12歳でモーニング娘。に加入し、2007年に当時19歳でデキちゃった婚を発表したタレントの辻希美さん。15年たった現在は、中学2年生の長女、小学5年生の長男、4年生の次男、そして2歳半の三男を育てる立派なママです。
そんな辻希美さんに子育てについてお話を伺いました。


辻希美さんにインタビュー

辻希美さんの子育ての流儀。4人育ててわかったこと



6月17日には、自身の34歳の誕生日と同時に子育てや夫婦関係を語った書籍『大好きな人と結婚した、その後。
』(講談社刊)が発売になった辻さん。
杉浦太陽さんとの結婚から15年。ママゴト婚と呼ばれたのはもう昔で、4人育児をとおして見えた、辻ママのリアルな子育て事情を聞きました。

●経験から知った“比べない子育て”とは



――4人をしっかり育てるって、想像するだけでとても大変そうな印象です。まずは辻さんが子育てにおいて大切にしていることを教えてください。

辻さん:性格が一人ひとり違うので、比べないことをモットーにしています。
子どもって本当に性格がそれぞれ違うんです。長男ができないことも、次男がサラッとやることがあるし、得意分野も成長スピードも違います。また怒り方も、叱って聞くタイプと話を聞いて理解するタイプ、笑いながら話した方が納得するタイプとさまざまです。その子の性格とか成長スピードとかをなるべく理解し、合わせるように接しています。

――すてきな接し方ですが、これは4人育てるなかで、ご自身で見出していったのでしょうか。

辻さん:次男が生まれた頃に、明確に「それぞれ違うんだ」ということに気づいたと思います。1人目の育児は私も慣れないことが多く、育児書を読み「子どもってこうなんだ」と思い込み、それに振り回されていました。2人目はそうした経験から、「子どもってこうじゃないぞ」という疑問ももちつつ、でも「男女の違いのせいかなー」という気持ちもありました。
そして3人目になり、いよいよ長女とも長男とも違うぞとなり「子どもってそれぞれ違うんだ!」と核心に変わった感じです。

子育て情報は本当にたくさんありますが、私自身も月齢に沿ってできてないことがあると、不安になったことも多かったです。そういった経験から、今はあくまで参考程度に接しています。お母さんがプレッシャーを抱えることで、子どもがなにかできるようになるかといえば、そうじゃありませんよね。子どものペースがあると思うので、それを尊重することを大切にすれば、1つ1つの小さな問題はどうこうしようと思わなくなりました。

●やるべきことさえ守れば、あとは自由にトコトン




にぎやかな杉浦家(辻希美さん公式インスタグラムより引用)

――子どものペースを尊重する辻ママの子育てスタイル。現在上の3人のお子さんは、それぞれ中学生や小学生となり、自分の世界も広がり始めている頃だと思います。そんな時、問題になってくるのがゲームやスマホとのつき合い方なのかもしれません。
こうした悩みを抱える親御さんも多いといいますが、杉浦家ではスマホやゲームのルールはあるのでしょうか。

辻さん:私はゲームが悪いことだとは思っていないんです。今はeスポーツもゲーム実況もある時代ですから、やり込めば仕事になる可能性があります。ただ学校の宿題とか、お風呂やご飯など、家族の流れは必ず守ってもらうようにしています。それさえ守ればあとは制限していません。

――そうすると、やる子は、ずーっとゲームをやってしまいませんか?

辻さん:そうですね。長男は本当にゲームが大好きで、自由な時間はずーっとゲームをしています。今ではPCでマウスとキーボードを駆使してゲームもするし、自分でプログラミングをつくったり、「マインクラフト」でもかなり難易度の高いことをやったりしているみたいです。

親としては、今後役に立つこともあるのかなと思っていますし、運動も勉強もあまり好きではないタイプみたいなので、夫婦で話し合って「活かせそうだよね」って結論に至ってからは、応援するようにしています。
ただし、目の使いすぎには注意しており、サポートはきちんとするようにしています。

●葛藤はありつつも、子どものペースを尊重




――徹底した個性を尊重した育児ですが、実際そうしたくても、心配になって口を出してしまう親御さんも多いように思います。いきつくまでに葛藤はなかったのでしょうか。

辻さん:もちろんありました。わが家でも、習い事は一通りやらせてみたんです。男の子は体力があり余っていたので、空手やダンス教室、水泳もやらせましたが、なにも吸収せず2年くらいがたっていきました。本人が興味をもっていないと、全然覚えないし上達もしないんだな、無駄なんだなってそこで気づきましたね(笑)。

――4人の子どもたちを、個性やペースを尊重して子育てに取り組む辻さん。長女は現在反抗期にも差しかかった頃だといいますが、初の経験はどう捉え、対応していっているのでしょう。

辻さん:本の制作時、まさに長女の反抗期が真っ只中にありました。小学校高学年頃から反抗期は始まっていたのですが、私が反抗期がなかったのでやはり手探りでした。ツンツンモードというか、放っておいてほしそうなオーラが出ている時は距離を保ち、食事で愛情を伝えるようにしました。

育児って、本当に全員が全員違うし、もっといえば、その日によっても違うということを学んでいるので、今回も長女のペースを尊重するようにしていました。
1人目の育児の際、参考書はたくさん読みましたが、それがすべてじゃないよって経験からも思いますし、声を大にして言いたいし、今の自分にも言い聞かせています。そうじゃないと、子育てってメンタルがしんどくなっていきますからね。


辻さんの新刊『大好きな人と結婚した、その後。』

<撮影/岡戸雅樹 取材・文/おおしまりえ ヘアメイク/冨永朋子(アルール) スタイリスト/トリイクニコ 衣装/Maison de FLEUR Petite Robe 06ー6151ー1393>

【辻希美さん】



1987年、東京都出身。2000年に12歳でモーニング娘。のメンバーとして芸能界入り、2004年に卒業。2007年に俳優・杉浦太陽さんと結婚し、当時20歳で出産。現在は4児の母として仕事や育児に奮闘。ブログ、Youtube、インスタグラムなどSNSで暮らしぶりを発信。著書『大好きな人と結婚した、その後。
』(講談社刊)が発売