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 北区・赤羽に仕事でよく行く人から「駅から離れた場所だけれど、大盛り丼のいい店があるんだよ」という情報を聞き、向かったのは『炭火焼豚丼 和とん』。いわゆる赤羽駅前の賑やかな場所ではなく、駅から徒歩10分、近くにはDNPの工場や関連会社が立ち並ぶエリア。近隣で働く、腹ペコな人たちの胃袋を満喫させているお店です。

 店内に入ると中はカウンター席とテーブル席があります。カウンターの隅にロングラン人気漫画が積み重なっているところを見ると、一人で食べに来る常連さんも多そうな印象。席に着き、まずはメニューをチェックします。

卓上に置かれたメニュー。赤文字で『ご飯、お肉ましまし』に期待度アップ!

 席についてまずはメニューをチェック。味噌汁付きの豚丼は「肉四」(670円)、「肉五」(740円)など、肉の枚数で選べるほか、数量限定で「塩だれの豚丼」(690円)や「とんとろ丼」(620円)なども。さらにトッピングで、温泉卵100円や白髪ねぎ90円、キムチ100円、大根おろし60円などがあります。

 そして、ご飯、肉ましましと書かれた「ましまし豚丼(ミックス)」を発見。おそらくこれがボリュームのある丼。だって“ましまし”だもん。ロース、肩ロース、バラ3種の肉を楽しめるのも魅力的。ということで早速注文します。

スモーキーな香りがたまらない! 丼を覆う3種の豚肉

「ましまし豚丼(ミックス)」900円。味噌汁、漬物付き。グリーンピースが鮮やかに見える

 のんびり待つこと数分、目の前に出てきたのはびっちりと豚肉が敷き詰められた丼と味噌汁、そして漬物。早速計測です。直径15cmの丼に盛られた豚丼は706g、味噌汁は164g(ともに器の重さを除く)。漬物を入れておよそ900g前後でしょうか。

 約1kgなら余裕かな~、なんて思いながらまずは一口! 炭火ならではのスモーキーな香りが口の中に広がります。肉の外側のカリカリもいい感じ。いわゆる一般的な豚丼より、香ばしさとカリカリ感が立っている感じです。

直径15cmの丼に敷き詰められた豚肉。通じゃないから、どれがロースでどれが肩ロースなのかわからないけれど、とにかく全部おいしい~

「豚肉は山形の『米沢豚一番育ち。肉質はきめ細やかでしまりがあるのが特徴です。お米は新潟産の鑑定士推奨米、タレは甘辛の秘伝だれですね。備長炭の炭で焼いています。この4つのこだわりが『和とん』の美味しさの理由なんですよ」と話す店主。肉自体が甘みを持っているので、甘めのタレとの相性がいいとのこと。素材ひとつひとつにこだわりが感じられます。

高さは約11cm。白髪ねぎなどトッピングをプラスしたらもう少し高くなるのかも?

 そもそも、ましましを始めたきっかけは?「お客様からのリクエストですね。最初はノーマルな豚丼だけだったんですが、豚トロやバラなどのリクエストがあって。そのうち、大盛りとかできないかって言われてね」。なるほど。お客様のリクエスト、そして飽きさせない工夫から生まれた“ましまし”ということですね。

ゴハンごと持ち上げて一口! カリッとジュワッと。肉の旨みで幸せな気落ちに

 食べ進めてわかったのが、この丼、“くどくない”。「うちの豚丼は油ギトギトじゃないからね。炭火焼きで香ばしくなる上に、油が落ちるから。だからバラ肉の油が苦手な人も、うちの丼なら食べられるって言ってくれるお客さんもいるんですよ」。確かに、程よく油が落ちて香ばしさが立つのが炭火焼のいいところ。胃がちょっと疲れている時でも、いけそうな気がします。

ほとんどのメニューは持ち帰りOK。「できれば事前に電話予約をお願いします」(店主の石橋 護さん)

 そして、店主からお店に食べに来てくれるお客さんに向けてメッセージ。「お客さんから、愛想良くないって思われているかもしれないですが、一人でやっているのでお客さんとの会話が難しいんです。申し訳ないですね」とのこと。

 寡黙な店主が丁寧に焼き上げる炭火焼の豚丼は、スモーキーでほんのり甘くて、どこか家庭的なホッとする美味しさ。次回は王道の温泉卵や、さっぱり定番の白髪ねぎなど、トッピングもプラスして食べたいなぁ。駅前の華やかなエリアからは離れていますが、赤羽に来る機会があったらまた寄りたい、香ばしさが癖になる美味しさの豚丼でした。

(取材・文◎いしざわりかこ)

●SHOP INFO

店名:炭火焼豚丼 和とん

住:東京都北区赤羽南2-16-2 MTビル1F
TEL:03-3902-0210
営:11:00~14:00、18:00~21:00、土曜11:30~14:00(L.O.同じ、緊急事態宣言、まん防期間中は昼のみ営業)※材料なくなり次第終了
休:日曜、祝日