うどん好きは絶対に食べて欲しい! 南阿佐ヶ谷のうどん酒場『東奔西走』の自家製つけ汁うどんがめちゃくちゃ旨い
食楽web
東京・南阿佐ヶ谷駅徒歩3分の場所にあるうどん居酒屋『東奔西走(トーホーセーソー)』。阿佐ヶ谷に住むうどん好きの友人から「ここのうどんが、このエリアで一番美味しいと思う」と紹介されました。
「さぬきうどんタイプ?」と聞くと、「とにかく食べてみて」と友人。うどん好きがそこまで言うならばと、さっそく食べに行きました。そして、最初に看板メニュー「東奔西走うどん」を食べ、その後も何度もリピートし、今ではドハマり中。
だから今、筆者も友人と同じように「とにかく食べて欲しい」と言いたい! との思いでこの記事を書いています。
青梅街道沿いにあります
『東奔西走』は、昨年の8月にオープンした1年足らずの店です。オープン当時も今もコロナ禍が続いていますが、開店以来、連日お客さんが絶えません。そこで、その人気の秘密を紹介したいと思います。
旨すぎる「東奔西走うどん」って何?
店内の壁画は、イラストレーター・山本ひかるさんが下書きなしでいきなり描いた作品。眺めているだけで楽しい
『東奔西走』は自家製うどんの店ではありますが、 さぬきうどんや伊勢うどんといったカテゴリーには当てはまりません。また、うどん屋定番の「ざる」や「かけ」、「ぶっかけ」などもなし。ほとんどのメニューがオーナー・塚本さんと、店長の山本さんが生み出したオリジナルなのです。
うどんのメニューは、限定を含めていつも7種類ほど
なかでも看板メニューの「東奔西走うどん」(980円)がダントツ人気で、筆者同様、毎回これを食べ続けるお客さんが多いとのこと。
「東奔西走うどん」980円。うどんの量は茹で上がりで普通盛り300g、大盛り450g。大盛りも同料金
その「東奔西走うどん」。登場しただけで「おおっ」と声が出そうになります。美しく巻かれたうどんと、具がたっぷり入ったつけ汁。「綺麗な盛り付けを見たお客さんが、よりテンションを上げて食事してもらえたら、という思いを込めて、こういう盛り付けにしています」と塚本さん。いや、本当に気分の上がる素敵な盛り付けです。
うどんを箸で持ち上げてみると、ビヨーンと長くて、目測で60cmはあるでしょうか。そしてつけ汁は具だくさん、この日は揚げ野菜のゴボウ、ニンジン、ナス、玉ねぎ、さらにキャベツ、豆もやしなどの6種類とたっぷりの牛肉が入っています。
美しく巻き上げられた自家製のうどん。うどんは大盛りでも無料。また温冷、選ぶことができます
まず、うどんだけを食べてみると、小麦粉の香りが鼻から抜け、モチモチとした弾力が歯に響いてきます。そして塩気と小麦粉の味が口の中で広がっていく。これは、確かにさぬきうどんにも、伊勢うどんにもカテゴライズできない、何とも言えない食感と旨さです。
文句なしに「うどん、ウマッ!」と思わずひとりごちるほどに魅了されます。ちなみに、このうどんは三重県の小麦粉「伊勢ひびき」を使用。その独特の食感と香り、味を活かし、塚本さんと山本さんが試行錯誤して作り上げたうどんなんだそうです。
つけ汁の野菜は、季節によって多少変わるそうです
うどんをつけ汁に漬けると、上品なお出汁と野菜の旨み、香味油がうどんに見事に絡まって、最高のひと言です。
塚本さんによれば、このつけ汁は、昆布、鯖節、うるめでとった関西風のお出汁がベース。そこに上品な味わいの兵庫県の「マルテン醤油」とほんの少しの酢を加えているそうです。具材は、甘い香りとさっぱりした後味が特徴の米油で油通しした野菜と牛肉で構成。
もっちりしたうどんに合うように、まさに計算されたつけ汁で、最後はグイグイと飲み干してしまう美味しさです。
奇をてらわずに新しいうどんにチャレンジ!
定番の「天ぷらうどん」1000円
さて、開店したばかりの『東奔西走』ですが、実は、隣町の高円寺で10年間、愛されたうどん屋『てんてこ』が移転オープンしたお店というのが真相。だから『てんてこ』の常連さんも足を伸ばして頻繁に訪れるんだそう。
店主の塚本さんは静岡生まれ。京都や兵庫県で料理の修業をし、関西の出汁に魅了されたと言います
「おかげさまで『てんてこ』はまさにてんてこ舞いの忙しさでした。今回、『東奔西走』では心機一転、メニューを絞って、型にはまらないうどんの新しい可能性に挑戦していきたいと思っているんです。とはいえ、奇をてらうわけではなく、1つひとつ丁寧に作っています」と塚本さん。
「牛明太釜玉バターうどん」980円
ちなみに、毎日お店で打つうどんは、近隣のバーやお店から、店で出したいから生麺だけが欲しいという注文も多いそう。
「南阿佐ヶ谷は個人店が多く、隣近所同士、とても仲良し。うちは新参者ですが、うどんを気に入ってくれるのが嬉しくて、喜んでお分けしています」
なんとも太っ腹。でも確かに、このうどんなら欲しいと思ってしまうくらい魅力的です。
店内で作るうどん
というわけで、まずは「東奔西走うどん」を一度食べてみてください。ちなみに、夜は出汁酒場になるので、堂々とお酒が飲めるようになった暁には、ぜひそちらにもどうぞ!
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:東奔西走
住:東京都杉並区阿佐谷南1-11-2
TEL:非公開
営:11:30~15:30(15:00LO)、16:30~20:00(19:30LO)
休:毎週月曜と隔週日曜日はランチのみ
※営業時間はTwitterとInstagramでご確認ください