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日弁連は6月9日、新型コロナウイルスのワクチン予防接種に関する「人権・差別問題ホットライン」の結果を公表した。

ホットラインは5月14、15日に実施し、37都道府県から208件の相談が寄せられた。

医療従事者や介護施設職員などから「職場で拒める雰囲気がなく、接種をしなければ退職などを求められている」「ワクチンを打ちたくないのであれば、ここでは働けないと言われた」など、ワクチン接種の強制に関する相談が多数寄せられた。

●「もしコロナにかかったらあなたのせいだ」

相談は、ワクチン接種が先行的に進められている医療従事者や看護学生・医学部生、高齢者・介護施設の従業員などから寄せられた。事例の一部を紹介する。

「ワクチン接種をしないと実習を受けさせない。そのため単位を与えられないなどと言われて強制されている」(看護学生)

「ワクチン接種をしなかったところ、医学部の寮担当の教授から呼び出され、自主退寮を勧められた」(医学部生)

「職場にワクチンを受ける・受けないにチェックする表が貼り出されている。受けないにチェックできる空気ではない」(医療関係者)

「病院から、ワクチンを打ってコロナに罹患した場合は7割の給与を補償するが、受けずにコロナに罹患した場合には自己責任と言われる」(看護師)

「職場で自分だけが接種しないこととなったが、上司から『もしコロナにかかったらあなたのせいだ』などと言われた」(介護施設職員)

日弁連の川上詩朗人権擁護委員会委員長は6月9日、記者会見で「ワクチンを打つ打たないは自らが判断することができ、その判断は尊重されなければならず、打たなかったからと言って不利益を被ることがあってはならない。現場ではそれが十分に考慮されていない実態があるのではないか」と話した。