東京でモンゴル気分にどっぷり浸る! 巣鴨の名店『シリンゴル』で至極の羊肉料理を食べ尽くしてきた
食楽web
コロナ蔓延で自由に旅行に行けなくなって丸2年。依然おうち時間が続き、刺激のない生活に飽き飽きしている人も多いのでは?
そんななか、旅好きの友人から「モンゴル料理を食べに行こう」という連絡がありました。おお、これはナイスなお誘い。筆者はモンゴル料理を食べたことないので、興味津々&刺激的。海外旅行に気軽に行けない今は、異国の匂いがプンプンする料理が食べたいのです。
友人が行ってみたいと言うのは、東京・巣鴨で伝統的なモンゴル料理が味わえる名店『シリンゴル』。1995年に日本初のモンゴル料理店としてオープンし、あの人気ドラマシリーズ『孤独のグルメ』にも登場した人気店です。
渋い外観。1995年5月にオープン
某日、18時前に巣鴨駅で友人と合流し、住宅街に向かって歩くこと約7~8分。暗闇に浮かび上がる灯りと『SHILINGOL』という文字を発見しました。
外観からしてすでに異国の空気がムンムン漂っています! 半地下の空間に足を踏み入れると、モンゴルの民族衣装や工芸品などが多数飾られていて、異国情緒たっぷり。これぞ期待していた海外の雰囲気です。
靴を脱いで小上がり席に座ると、店内が一望できます
テーブル席と小上がり席がありますが、今回はより現地の移動式住居・ゲルの気分が味わえそうな小上がり席に着席。真っ赤なテーブルには、すでにモンゴルの揚げパンと岩塩の塊がスタンバイしています。この岩塩、内モンゴルのジランタイ産で、1億年以上前の地層から採取されるものだそう。
何はともあれまずは乾杯です。まずは中国最古のビールと言われる「ハルビンビール」をオーダー。日本でこれが飲めるのは珍しいですね。のっけから海外気分が盛り上がります。揚げパンをかじると、甘さはなく、モサッとした独特の食感。噛めば噛むほど味わい深く、岩塩につけて食べると小麦の香ばしさが広がってビールにぴったり。
揚げパンは、卵・ヨーグルト・砂糖・バターを小麦粉で混ぜ、羊の脂で揚げているそうです
というわけで、いざ料理の注文を。手書きのメニューをめくってみると、羊料理のオンパレードです。しかも知らない名前の料理ばかり。例えば「ハロントガ」、「シャルビン」、「ショルラッグ」、といった具合。もちろん、名前の横には料理の説明があります。「ハロントガ」は羊肉のしゃぶしゃぶ、「シャルビン」は羊肉のおやき、そして「ショルラッグ」は羊肉のシシカバブです。
どれにしようかと迷っていたとき、友人が壁を見ながら、「“孤独のグルメ”で五郎さんが食べた料理がコースになってるみたいよ」と教えてくれました。壁に書かれていた料理は、
・「シリンゴルサンド」1100円
・「羊肉のボーズ」3個700円
・「チャンサンマハ」1700円
・「羊のジャージャー麺」1000円
それなら、上から順に食べてみようか、ということに。
羊づくしで異国気分を満喫!
「シリンゴルサンド」1100円
最初に登場したのは「シリンゴルサンド」。中央に置かれた春餅(小麦の皮)で、羊肉や卵、春雨の炒めもの、キュウリやネギを巻いて、甘味噌で食べる料理です。
北京ダックならぬ蒙古ダック
北京ダックに似ていますが、食べてみると似て非なるもの。羊の独特の香りが鼻をフワッと抜け、シャキシャキの野菜がそれをさっぱりと包んでくれます。これは羊料理の前菜にぴったり。
「羊肉のボーズ」3個700円
続いて「羊肉のボーズ」(蒸しまんじゅう)です。一般的な小籠包の2倍くらいの大きさで、アッツアツ。
小椀に取って肉汁がこぼれないようにかじると、小籠包のように中から肉汁がジュワ~ッとほとばしります。濃厚な羊エキスがぐいぐい全身に染み渡って最高の気分です。
「チャンサンマハ」1700円
そして、いよいよこの店の看板料理「チャンサンマハ(骨付き羊肉の塩茹で)」が運ばれてきました。薄いビニール手袋がセットになっているので、それをはめて手づかみでいただく豪快な料理です。
柔らかい肉はナイフで簡単に骨から剥げます
各自1本の骨を手に取り、ナイフで骨から肉を削いで、醤油ベースのタレで食べるというスタイルです。
削いだ肉を口に入れるとしみじみと滋味深く、「羊ってやっぱり美味しいなあ」と思わせてくれます。肉をガツガツ食べ、片手に残った骨を持ってしゃぶり尽くしていく…「食べる」ではなく「喰らう」。この無我夢中で野性的な感覚。最近、こういうワイルドな食体験がなかったので、めちゃくちゃ楽しい!
羊肉と格闘していたら、お店の人が大きなやかんから、茶碗にお茶を注いでくれました。モンゴルのミルクティーだそうです。
モンゴル式の塩味のミルクティー
「軽く塩味がついていますが、足りなければ塩を足してください」とお店の方。塩味のミルクティーを飲むのは初めてですが、これがめちゃくちゃ美味しいんです。
濃い茶葉とまろやかなミルクの味。しょっぱいのにやわらかな甘みも感じる。この後、モンゴル製のウォッカを飲んだりもしたのですが、筆者はこのミルクティーが一番お気に入りになりました。
次回は『シリンゴル』の羊鍋を食べに再訪したいと思います。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:シリンゴル
住:東京都文京区千石4-11-9
TEL:03-5978-3837
営:18:00~23:00
休:無休(臨時休業あり)