元経営者の女に懲役1年求刑 といず詐欺事件
2014年、宇都宮市の認可外保育施設で、宿泊保育中に放置され死亡した当時生後9カ月の女の子の両親にうその説明をして保育料をだましとったとされる事件の裁判が8日、宇都宮地方裁判所で開かれ、検察側は施設の元経営者の女に懲役1年を求刑しました。
詐欺の罪に問われているのは、宇都宮市の認可外保育施設といずの元経営者、木村久美子被告(64)です。
起訴状によりますと、木村被告は預かった子どもを毛布で包んで放置するなど不適切な保育をしていたのに「安全面・健康面に細部までこだわってお世話します」などとうその説明をして、宿泊保育中に放置され死亡した当時生後9か月の山口愛美利ちゃんの両親から保育料など合わせて、およそ80万円をだまし取ったとしています。
裁判で検察側は「きわめてずさんな保育をしていたにも関わらず、適切な保育内容と体制が整っているとあたかも事実と異なる宣伝をして高額な保育料を奪い取った」と指摘しました。
そのうえで「虐待的な行為を繰り返し、巧妙かつ卑劣な犯行。反省は皆無で再犯の可能性が高い」と述べ懲役1年を求刑しました。
一方、弁護側は「前回の刑事裁判で刑が確定し、詐欺罪については実質的に処罰されているので、今回の裁判で再度処罰されることは法令違反に当たる」と控訴棄却や免訴が妥当と反論し、詐欺罪は成立せず無罪を主張しました。
この後、木村被告が手紙を読み上げ「詐欺はしていないし、ずさんな保育はまったくしていない。事実無根」と訴えました。
判決は6月24日に言い渡される予定です。