失敗しない!野永喜三夫さんの「きゅうりのパラパラ焼きめし」【さよなら、夏バテ!「豚バラ万歳」#2】
老舗料理店の3代目が考案!日本一簡単な豚バラ料理
連日、猛烈な暑さが続いています。少しずつ疲労がたまって、夏バテを感じたり、食欲がわかなかったり……という方もいるのでは?そういうときには、体や胃腸にやさしい食事、和食がぴったりです。
旬の野菜をはじめとする素材の味を最大限に引き出す和食は、味付けも控えめで、油をほとんど使いません。でも、本格的な和食となると、だしの取り方や素材の扱い方など、いろいろな“決まり”があるため、ついつい敬遠しがちですよね。
「和食の魅力を多くの人に知ってもらいたい!」という熱い思いで考案したという野永さんのレシピは、だしとり不要。市販品の“白だし”と“めんつゆ”、“ごま油”が頻繁に登場します。8月は野永さんに豚バラを使った超簡単でおいしい家庭料理をご紹介いただいています。
和の匠が第2回目に教えてくれるというのは、焼きめし。水分が豊富で熱中症対策にもうってつけだというきゅうりを使って、焼きめしをパラパラに仕上げるコツを伝授してくれますよ。
絶対に失敗しない、中火で炒めるパラパラ焼き飯
調理時間:12分
「今回紹介するのは、油をたっぷり使って、フライパンを振りながら、強火で短時間で仕上げるチャーハンとは対極にある和の“焼きめし”です。
チャーハンを作るときにフライパンを振るのは、焦げないようにするため。でも、プロの料理人みたいに鍋を振るのは大変ですよね。だから鍋振り不要のレシピを考えました!
中火で肉にじっくり火を通し、ごはんは卵液でコーティングして箸でかきまぜながら焼き炒めます。唯一の注意点はテフロン加工が劣化していないフライパンを使うこと。それさえ守れれば、誰でもパラッパラの焼きめしが作れますよ。
オリジナルのレシピでは、豚肉はベーコン、きゅうりはレタスでしたが、今回は夏に旬を迎えるきゅうりを合わせてみました。生で食べることが多いきゅうりですが、火を通してもまた違った食感が楽しめます」
材料(2人分)
・豚バラ肉……150g
・きゅうり……1本
・ 卵……3個
・ごはん……400g
・白だし……大さじ5杯
・こしょう……少々
・ごま油……大さじ1杯
作り方
1. きゅうりを切る
きゅうりの両端を切り落としたあと、縦に4等分し、さらに幅1cmの角切りにします。
「チャーハンに入っている焼豚やベーコンのようにコロコロ状に切ります」
2. 豚肉を切る
豚バラ肉を重ねるように並べ、1.6cm幅に切り分けます。野永さんはまず2等分してから、均等にカットしていました。
「豚肉は焼くと縮んでしまうので、それを計算して切り分けましょう。このレシピでは炒め油は使わず、豚バラ肉の脂を炒めるのに利用します。別の材料に置き換える場合には、ベーコンのように材料自体に脂分を含むものにしてください」
3. 豚バラ肉と白だしをなじませる
冷たいフライパンに豚バラ肉を入れ、白だし大さじ2杯を加えます。軽く箸で混ぜ、なじませるためにしばらくおきます。
「洗い物が増えないように、温める前のフライパンで豚バラ肉と白だしを混ぜます。白だしには旨味と塩味があるので、油や塩を入れなくても“ヤバ旨”な焼きめしができあがります」
4. 中火でじっくり火を通す
中火で豚バラ肉にじっくりと火を通します。豚バラ肉に吸い込まれた白だしが、豚肉の旨味と共に出てきます。最初はグツグツと煮える音が聞こえ、しばらくすると水分がなくなり、ジリジリと炒める音に変わります。
「少し焦げるぐらいまで炒めて、旨味を引き出してください。豚肉を中火で炒めることで肉が固くなりません」
5. ごはんに卵を混ぜる
ごはんをボウルに入れ、卵、白だし大さじ3杯とまんべんなく混ぜます。
「ボウルの中で、卵かけご飯を作ります。ごはんの一粒一粒に卵液を絡めることが、パラパラに仕上げるポイントです。ゴムベラを使うと混ぜやすいし、余すとこなくきれいにフライパンに流し込めます。ごはんは炊き立てでも、冷やごはんでもOKです。
豚バラ肉に火を通しながらの作業なので、肉が焦げすぎないように注意してくださいね」
6. 4に5を加え、焼き炒める
豚バラ肉の色が変わって、水分がなくなったら、卵を絡めたごはんを加えます。フライパンを振るのではなく、しばらく焼いてから箸で混ぜる動作を繰り返します。
「強火で短時間のチャーハンとは違って、中火でじっくり時間をかけて卵かけごはんを焼き、そして箸で混ぜ続けます。少し時間はかかりますが、パラパラの焼きめしになっていきます」
7. きゅうり、こしょうを加える
焼きめしがパラパラになってきたら、きゅうりとこしょうを加えます。
「きゅうりの代わりにミニトマトを入れてもいいですよ。きゅうりは軽く火を通す程度で十分です」
8. ごま油を加える
きゅうりの色が鮮やかになったら、仕上げのごま油を回しかけます。
「ごま油を最後に入れるのは、ごま油の風味を生かすためです。炒めはじめに入れると、風味は飛んでしまいます。最後に入れたごま油効果で旨味が増してツヤも出ます」
白だしの旨味と塩味が生きた簡単焼きめし
きゅうりと焼きめしという意外な組み合わせですが、白だしの旨味と塩味が効いた焼きめしにほんのり温まったきゅうりのポリポリ感がクセになりそうです。加える野菜を変えたり、肉を変えたりと、冷蔵庫にある食材を生かして、アレンジも楽しめそうなのもうれしいですね。
「このレシピは少し時間はかかりますが、ごはんを焼いて、箸で混ぜるを繰り返すことなら、子どもからお年寄りまで失敗なしに調理できます。時間短縮したいからと強火にすると、横から焦げてしまうのでご注意ください。近ごろのフライパンは熱伝導がよく、底の部分に火が当たっていれば十分なんですよ」と野永さん。
豚バラ肉に焼き色がつく頃から、おいしい匂いが立ち上り、締めに入れたごま油で香ばしく仕上がります。味見をした野永さんは「うまい!」と笑顔。失敗なしの焼きめし、ぜひお試しください。
次回は「新ごぼうとキャベツのマヨ味噌和え」をご紹介します。お楽しみに!
取材協力
店舗名:日本料理 日本橋ゆかり
電話番号:03-3271-3436
最寄駅:地下鉄メトロ銀座線 日本橋駅 徒歩3分JR東日本 東京駅 徒歩9分
郵便番号:103-0027
住所:東京都中央区日本橋3丁目2-14
市区町村:中央区
町域:日本橋3丁目2-14
営業時間:11:30~14:0017:00~22:00
定休日:なし