「メロン」の種類や旬について徹底解説!選び方や保存方法も

メロンってどんなフルーツ?

特徴

植物学的な種類としては、スイカやキュウリと同じウリ科の仲間。とても香り高くて、ジューシーで品のある甘さの果肉が特徴です。「青肉」「赤肉」「白肉」の3種類の果肉の色があります。

マスクメロンや夕張メロンなどのブランドメロンは、味はもちろんのこと、見た目も芸術作品のように美しい。まさに王さまの名にふさわしいフルーツです!

主な産地

もともとの「メロン」の原産地は北アフリカ。紀元前2000年ごろから人の手による栽培がはじまったといわれています。日本に伝わったのは明治時代で、ヨーロッパから伝わったそうです。その後、日本でも温室による栽培が開始されました。そして、国内でもさまざまな品種が生み出されています。



日本で有名な産地は、北海道や茨城、静岡、熊本など。とくに茨城は、土壌と昼夜で寒暖差がはげしい気候が「メロン」の栽培にぴったり。そのため、国内でもトップの収穫量を誇っています。

大きく分けると2種類ある

メロンは皮の網の有無によって「ネット系」と「ノーネット系」の2種類に分けられます。ネット系メロンは繊細な甘みの高級品種が多く、ノーネット系は育てやすい品種が多いのが特徴。



ネット系メロンのネットは、成長過程で果肉が皮よりも大きくなろうとした結果できるもの。大きくなろうとしたとき果皮にひび割れができて、それをふさごうとしてできたコルク層がネットの部分になるというわけです。

栽培方法

メロンの種を育てはじめるのに適切な記事は3~4月中旬ごろ。苗植えは4月中旬~5月上旬が植え付けの適期です。メロンの根は浅く横に広がります。そのため多くの酸素を必要とするので、水はけのよい土壌と浅植えにして水の与えすぎないようにしましょう。



6月中旬~6月下旬くらいに花が咲いたら人工授粉を。これによって、結実の確率を高めることができます。また、すべての実を大きくしてしまうと株の栄養が足りなくなって果実の味も落ちてしまいます。そのため、こぶし大くらいのサイズになったら、1本の子づるに1~2個になるように摘み取っておくのも大切です。



ネット系メロンなら53~55日くらい、ノーネット系メロンで45~50日くらいで果実を収穫できるようになります。

ブランドメロンの種類と旬の季節

マスクメロン

高級メロンの代表格「マスクメロン」。上品な甘みと香り、そしてみずみずしくてなめらかな口当たりが特徴のネット系メロンです。



「マスク」とは品種名ではなく「じゃこう」のこと。「よい香りがする」という意味です。大正時代にイギリスから導入された「アールスフェボリット」が「マスクメロン」の代表的な品種。そのあと、改良が重ねられ今では多くのアールス系メロンが作られています。



一般的なメロンの旬は4月~8月ですが、「マスクメロン」は年間を通して出荷されているのが特徴。

夕張メロン

北海道夕張市の特産「夕張メロン」は有名なブランドメロン。品種名は「夕張キング」といいます。「アールスフェボリット」と「スパイシーカンタロープ」という品種を交配した品種で、1961年に命名されました。



果肉がオレンジ色をしていて、香り高くジューシー。甘みが強いのも特徴のメロンです。果皮は熟するにつれて少し黄色っぽくなってきて、完熟するころにはとろけるような食感に!



「夕張メロン」が出荷されるのは5月下旬から8月中旬。とくに旬の時期は6月から7月ごろです。

アンデスメロン

「アンデスメロン」は種苗会社「サカタのタネ」が開発したネット系青肉メロンで、1977年に発表されました。当時のネット系メロンは温室栽培が主流でしたが、「アンデスメロン」ではハウス栽培が可能に。そのため、比較的リーズナブルな大衆メロンとして普及しました。

ちなみに南米のアンデス山脈とは関係なく、「安心ですメロン」というのが名前の由来なのだとか。また、「サカタのタネ」が2015年に開発した新品種「赤いアンデス」という品種もあります。これはアンデスシリーズ初の赤肉メロンで、食べごろの状態が長く続くのが特徴的。

「アンデスメロン」は一年中でまわっていますが、もっとも流通量が多いのが6月。この頃が一番の旬の季節となっています。

プリンスメロン

「プリンスメロン」も「サカタのタネ」が開発した品種です。発表されたのは1962年で、ヨーロッパのカンタロープ種「シャランテ」と日本のマクワウリの一種「ニューメロン」を交配して作られました。

