食楽web

 在宅ワークの浸透で、レトルト食品を利用する機会が増えたという人も少なくないでしょう。筆者の家では常時、レトルトカレーのストックがあり、昼食をサクッと済ませたい時に重宝しています。

 とくに子どものいる家庭だと甘口と辛口に分けて作るという場合もあると思いますが、レトルトカレーなら個食対応で好みに合わせて食べられるのも便利ですよね。

 そんなレトルトカレーの愛好家としては「もっと色んな種類を食べてみたい!」という願望も芽生えるもの。ということで、都内随一のレトルトカレー専門店『カレーランド』に行ってきました。

 オーナーの猪俣早苗さん、吉章さんご夫婦が運営し、常時100種類から120種類のご当地レトルトカレーが並んでいます。その時々の仕入れ状況や、買い付けてきた新商品などを入れ替え、いつ来ても新たなカレーと巡り合えるようになっています。

レトルトカレーにハマるきっかけになった「奥出雲和牛カレー」(650円)

 大のカレー好きの夫・吉章さんと、ご当地のレトルトカレーを通して郷土の食や文化、歴史的な側面に魅力を感じている早苗さん。あれも、これもと試しているうちに、レトルトカレーの魅力にハマっていたのだとか。

「松坂牛は知名度があるけど、奥出雲和牛もこんなに美味しいのになんで知らなかったのだろうと、そんな疑問から始まりました。レトルトカレーを通して、ご当地の農作物や畜産物を知るきっかけになるのが面白くて、どんどんハマりました。コレクション欲に近いものがあるかもしれません」(猪俣早苗さん)

初めて来た人は売れ筋ランキングを参考にすることも

「実は私、カレーはあまり得意じゃないの」という衝撃のカミングアウトもありましたが、だからこそ自信をもっておすすめしたい! と、筆者のリクエストである“腹ペコ男子も大満足のガッツリ系カレー”を3商品セレクトいただきました。

ガッツリ系カレーBEST1:150gの肉塊入り「トロピカルドラゴンカレー」

1650円

 レトルトカレーにしては結構攻めた価格ですが、よくよくパッケージを見てみると、鳥取和牛の塊150gが入っているんだとか!

 温めたカレーを出してみると、レトルトカレーではなかなかお目にかかれないサイズの肉塊がゴロンを通り越して、ボトっと転がり出てきました。これはスゴイ。

「あかまる牛肉店」という精肉店が作った商品で、カレーには沖縄県産トロピカルフルーツやシークワーサー果汁を加え、果物のジューシーな甘みと酸味を楽しめます。牛肉のコクとスパイスもしっかり効いており、食欲を増進させる程よい辛さが特徴。1袋300gで、お腹いっぱいカレーを食べたい時にはピッタリですよ。

ガッツリ系カレーBEST 2:銘柄豚がゴロゴロ!「常陸の輝き ポークカレー」

1100円

 こちらは茨城県産の銘柄豚「常陸の輝き」を使ったポークカレー。こちらも大きくカットされた肉がゴロゴロと入っています。通常、レトルトカレーでは、成型後のはぎれ肉を使う場合もありますが、こちらはこのカレーを作るためにカットしているので、専門店で出てくるような存在感の肉塊が特徴です。

 カレーはまろやかで深い甘みが感じられますが、これは豚脂からでるコクと甘みに由来するもの。旨みたっぷりですが、後味はすっきりとしていて、やみつきになります。鼻腔を抜けるスパイスの香りも柔らかで、子どもからお年寄りまで誰もが楽しめる味わいでした。

ガッツリ系カレーBEST3:どでかい鯖が浮かぶ「鯖カレー」

700円

 八戸前沖さば半身1枚を使った「鯖カレー」。「すごく大きいから食べる時にびっくりすると思います。」と言われていたので、心の準備はできていたはずでしたが、盛り付ける時に想像を上回る大きさの鯖が出てきて、思わず、でかっ!! と叫んでしまいました。

 パッケージにあったイメージ写真よりも1回り大きく、肉厚の鯖の半身が登場。ご飯をすっかり覆うほどのサイズです。鯖カレーは缶詰の商品が流行中ではありますが、ここまで鯖の存在感の放つものは初めて。

 程よい脂のりで、身もしっとりしています。鯖特有の臭みもほとんどなく、カレーとも相性バツグンでした。

 どの商品もボリューム満点で個性があり、専門店とも引けを取らない味わいでした。個人的にはサプライズという意味で「鯖カレー」がNo.1。旅に行けない今だからこそ、地方の食材を手軽に食べられる“ご当地レトルトカレー”をぜひ、楽しんでみてください。

(撮影・文 亀井亜衣子)

●DATA

カレーランド(Curry Land)

住:東京都台東区西浅草2-24-7
TEL:03-5246-4950
営:11:00~19:00
休:火曜
https://curryland.theshop.jp/