34歳独身女性「ひな人形を早くしまわないと嫁に行き遅れる」同僚男性の会話にダメージ受ける
ひな人形をしまうのが遅くなると「嫁に行き遅れる」などと言われますが、ガールズちゃんねるに3月3日、「『行き遅れ』について」というトピックが立ち注目を集めました。トピ主は34歳の独身女性。ひな祭り当日、娘を持つ職場の男性2人が、
「お嫁に行き遅れたらかわいそうだからお雛様早く片付けるよ」
「遅くとも35ぐらいまでには結婚してくれないとね」
と談笑しているのを、すぐ横で聞いてしまったそうです。なんだかとてもダメージを受けたというトピ主は、「私は行き遅れなのでしょうか。立ち直る力をください!」と励ましを求めています。(文:篠原みつき)
「いまどき行き遅れも何も。自立してればどうでもええんです」
「行き遅れ」は、「お嫁に行くこと」が前提となっており、現代にそぐわない古臭い言葉ではないでしょうか。トピック内のコメントは、励ましをはじめとする3000近くの意見が上がりました。
「おっさんたちの考えが時代遅れなだけよ、気にするな」
「いまどき行き遅れも何も。自立してればどうでもええんです」
などのほか、同僚男性にデリカシーが無いという批判や、言葉自体が古い、結婚・出産だけが幸せじゃない、という怒りの声も相次ぎました。中には、「実際だいぶしまわなかった私。もちろん結婚してません」などの自虐コメントや、「一年中お雛様出てたけど、31で結婚したよ?姉は23で結婚したし(笑)」など、この言説を笑い飛ばす声も多数入っています。
雛人形の大手、「久月」公式サイトのQ&Aでは、「早くしまわないと行き遅れる?」という疑問に対し、
「それは根拠のないことです。おひなさまを飾る時期・しまう時期は、その季節の範囲内ならいつでも結構です」
と回答しています。ひな祭りの起源は平安時代ともいわれ、子どもの幸せを願う行事ですから「結婚が女の幸せ」という価値観が根強かった昔に、そんな脅しのような言説がついて回ったと考えられます。人形はホコリと湿気を嫌うそうなので、「汚れないうちに早くしまいなさい」という注意の意味もあるでしょう。いずれにしても、結婚とは関係ないことです。
初婚年齢は30歳前後だが、価値観のアップデートは必要
一方で、トピックには、「さすがに35歳は行き遅れだと思う」という声も少なくありません。
「35ならその言葉が普通に使われていた時代からしたら、十分行き遅れ」
「いくら時代が変わっても、やはり出産適齢期を考えれば35以降が行き遅れというのは、あながち間違いではない」
など、確かに結婚は個人の自由だけれど、出産年齢や親の立場で考えると「30代前半までには結婚したほうがいい」という意見が目立ちました。厚労省の「人口動態統計(2019年)」によれば、妻の初婚年齢は1995年で26.3歳ですが、2019年は29.6歳となっています。ギリギリ20代、30歳前後で結婚する人が多いことがうかがえます。
ただ、「都内だとそのくらいで行き遅れなんて言われないよ」という声もあるように、年々晩婚化が進むなか、何歳から「行き遅れ」とするのかははっきりしません。そもそも「結婚はしない」という人もいるため、定義する必要もないでしょう。
他方、トピックのコメントには、「直接言われたわけではないのだから、勝手に傷つくな」という厳しい声もありました。トピ主は、確かに直接言われたわけではありませんが、その同僚男性たちに「配慮が足りない」という批判が多いことも事実です。何気なく口にした悪意のない会話であることは分かりますが、もう少し価値観をアップデートしないと、自分の娘にも「早く結婚しないと女性として価値が下がる」というような価値観を押し付け、嫌がられることになるかもしれません。