食品類の日本農林規格の概要について-農水省

農水省は12月14日、日本農林規格調査会を開き、大豆ミート食品類の日本農林規格(JAS)制定などについて議論した。同調査会に対して、金子原二郎農水大臣が規格制定を諮問したもので、調査会は大豆ミート食品類を「大豆ミート食品」と「調製大豆ミート食品」の2種に規定する規格案を示した。

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調査会では事務局がパブリックコメントなどを踏まえた修正案を示した。委員からは、ミートや肉の表示、大豆たん白質含有量、アミノ酸スコアの必要性を巡る意見が多く上がったが、再修正案は議論内容を加味した上で事務局に一任された。パブリックコメントには70件程度の意見が寄せられた。

大豆ミートが着目されている一方、現在市販されている製品は、牛肉などの食肉を含む製品が混在しているという課題がある。そこでJAS案では、大豆たん白、脱脂加工大豆などを肉様に加工したもの(大豆ミート)を主な原材料に使用した加工食品を「大豆ミート食品類」として規定し、動物性原材料を使用していない「大豆ミート食品」と、卵や乳、動物由来の調味料の使用を認める「調製大豆ミート食品」の2種を規定している。それにより、消費者が大豆ミート食品の内容物を正しく理解した上で商品選択が可能となり、食肉を含む「大豆ミート」を植物由来のみとの誤解を回避することも可能になるとしている。

規格の基準は、「大豆ミート食品」については「大豆ミート原料のアミノ酸スコア100であること」、「動物性原材料及びその加工品を原材料として用いないこと」、大豆たん白質含有率が「10%以上」となる。「調製大豆ミート食品」については、食用鳥卵や乳を除く「動物性原材料及びその加工品(調味料を除く)を原材料として用いないこと」と、大豆たん白質含有量が「1%以上」となる。

先日実施したパブリックコメントでは、
△「ミート」の表現は、食肉と誤解されるため、使用に反対
△表示は「大豆ミート」だけでなく、「肉様大豆」も認めるべき
△容器包装の見えやすい場所に、「肉を使用していません」など、動物性肉の不使用を明記するよう徹底することを要請する
――などの意見が寄せられた。それを受けて事務局では、表示について、「大豆ミート食品」だけでなく、「大豆肉様食品」も認め、選択制とし、消費者に誤解を与えないよう、当該製品が食肉でないことの説明を記載し、注記に「肉を使用していません」などを例示するように修正した。

〈食品産業新聞 2021年12月15日付より〉