インドの家庭の味。飲食店プロデューサー 稲田俊輔さんのダール【今日のおうちカレー #7月10日】
ホッとするおいしさ。ダール(挽き割り豆のカレー)
稲田俊輔/料理人・飲食店プロデューサー
南インド料理専門店「エリックサウス」をはじめ、国内外幅広い飲食店の業態開発やメニュー開発を手がける。著書に「人気飲食チェーン店の本当のスゴさがわかる本」(扶桑社新書)、「南インド料理店総料理長が教える だいたい15分!本格インドカレー」(柴田書店)など。
僕が紹介するのは、インドで毎日のように食べられている伝統的な家庭的料理、ダールです。スパイスを複雑に組み合わせ、お肉を贅沢に使ったインドカレーももちろんおいしいのですが、ダールのように超シンプルなカレーも、またしみじみと味わい深いんです。
家では、数種類のカレーを一度に作ることが多いのですが、凝ったカレーの最後にダールを食べるとなんだかホッとして、「これが一番おいしいのでは……」と思うこともしばしば。インドの家庭の味を、ぜひ日本の皆様の食卓でも!
〈ダール(挽き割り豆のカレー)〉
調理時間:30分
材料(4人分)
・ムングダルまたはマスールダル(赤レンズ豆)……75g
・トマト……1/4個
・玉ねぎ……1/6個
・にんにく……1片
・水……400cc
・塩……小さじ1杯弱(4g)
・ターメリックパウダー……小さじ1/4杯
・クミンシード ……小さじ1/2杯
・鷹の爪……2本
・バター……小さじ2杯
・サラダ油……小さじ1杯
コツ・ポイント
パウダースパイスはターメリックのみ!
チキンカレーやキーマカレーなど、日本で一般的なインドカレーは、パウダースパイスだけでも8~10種類以上を使うことが多いのですが、このレシピでは、なんとターメリックのみ!
「それだけで本当にカレーになるの!?」と思うかもしれませんが、これも立派なカレーなんです。インド料理の奥深さを感じてみてください。
作り方
1. 下準備
豆(ムングダル、マスールダル)はさっと水洗いして、ザルで水気を切っておきます。玉ねぎはみじん切り、トマトは1.5cm角に切っておきます。
2. 豆を煮る
鍋に豆と水を入れて、強火にかけます。沸騰したらアクが出るのでざっくりすくい、軽く潰したにんにく、塩、ターメリックパウダーを加えて混ぜ、蓋をして弱火で30分くらい煮ます。
吹きこぼれやすいので火加減に注意。蓋を少しずらしておくと、吹きこぼれにくくなりますよ。
3. 煮えた豆とにんにくを潰す
指先で豆が簡単に潰れるくらいやわらかく煮えたら、レードルの裏やホイッパーを使って豆をマッシュします。完全に潰してポタージュ状にするか、あえて少しマメマメしさを残すかはお好みで。
仕上がりの理想はポタージュより少しサラッとしたくらい。水分が蒸発しすぎてもったりしたら、適宜水を加えてください(この時点で全体が350g程度になるのが理想)。にんにくも潰しておきます。
4. スパイスを加えて炒める
別の鍋でサラダ油とバターを熱し、クミンシードと鷹の爪を加えて炒めます。クミンシードがピチピチはじけて良い香りがしてきたら、クミンシードが焦げる前に玉ねぎを加えます。
5.玉ねぎ、トマトを加え炒める
玉ねぎは多少ショリショリした食感が残る程度にさっと炒めます。トマトを加えて、形が崩れない程度にさっと炒めてください。
6. 「3」にすべての具材を入れて混ぜる
3の鍋にすべての具材を加えて、ざっと混ぜて盛り付けたら完成です!
ワイルドな「ゴハンがススム」仕様にアレンジも!
ダール初心者の方は、まずお肉系のカレーとの「合いがけ」や、サイドディッシュとしてスープ的に食べるのがおすすめです。慣れてきたら、単体でご飯に真上からザバザバかけてガツガツ喰らうのが至福。
単体で食べる場合は、塩をやや多めにしたり、にんにくを倍以上にしたり、仕上げに刻んだ香菜を加えたりして、よりワイルドな「ゴハンがススム」仕様にアレンジするのもおすすめです。普段のカレーメニューのひとつとしていかがでしょうか。
文・写真/稲田俊輔
企画・編集/macaroni 編集部