“YouTube発”樋口あけみがレギュラーツアーを目指す(撮影:福田文平)

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<Sky レディースABC杯 2日目◇6月30日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県) ◇ 6590ヤード・パー72>
プロゴルファーやプロコーチによるYouTube動画が花盛りの現在だが、その逆パターン、つまりYouTubeの動画配信者からレギュラーツアーでの活躍を目指す選手をステップ・アップ・ツアーの会場で発見した。それが樋口あけみ。もちろん“ただのYouTuber”というわけではなく、ティーチングプロフェッショナル資格A級を取得し、今年1月に日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)に入会した選手だ。
所属先は『あけちゃんゴルフ大学』。これは樋口が配信するチャンネルの名前だ。登録者数は6月30日現在で4万人超。ティーチング資格取得を目指していた約4年前から配信をはじめ、今では人気チャンネルに成長している。16歳からゴルフを始めた樋口は、三重中京大まで学生競技を続け、卒業後はツアー出場を目指しプロテストに挑んだ。そしてティーチング資格は取得したものの、現在も選手としての合格を目指してプロテストを受験中だ。
「もともとコーチ(高沖陽介氏)から、『自分のゴルフにもいい影響が出るからYouTubeを始めたほうがいい』と言われたのがきっかけです」。こうして、今のYouTuber兼ティーチングプロの第一歩を踏み出した。「『動画を見てるよ』と声をかけてもらえることもあるので、うれしいですね」と、実際、今“いい影響”を感じている。地元の三重県や愛知県を中心にレッスンを行いながら、動画も週1本ペースでアップ。さらにテスト合格を目指すという、忙しい毎日を過ごす。
ウェイティングから出場した今週がステップ2試合目。デビュー戦は今年4月に開催された「九州みらい建設グループレディース窓乃梅カップ」だった。この時は「もともとコーチが藤井かすみプロを指導していたことがきっかけでご縁ができた」という岡本綾子の推薦で出場したという。「感謝してもしきれない」という思いで、初めてプロのトーナメントを経験した。
これからの目標は「レギュラーツアーで活躍して、あまり触れることができないツアープロの考えをたくさんのアマチュアゴルファーの方に知ってもらいたい」というもの。2戦連続で予選落ちとなったが、32歳はそこに情熱を傾けている。今大会にも出場する福嶋浩子は、ティーチングプロとしてJLPGAに入会し、38歳にしてツアー優勝を成し遂げた。前例はしっかりとある。樋口は今年のQTも受験予定だという。そんな“異色選手”の今後にも注目したい。
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