なぜこんなに旨い!?『ぎょうざの満洲』の他店ではありえない餃子の隠された秘密とは?
食楽web
私ごとですが、たまたま無性に餃子が食べたくなり、家の近所の『ぎょうざの満洲』で冷蔵餃子を持ち帰ったことがありました。さっそく家で焼いて食べたわけですが、明らかに普通の餃子と違うところに気づきました。それは……生地の旨さです。ほのかに甘みを感じるもので、みずみずしく口の中に広がります。餡同様、またはそれ以上の旨さを感じ、それまで食べてきた餃子とは明らかな違いを感じました。
どうしてもこの『ぎょうざの満洲』の餃子の皮の秘密を探りたくなり、東京・八幡山店に突撃! 同社のメニュー開発室長・山田努さんにアレコレ話を聞き、その秘密を教えてもらいました。
多加水の皮を、餡と1対1の割合で構成する『満洲』の餃子
『ぎょうざの満洲』メニュー開発室長でありながら、普段はお店でも働く山田努さん。言うに及ばず同社の餃子を知り尽くした方
『ぎょうざの満洲』の餃子の皮は、他店ではあまり見かけないタイプのように思いましたが、これは果たして正しいのでしょうか?
「はい。実は当社の餃子の皮は、小麦粉に対して加水率が約50%と、市販の皮よりも水分量が多いです。水が多いことで皮同士がくっつくなど、製造はすごく難しいのですが、味にこだわって手間を惜しまずに多加水の皮を作り、採用しています。チェーン店で、これだけの多加水の皮はまず見たことがないですし、あっても皮から作る個人店さんですね」と山田さん
多加水によって、みずみずしさと喉こしの良さを表現
「当社での皮と餡の量の比率は約1対1。当社の餃子の味の個性、決め手となるのは、確かに皮が持つ美味しさが大きいです」(山田さん)
なるほど、もちもちでありながらみずみずしい食感の秘密は、加水率に隠されていたんですね。
持ち帰り用の冷蔵生餃子は、毎朝坂戸工場で作られた新鮮なもの。店内で提供している焼餃子も同じものだそう(一部、冷凍もあり)
さらに、餃子の皮に採用する小麦粉も北海道産のこだわりのものだそうです。
「麺類の小麦粉は栃木県産、餃子の皮の小麦粉は北海道産と使い分けています。生餃子は毎朝坂戸工場で作ったものを各店に自社便で配送しています。製造日当日が消費期限で、この製造からお客さまの口に入るまで、数時間という新鮮さも、当社の餃子の生地・餡の味の良さであると自負しています。」(山田さん)
常に味の見直しを行い、最近は3年ほど前に餃子を変更?
餡は定番素材でありながらも高品質の国産に限って採用しているそうです
この強いこだわりを持つ皮に包まれた餡は、豚肉の赤身、キャベツ、玉ねぎ、ニラ、ニンニク、しょうがなど、餃子としては定番の素材が採用されているそうですが、全て国産。キャベツは自社ファームによるものも使っているとのことです。
店頭での業務を、そのまま開発室での研究にフィードバックするという山田さん。現場と開発との素早い連携も『ぎょうざの満洲』の味がより美味しくなる秘密なのかもしれません
ただし、一度メニューの味を決めると、なかなか変えられないのは飲食店の宿命。ここに至るまでは相当な計算・研究があったのではないかと思います。
「もちろん開発には、かなりの研究を重ねています。ただ、同じレシピをずっと作り続けているわけではなく、結構変えているんですよ。最近だと3年ほど前に変えました」(山田さん)
そうなの? 聞けば、3年前の変更では、食べる人の健康を意識し、豚の脂身を3割減らし赤身の割合を増やしたのだそうです。その際、特に変えたことを発表したわけではなかったそうですが、注文が増えたそうです。
「健康を意識して、より良い味をご提供し、毎日でも食べていただけるよう常に研究を重ねています。『ぎょうざの満洲』のスローガンは「おいしい餃子で人々を健康で幸せに」です」(山田さん)
皮の瑞々しさ、餡の旨みをより強く感じる食べ方は?
お酢と胡椒だけでいただきました
これら皮と餡のバランスが絶妙な『ぎょうざの満洲』の餃子ですが、それぞれの旨みをより強く感じる食べ方はあるのでしょうか?
「それはお客さま個々によって違うと思います。ただ、最近お客さまがよくやられているのが『酢・胡椒』です。サッパリしますし、餃子そのものの味を楽しむにはオススメです」(山田さん)
実際にオススメされた食べ方で食べてみることに。一見、お酢の酸味、胡椒のパンチが強そうですが、餃子の皮の瑞々しさ、餡に含まれる黄金比の野菜類・肉類のバランスが、どことなく甘く美味しく感じられます。
「また、定番の『酢・醤油・ラー油』ですが、当社では『酢6・醤油3・ラー油1』をオススメしています」(山田さん)
酢・胡椒に続きこちらも実食。これぞまさしくザ・餃子の味です。皮の瑞々しさに加え、野菜多めの餡によって、白いご飯が恋しくなる味です
餃子を食べる上での重要項目の筆頭は……焼きたてをいただく!
「焼きたてが一番美味しい」……ごく当然のことのようにも思えますが、鮮度にこだわる『ぎょうざの満洲』では特に意識されたし!
最後に山田さんに『ぎょうざの満洲』で餃子をいただく上での重要事項も聞きました。
「前述の通り、当社の餃子は鮮度を大切にしています。これを存分に味わっていただくためには、焼きたてが一番です。ご自宅で食べる際は、お土産用の冷蔵・冷凍のものをご購入いただき、焼き上がった直後に食べていただきたいです。お近くにお店がない場合は、通販もやっていますので、是非ご利用いただきたいですね」(山田さん)
他店には真似できない瑞々しい皮と、品質の良い野菜・肉を使った餡が1対1で融合し、鉄板で焼き上げることで味が完成する『ぎょうざの満洲』の餃子。店頭はもちろん、テイクアウトなら全国どこでも食べることができます。改めて味わってみてはいかがでしょうか。
(撮影・文◎松田義人)
●DATA
「ぎょうざの満洲」
http://www.mansyu.co.jp/