別メニューがあります。金目鯛、のどぐろ、キンキ…。並んだ美味しそうな文字を前にさんざん迷った果てに「ランチサイズ・キンキ」(2500円)に決めました。ランチとしてはややお高めですが、せっかく築地まで来たのです。たまには贅沢しましょう。
キンキも煮汁も絶品で食欲加速! ご飯もすすむ!
煮魚定食のランチサイズ・キンキ
10分前後でキンキの煮魚定食が運ばれてきました。ランチサイズということなので小さめのものを想像しましたが、丸ごと1尾。十分に満足できそうななサイズです。まずはあさりの味噌汁でお箸と口を潤します。旬の味ですね。さっぱりめの味噌汁ですが、あさりの爽やかな旨みが空きっ腹にじわり染み渡ります。これで胃袋の受け入れ態勢は万全。
あさりがたっぷり入った味噌汁。旬の味わいに体も心もほぐされます
そしていよいよキンキの煮付けへ。箸を入れるとホロリとむしれます。そのまま食べると、旨みたっぷりの脂がのっているのがよくわかります。ツルンとした舌ざわりでなんとも食感も気持ちがいい。次に煮汁に身を付けて食べると、食欲が加速。濃厚で旨みも十分な甘い煮汁。これはご飯に合わせねば! ホカホカの白いご飯にのせて煮汁を染み込ませたあとは、それを一気にかきこみます。う~む、美味! これぞ煮魚定食の醍醐味! 魚の旨みが乗り移って、まるで贅沢な味付けご飯のよう。
ホロリとしたキンキの身は箸で簡単につまみ取れます
頭もまた美味。とくにホホ! ゼラチン質が豊富なのか、プリンとした食感がたまりません。胸びれや背びれの付け根の部分も最高で、残すのは忍びない、食べられる限界まで食べてやれ! とばかりに骨についた身も、歯を使ってしゃぶり尽くしてしまった筆者。この美味しさを前にして、外面の悪さなど気にしてはいられません。
それにしてもキンキの煮付けがこんなに旨いとは…これは魚好きにはたまらない定食です。食べ終えたときは、骨と尾とひれ以外は残っていない状態でした。
最後のお楽しみ。余った煮汁をご飯にかけて…
ご飯にのせればキンキの旨みたっぷりの贅沢な味付けご飯に変身!
さて余った煮汁がもったいない。これをご飯にかけて食べたい…。そこで思いついたのが胸びれ。これを箸でつまんで刷毛のようにして煮汁をご飯に染み込ませて食べました。ご飯をここまで美味しくしてしまう煮汁に完全に脱帽。そして魚を完食したあともお楽しみが残っているというこの幸福感。ご飯だけでもおかわりしたい気分になります。満足度MAXの定食ですね。お腹も十分に満たされ、これで午後も頑張れること間違いなし、の逸品でした。
(取材・文◎松本壮平)
●SHOP INFO
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店名:多け乃
住:東京都中央区築地6-21-2
TEL:03-3541-8698
営:月~金・祝前日11:00~21:00(20:00LO)
土11:00~20:00(19:30LO)
休:日・祝・年末年始・GW・夏期休業・臨休あり