網目のないノーネット系メロンで、果皮がつるっとしていて白みがかった薄緑色をしています。果肉は淡いオレンジ色から黄緑色。このメロンの旬は4月から6月ごろまで。5月ごろが出荷の最盛期となっています。

ルピアレッド

1990年には発表され、北海道や茨城県で多く栽培されている品種です。糖度が高く、果肉は濃いオレンジ色で口の中でとろけるような食感を楽しめますよ。

アムス

アールスフェボリットとロッキーフォードを掛け合わせた母と、オランダ系の品種であるオーゲンを父に生まれた品種です。「アムス」はオランダの地名である「アムステルダム」から名付けられました。香りがよく、ジューシーな甘味があり、果肉は皮のギリギリ部分までやわらかくなる特徴があります。メロンのなかでは比較的長持ちします。

オトメメロン

1995年に誕生した、果肉が緑色のネット系メロンです。糖度が高いのにも関わらず、すっきりした甘味が特徴的です。果肉はやわらかく、なめらかな食感を堪能できますよ。

さて、気になるのはその名前。開発したタキイ種苗と大島種苗が開発したことから、「Oshima Takii Original Melon」の頭文字をとって名づけられました。

クインシーメロン

優秀な赤肉メロンを交配させて作られた品種です。女王の「クイーン」、カロテンを豊富に含むことから「ヘルシー」、この2つを組み合わせて名づけられました。細かい網目が美しく、果肉には厚みがあり、果汁はたっぷり。安定した味わいなので、長年赤肉メロンの代表品種となっています。季節ごとのバリエーションがあるので、見かけたら購入してみてはいかがでしょうか。

アールスメロン

メロンは一般的に高級フルーツとして知られていますが、そのなかでもとくに最高級といわれているのが「アールスメロン」です。普通メロンは1本の木から複数個育てますが、「アールスメロン」は1個しか生産しません。そのため香り高く、とろけるような甘味と果汁たっぷりの果肉になるのです。盛り上がった細かな網目が美しいので、贈答用にもぴったりの品種です。

おいしいメロンの選び方

おいしい「メロン」を選ぶコツは、第一にその形がポイント。丁寧に栽培管理された「メロン」は、バランスのとれた形状をしていています。そのため、形のバランスのよさがそのままメロンのクオリティを反映しているのです。



また、ネット系メロンだと、ネットの緻密さや盛り上がりは、しっかりと果肉が育っていることを意味しています。ノーネット系メロンの場合は、黒っぽい斑点やスジの入っていないものを選びましょう。色は均一で部分的に変色しているようなものは選ばないほうがいいでしょう。



もうひとつ重要なのは「メロン」の重み。ずっしりと重みを感じさせる「メロン」は、中身が充実していて果実が凝縮されていることを意味しています。

メロンの主な産地

2020年農林水産省調べによると、メロンの都道府県別生産量のトップは茨城県、次に熊本県、そして北海道。おいしいメロン作りには昼夕の気温差が大きく、水はけのよい土地が適していますので、上位3つの都道府県はこの条件がそろっている場所が多いのでしょう。

おすすめの食べ方と保存方法

完熟してから

「メロン」は完熟してくると甘い香りがしてきます。ツル付きの場合は、ツルの部分が枯れてくるのもポイント。ネット系メロンもノーネット系メロンも、おしりの部分がやわらかくなってきたら食べごろです。また、メロンを爪でポンポンとはじいてみて、高く澄んだ音がしたら未熟で、低く濁った音になると食べごろといわれています。

未完熟のメロンは、ある程度熟すまで保存しておく必要があります。メロンは冷蔵庫のなかでは追熟が進まないため、食べごろになるまで常温で保存しましょう。追熟時の理想的な気温は20~25℃の範囲です。

食べる前に冷蔵庫へ

数多くのフルーツのなかでも高級品として有名なメロン。その完熟した果実を、できればベストな状態で楽しみたいところですよね。

食べごろになった完熟メロンはまるごとか半分に切って種を取り、ラップに包んで冷蔵庫に冷やしてから適当なサイズにカットしてから食べるのがおすすめ!実際に食べる3~5時間くらい前に冷蔵庫(5~8℃)で冷やして準備しておくのが理想的です。

果実の王さま「メロン」をベストな状態で食べよう♪

果実の王さま「メロン」の特徴や魅力、おいしい食べ方などをご紹介しましたがいかがでしたか?旬の季節や完熟したものの見分け方など、おいしく「メロン」を食べるために大切な知識の数々。意外と知らないこともあったのではないでしょうか?

高級フルーツなので、せっかくなら最高の状態でいただきたいもの。ぜひ、ベストな状態で食べるためにお役立てみてください。きっとメロンを見る目が変わることと思います。