ハーブやスパイスで食欲増進!プロに教わるふたつの中東料理

この夏食べたい!ふたつの中東地方のヴィーガンレシピ

この夏は、スパイスやハーブをたっぷり使った中東地方の料理をご家庭で楽しんでみませんか?植物性の食材をメインに使うヴィーガン料理は、彩り鮮やかで体にもやさしく暑い夏の日にぴったり!

今回は地中海・アラビア料理が食べられるレストラン「CARVAAN(カールヴァーン)」の松下シェフにレシピを2品教えていただきます。世界数十カ国を旅しながら各地の料理を研究したという松下シェフ。むずかしいイメージのある中東地方の料理を家庭でも作れるようアレンジしていただきました!

「ヴィーガン料理というと、少し物足りなさを感じてしまう方もいるかもしれません。アラビア諸国の料理はスパイスやハーブ、ナッツやドライフルーツなどで旨味やコクを出すので、ヴィーガン仕様でもでもしっかり満足感を感じることができるんですよ。

今回は日本でも手に入りやすい食材で、ひよこ豆の揚げ物ファラフェルとクスクスのサラダをご紹介します」

人気の屋台ご飯。ファラフェル

「ファラフェル」は潰した豆にスパイスやハーブなどを混ぜ、油で揚げたヴィーガン料理です。

「屋台飯として親しまれている、ファラフェル。タヒーニというごまのソースをディップして食べることもありますが、現地では野菜と一緒にピタパンに挟みサンドイッチのようにして食べるのが一般的です。レバノンやイスラエルはもちろん、アラビア諸国からの移民が多く住むフランスでも多くのファラフェルサンド専門店があるほど人気のメニューなんです」

材料(作りやすい分量)

・ひよこ豆(乾燥)……250 g
・玉ねぎ……80g
・パセリ……15g
・小ねぎ……5g
・ミント……3g
・パクチー……10g
・クミン……5g
・コリアンダー……4g
・黒こしょう……2g
・白ごま……16g
・塩……5g

〈タヒーニ〉
・ごまペースト……100g
・豆乳ヨーグルト……75g
・レモン汁……15g
・クミン……1g
・塩……2g

「今回はレバノンやイスラエルで作られている“ひよこ豆”を使ったレシピをご紹介しますが、エジプトのファラフェルには“そら豆”が使われます。旬の季節には、ひよこ豆の代わりに生のそら豆を蒸して使用するのもおすすめですよ」

下ごしらえ

・タヒーニの材料をボウルでよく混ぜ、ソースを作っておく
・ひよこ豆はひと晩水に漬け、しっかり戻しておく

「ひよこ豆をしっかり戻すことで、つなぎがなくてもまとまりやすくなりきれいに仕上げることができます」

作り方

1. 食材をフードプロセッサーにかける

水で戻したひよこ豆をフードプロセッサーで粗めのみじん切りにします。

「ひよこ豆は、市販のゆでてあるものを使用しても構いません。ただ、乾燥豆を使ったときよりも生地の仕上がりがゆるくなってしまうことがあるので、その場合は小麦粉を足して硬さを調整してください」

玉ねぎ、パセリ、ミント、パクチーを入れて混ぜ、少しまとまってきたら、塩、クミン、コリアンダー、黒こしょうを加え、再び混ぜます。

「野菜から水分が出るので練るように混ぜましょう。ホールのスパイスが用意できる場合はから炒りしてからフードプロセッサーに加えてください。あえて粗めにすることでよりスパイスの香りや食感を楽しむことができますよ」

成形できるほどの硬さになったら白ごまを加え、さっと混ぜます。

「白ごまは粒の食感を残したいので、最後に加えましょう。この時点でまとまりがない場合は小麦粉を少量加えてもOKです」

2. 成形する

1を20~25gほどの大きさに計量します。丸めたら少し潰して平たくします。

3. 180度の油で揚げる

180度の油で4分揚げれば完成です。

「油の温度が低いと揚げてる途中で崩れてしまうので、必ず油が180度まで温まってから揚げるようにしてください」

ピタパンに挟んで本場風に!

