漬け置き&揚げ焼きでプロの味。「カレー粉の屋台風パイコー飯」 【爽快!夏ごはん #4】

がっつり元気チャージ!カレー粉の屋台風パイコー飯

暑い夏にこそ食べたい、爽やかでおいしい料理のレシピをお届けする本連載。第4回は、ボリュームたっぷりで嬉しい「カレー粉の屋台風パイコー飯」を紹介します。

レシピを教えてくれたのは、東京・祐天寺にあるスパイスレストラン「レカマヤジフ」の郄木シェフ。

「パイコー飯は豚のスペアリブに衣をつけて揚げた中国料理で、いわば“中国版とんかつ”。台湾の屋台料理としても有名です。

現地では『排骨』と呼ばれ、その名の通り、骨付き肉を使うのが主ですが、日本で見かけるパイコー麺やパイコー飯は、ほとんどが骨なし肉。つまり、日本独自の進化を遂げた中華料理なんです。

今回は揚げ物をささっと食べられるよう、ごはんと合わせて屋台風の丼ぶりにしました。多くの家庭にあるカレー粉を使って、漬け置きして揚げ焼きするだけの簡単レシピです」

材料(2人前)

・豚ロース肉(とんかつ用)……2切れ
・空心菜……1束 ※青梗菜や小松菜でも可
・鶏ガラスープ(空心菜用)……30cc(粉の鶏ガラスープの素なら、小さじ1/3杯+水30cc)
・酒……大さじ2杯
a. 鶏ガラスープ(パイコー飯用)……200cc(粉の鶏ガラスープの素なら、小さじ2杯+水200cc)
a. しょうゆ……小さじ1杯
a. オイスターソース……小さじ1杯
a. 塩……適量
a. 砂糖……適量
a. 白こしょう……適量
・水溶き片栗粉……大さじ1杯(片栗粉と水の割合=1:1)
・ごはん……お茶碗2杯分
・ごま油……少々

〈肉の漬け液〉
・卵……1個
・カレー粉……大さじ1と1/2杯
・オイスターソース……大さじ1杯
・砂糖……小さじ1杯
・塩……小さじ1/2杯
・酒……30cc
・白こしょう……1振り

〈衣〉
片栗粉……適量
小麦粉……適量
※1:1の割合で混ぜて、ふるっておく

下ごしらえ

・筋切りした豚ロース肉を、漬け液に半日程度漬けておく

豚の漬け液をチャック付き保存用袋に入れて混ぜます。筋切りした豚肉を入れて、しっかり空気を抜いておきましょう。そのまま肉を半日程度漬けておきます。

「豚肉は筋切りしておくと、火を入れたときに縮まず、きれいに仕上がります」

作り方(5ステップ)

1. 漬け置きした豚ロース肉に衣を付ける

あらかじめ、小麦粉と片栗粉を混ぜて衣を作っておき、漬け置きした豚ロース肉に、しっかり付けます。

「このとき、肉に付いた漬け液はあまり取らないようにしてください」

2. 豚ロース肉を揚げ焼きにする

フライパンや中華鍋に油を1cmほど引き、揚げ焼きにします。油の温度が180~200℃程度まで上がったら、いったん火を弱めるか止めてから肉を入れます。そのあと、すぐに火力を強めましょう。

「豚肉を入れると一気に温度が下がるので、火力を強めてください。揚げている最中は弱火~中火をキープしてじっくり揚げていきます」

片面にほどよく焦げ目がついたら、ひっくり返します。返したときにジューっと音が出ればOK。最後は少し強火にして、両面焼き上げます。

「肉が厚めなので、トータルで8分ほど揚げましょう」

3. 余熱で豚肉に火を通す

揚がった肉を、キッチンペーパーをひいたバットに置きます。バットごとアルミホイルで包んで約5分、余熱を利用して中まで火を通します。

4. 付け合わせの空心菜を炒める

空心菜を食べやすい長さにカットし、葉の部分に砂糖ひとつまみ、塩ひとつまみ、白こしょう1振りをかけておきます。

茎の硬い部分を先に炒めて、少ししんなりしてきたら、鶏ガラスープ(30cc)、酒、残りの葉の部分を入れてさらに炒めます。

「炒める前、葉の部分に調味料をなじませておくと、手早く炒められますよ」

5. タレを作る

(a)をフライパンに加えます。さらにごま油、水溶き片栗粉を入れて、とろみを付けます。

「ダマにならないようにするポイントは、一度沸騰させてから火を弱めて、少しずつ水溶き片栗粉を入れること。『火を強くしてから弱める』のというのがコツなんですよ」

余熱で仕上げた肉を、食べやすいサイズにカットします。あらかじめ炊いておいたごはんを器に盛り、空心菜と肉をのせ、タレをかけて完成です。

カレーの風味とサクっと軽い衣が、夏の食卓にぴったり!

厚切り肉とごはんで、ボリュームたっぷりです。肉をひと口ほおばれば、衣はサクっと中はしっとり。カレーの香りが食欲を刺激し、バクバク食べ進められます。

片栗粉のおかげで衣は軽くサクサク、さらに揚げ焼きなので油っぽくなく、非常に軽い口当たりです。

簡単な料理で済ませがちな時季ですが、たまにはスパイスと肉で、元気をチャージしてみてください。

最終回の30日(金)は、「レモン鶏とハーブのエスニック冷麺」を紹介

7月の全5週にわたってお送りしてきた「爽快!夏ごはん」。最終回となる次週は、「レモン鶏とハーブのエスニック冷麺」のレシピをご紹介。

ハーブをふんだんに使った、爽やかな冷麺です。さらにレモン鶏は作り置きおかずとしても活躍する、一石二鳥のレシピ。身体の中から暑さを吹き飛ばしてくれるようなひと皿を、お楽しみに!

取材・文/島田みゆ
撮影/岡崎慶嗣

取材協力

店舗名:レカマヤジフ
公式SNS:https://www.instagram.com/fujiyama_curry/
電話番号:03-3793-5181
最寄駅:東急東横線 祐天寺駅 徒歩5分
郵便番号:153-0053
住所:東京都目黒区五本木1-6-3
市区町村:目黒区
町域:五本木1-6-3
営業時間:ランチ 11:30~15:00(L.O.14:30)ディナー 17:00~20:00(L.O.19:00)
定休日:月曜日、隔週火曜日