コロナで苦しむ銭湯を応援しようと銭湯を描く人気イラストレーターが広島県福山市を訪れました。

銭湯のイラストを集めた「銭湯図解」。建築の図法を用い建物の内部を精密な俯瞰図で描いています。

著者の塩谷歩波さんは知人からの紹介で福山市の「銭湯遊湯」を訪れ銭湯についての座談会に参加していました。

塩谷さんは大学卒業後に勤めた設計事務所で体調を崩し、銭湯に通うことで救われた経験があります。

その休職中に描いた銭湯愛にあふれたイラストが話題を呼び、今は独立して”絵描き”として活動しています。

塩谷歩波さん「今の心がどんどん離れていく時代にとってはすごくいい場所だと思うんですよね。しゃべれなくても近くに感じられるそれが銭湯の魅力ですし」

長い煙突に“ゆ”の文字。50年以上前から地元に愛されてきた「銭湯遊湯」は今苦境に立たされています。

銭湯遊湯 山本晃市さん「そうですね。はっきり言いますと厳しいですね」

山本さんは去年父の跡を継ぎましたが、燃料代の高騰に加え新型コロナの影響で利用客が減少するなど苦しい経営が続いているといいます。

塩谷歩波さん「私の絵を通して、まだ来たことがない人、それこそ広島に来たことがない人も、この遊湯さんのために来たいと思えるようなそんな絵を描けたらいいなと思ってます」

イラストの制作に取りかかった塩谷さん。洗い場や浴槽だけでなく椅子の大きさまで・・・次々と測ってはメモを取っていきます。

自分の体験や感じた魅力を全て表現する・・・銭湯内部のいろいろなものも実際に測ってイラストを描くようにしているといいます。

塩谷歩波さん「実際にここのタイルがどれくらいなのか、この全体の大きさがどれくらいなのかを測って測量データを元に絵を描いていきます」

データを持ち帰り作業が始まりました。

作業開始から10日予定より大幅に早く中国地方初の図解が完成しました。

銭湯について語り合った座談会は8月上旬にも配信される予定です。

銭湯遊湯 山本晃市さん「少しでもお客さんが銭湯に興味を持って銭湯に行ってみたいなと思ってもらえたら幸いなんですけど、そのように頑張っていきます」