野菜と一緒にパンに挟めば、ファラフェルサンドの完成!ピタパンに挟むのが本場風ですが、お好みのパンでもおいしく食べられますよ。ごまが香るタヒーニもたっぷり入れて召し上がれ。

彩り鮮やか。クスクスのサラダ

小麦粉から作った世界最小のパスタ“クスクス”を使うヴィーガンサラダ。数種類のスパイスやレーズン、ナッツなどを入れた満足感のあるひと品です。

「北アフリカのマグレブ地域が発祥のクスクス。特にモロッコやチュニジアの家庭料理でよく使われます。サラダで食べることもありますが、鶏や羊、牛肉をデーツやプルーン、アーモンドなどと煮込むタジン料理と一緒に食べられることが多い食材です。

今回は、ターメリックと野菜の鮮やかな色合いで、食欲をそそるエキゾチックなサラダに仕上げます」

材料(4~6人分)

・クスクス……100g
・にんじん……40g 
・玉ねぎ……40g
・カリフラワー……40 g 
・赤パプリカ……40 g
・ズッキーニ……40g
・ひよこ豆……40g(ゆでたもの)
・野菜のだし……250 g(水でも可)
・にんにく……4g
・パクチー……4g
・ミント……3g
・アーモンド……20g
・レーズン……20g
・クミンシード……0.4 g     
・オリーブオイル……25 g

〈スパイス〉
・ターメリック……0.8g
・クミンパウダー……1g
・シナモンパウダー……0.8g
・コリアンダーパウダー……1.1g

〈ソース〉
・レモン……5 g
・エクストラバージンオリーブオイル……12g
・塩……0.3g

作り方

下ごしらえ

・野菜はすべて角1cmほどの角切りにする
・ソースの材料は混ぜておく

1. 油でにんにくを炒め、スパイスと野菜のだしを入れる

冷たい状態のオリーブオイルにスライスしたにんにくを入れ、きつね色になるまで加熱します。クミンシードを入れて香りを出したらにんにくを取り出しましょう。フライパンを一旦火からおろし、油を冷まします。

「次の工程で粉のスパイスを加えますが、油の温度が高いとすぐに焦げてしまうので、ここで一旦油は冷ましておきましょう。カリカリになったにんにくは最後に加えるとアクセントになるので、お好みで加えてください」

油が冷めたらスパイスを入れ火をつけます。ターメリックの色が油に溶けたら、野菜のだしを加え沸騰させます。野菜のだしはのちほど使用するので、大さじ3杯ほど残しておいてください。

2. クスクスを蒸す

クスクスが入った耐熱容器にレーズンとひよこ豆を入れ、沸騰させた1の野菜だしも加えたら、約20分蒸します。

3. 野菜を炒める

にんじん→玉ねぎ→カリフラワー→ズッキーニ・パプリカを順番に入れ炒めます。野菜に火が通ったら分量外の塩で味を整え、2で残しておいただしを加え強火で水分を飛ばします。

「ここで水分を入れるのは塩味と野菜の火入れ加減を均等にするため。弱火で加熱すると野菜がフニャッとした食感になるので、強火で水分を飛ばすようにしましょう」

4. 蒸しあがったクスクスと野菜を混ぜる

クスクスが蒸しあがったら少し冷まし、3とハーブを加えます。ソースを加え混ぜたらお皿に盛り、ナッツ、パセリを散らして完成です。

ヘルシーで満足感も抜群!

ファラフェルは、豆の風味とハーブ、スパイスの香りでヴィーガンとは思えない旨味のある味わいに。濃厚なゴマのソースもマッチして満足感抜群です!

色鮮やかなクスクスのサラダは、野菜やクスクス、アーモンドの異なる食感が一度に感じられる食べても楽しいひと品。レーズンの甘みやスパイスの風味で食欲が掻き立てられますよ♪

爽やかで食べ応えのある料理は暑い日の献立にもぴったり。この夏は異国感溢れる中東料理にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

取材協力

店舗名:CARVAAN BREWERY & RESTAURANT
電話番号:042-978-5545
最寄駅:西武鉄道池袋線 飯能駅 北口 徒歩 12分
郵便番号:357-0065
住所:埼玉県飯能市大河原32-1
市区町村:飯能市
町域:大河原32-1
営業時間:Lunch 11:30~15:30 (L.O.14:30)Dinner 日~木曜 17:00~20:00(L.O 19:00)金曜.土曜.祝前日~21:00(L.O 20:00)※新型コロナウイルスの影響により営業時間が曜日によって変更になっています。詳細は店舗までお問い合わせください。
定休日:なし