小堀紀代美さんの「えびと夏野菜のサブジ」【旬を味わう華やかデリおかず #5 】
小堀紀代美さんに教わるカレーにぴったりなデリおかず
macaroniの7月テーマは「夏の暮らしにスパイスを」。スパイスは食欲を増進する作用があり、まさに夏バテの予防に最適!汗ばむような暑い日が近づくと、途端にカレーが食べたくなる人が多いのではないでしょうか?
いずれも短時間で作れて、カレーの味を引き立ててくれる名脇役ばかり。5回の連載に分けてお伝えしていきますので、ぜひチャレンジしてみましょう。
スパイス料理が大好きという小堀さん。ご自宅には20種類ほどのスパイスを常備していて、ご主人お手製のスパイスラベルが貼られた瓶で丁寧に保存しています。そんな小堀さんですが、料理人としての道を歩む前からスパイス料理に目覚めていたのだそう。そのきっかけは何だったのでしょうか?
「20代の頃に、友人から誕生日プレゼントにスパイスの本をもらったのがきっかけです。ひとり暮らしだったので、いろいろな料理を作って楽しんでいましたね。
ちょっと加えただけでも味のアクセントになって、旅気分を味わえるのがスパイスの好きなところ。2012年にレストラン『LIKE LIKE KITCHEN』を立ち上げてからも、スパイスを自家製ブレンドしたカレーやスパイスサラダなど、スパイス料理を作る機会は多かったように思います。
レシピで着想を得ているのは、インド料理やタイ料理などです。今回はインド料理のサブジを独自のレシピにしました。スパイスを加えて炒めるだけなので、ぜひ気軽に試してみてください」
インド料理と聞くとハードルが高い印象ですが、意外と簡単に作れるのだそう。さっそく作り方を教えていただきました。
スパイスの複雑な旨味!えびと夏野菜のサブジ(3~4人分)
調理時間:20分
保存期間:冷蔵で2~3日
「サブジとは、野菜をスパイスで炒め煮したインド料理の一種。今回はえびを加えてクミンシード、マスタードシード、ターメリックをふんだんに使いました。マスタードシードの香ばしさと辛味、クミンシードの香り、ターメリックの風味が複雑に絡み合って食欲をそそるひと皿になっています。
カレーの付け合わせを選ぶときは、カレーに入っていない食材を使ったおかずや、カレーの旨味を引き立てる味わいがおすすめです。
今回のレシピはどんなカレーにも合いやすいですが、かぼちゃの甘みを活かして辛いカレーに合わせてもいいかもしれませんね。野菜がたっぷり入っているので、お肉メインのカレーでも相性抜群! えびやさやいんげん、かぼちゃなど食材の異なる食感も楽しんでみてください」
材料
・無頭えび……12尾
・さやいんげん……10本
・かぼちゃ……1/6個(150g)
・玉ねぎ……1/4個
・マスタードシード……小さじ1杯
・クミンシード……小さじ1杯
・ターメリック……小さじ1/2杯
・塩……小さじ1杯弱
・オリーブオイル……大さじ2杯
作り方
1. さやいんげんは両端を切り落とし、3~4センチの長さに切る
2. 玉ねぎは粗みじん切りにする。かぼちゃは種をとりのぞき皮をところどころ剥いて、ひと口大に切る。えびは殻をむき背わたをぬく
3. 鍋にオリーブオイルを引いたら、マスタードシードとクミンシードを入れて弱めの中火にかける。マスタードシードが弾けてきたらフタをして、香りが立ったら火を止める
4. 玉ねぎ、さやいんげん、かぼちゃを加えて炒め合わせ、フタをして2~3分ほど蒸し焼きにする
5. えび、ターメリック、塩を加えて炒める。中火にしてえびに火が通るまで2分ほど蒸し焼きにする
コツ・ポイント
スパイスを油でよく炒める
「スパイスのよさを引き出すには、油でしっかり炒めることが大事。たっぷりの油にマスタードシードとクミンシードを入れて炒めていきます。この2つのスパイスの香りと風味が合わさって、さらに味わいに深みが増しますよ。
目安はマスタードシードがパチパチと音を立てて弾けるまで。しっかり加熱すると、マスタードシードの香ばしさと酸味のある香りが際立ちます。このレシピでは、香ばしさの強いブラックマスタードシードを使っていますが、なければホワイトマスタードシードでも大丈夫です」
野菜はフタをして蒸し焼きに
「さやいんげんやかぼちゃは生の状態なので、やわらかくなるまで蒸し焼きにします。スパイスからしみ出た油を野菜にまとわせながら蒸し焼きにすると、さらにおいしく仕上がりますよ。調理時間を短縮したい人は、ゆでたさやいんげんや蒸したかぼちゃを使ってみてください。
えびは最後に入れて、さっと炒めるのがおいしさのポイント。あまり加熱しすぎると硬くなってしまうので、短時間で済ませましょう」