小林礼奈さん、誹謗中傷に「ネットいじめをなくしたい」 被害にあったらどうすればいい?
著名人に対するネットの誹謗中傷が後を絶たない。タレントの小林礼奈さんは自身のブログで、次のように呼びかけた(「誹謗中傷をしている方へ」、6月20日)。
「私は叩かれて良い人間ではありません。(中略)叩かれて良い人間もこの世に1人もいません。サンドバッグにしていい人間も1人もいません。この世の中からネットいじめを無くしたいです」
そう書いた小林さんは、「諦めずに同じような思いをしている人の助けになりたい。ネットいじめがが無くなるような活動も今後していきたい」とも意気込みをつづった。
小林さんのブログ更新の翌21日には、タレントの堀ちえみさんのブログに誹謗中傷するコメントを100回以上書き込んだとして、東京都迷惑防止条例違反の疑いで女性が書類送検された報じられている。
著名人のみならず、一般の人の間でも、SNSを通じた誹謗中傷は深刻な社会問題となっている。もし被害にあった場合、どんな対応ができるのか整理していきたい。
●加害者の特定はどうやるの?
被害にあった人が加害者に法的な責任を問うためには、まず最初に誰が加害行為をおこなったのかを特定する必要がある。これがネット被害ならでは難しさだろう。そのためにあるのが「発信者情報開示請求」という手続きだ。
「損害賠償請求などの法的な措置をとるためには、投稿をした人物の氏名と住所が必要になります。そのため、発信者開示請求をすることで、匿名掲示板やSNSに投稿をした人物の氏名と住所を手に入れることになります」(田中伸顕弁護士)
・木下優樹菜さん、誹謗中傷に「全部情報開示 以上。」 投稿者はどうやって特定する?(https://www.bengo4.com/c_23/n_11809/)
・ネットの誹謗中傷、発信者特定までのハードル 被害者がなやむ「時間とお金」どう解決する?
(https://www.bengo4.com/c_23/n_11269/)
●誹謗中傷で慰謝料の金額の相場は?
では特定されたとして、慰謝料の相場はどのくらいなのだろうか。まだ歴史が浅い分野だけに、案件によって幅があるようだ。
女優の春名風花さんは2020年7月、ツイッターに虚偽の内容を投稿した人物との間で、刑事告訴の取り下げと被告側が春名さん側に示談金計315万4000円を支払うことで示談が成立したと発表した。
「インターネット上での名誉毀損事件については、当然事案によって悪質さなどの軽重がありますので一概には言えませんが、慰謝料額としては30万円〜50万円程度とされることが多い印象でした。しかしながら、近時はインターネット上の誹謗中傷の深刻さに関する社会的な認識が広まっているように思いますので、今後は増額傾向に転じる可能性があるのではないかと思います」(小沢一仁弁護士)
・春名風花さん、315万円で示談成立 ネットの誹謗中傷、慰謝料は高額化の流れになるか?
(https://www.bengo4.com/c_23/n_11501/)
被害者にとっては金銭的にも時間的にも大きな負担がかかるのが現実だ。しかし最近は手続きの簡略化の検討が進み、弁護士費用の負担も認められる判決が出るなど被害者の負担は軽減される方向に向かっている。
・ネット中傷、投稿主の「特定費用」が全額認められる逆転判決 「費用倒れ」の現実に一石 (https://www.bengo4.com/c_23/n_13125/)
●誹謗中傷の被害にあった人たちの声
「ネットだから何を言ってもいいだろう」。そう思って書き込んでしまう人もいるかもしれない。書き込んだ人がどんな苦しみを味わうのか。以下の記事をぜひ、読んでほしい。
「フォロワーが多くても、何も強くないと思う。人間として見られていない感じがする。誹謗中傷は慣れていると言っても、ちょっとずつ精神が削られて行く。周りの人に迷惑がかかったらなおさらつらい」(春名風花さん)
・ネット中傷に法的措置 苦しめられた10年間「絶対に引きません」
(https://www.bengo4.com/c_23/n_10611/)
「泣き寝入りなんかするもんか、と戦い続けましたが、経済的にも精神的にも大変でした。本来であれば、仕事に注げるはずの時間も奪われました」(片瀬久美子さん)
・ネットで「淫売」「夫は強姦魔」と誹謗中傷、投稿者との終わりなき闘い
(https://www.bengo4.com/c_23/n_10147/)