「この付近で○○が出没しました」 カチカチ山の舞台で、超不安になる看板が発見される
よりにもよってそこが消える!?
そう叫びたくなるようなツイートが、話題を呼んでいる。
何が出没したの pic.twitter.com/CZxgDG2s6T
— 西野 (@nishino_hiroki) February 28, 2021
これはツイッターユーザの西野さん(@nishino_hiroki)が、2021年2月28日に投稿したものだ。
「何が出没したの」という1文とともに載っているのは、看板の写真である。看板をよく見ると、
その内容は
「この付近で、〇〇が出没しました。
危険ですので、歩行するときは、ご注意してください。
また、〇〇の出没する恐れもありますので、ご注意ください」
というもの。
肝心の、「何が」出没したのか、「何が」出没する恐れがあるのかについての箇所が、ちょうど消えて見えなくなっている。危険なことしかわからない。
いったいここに、何が出没したというのだろうか......?
気になったJタウンネット記者は、投稿者の西野さんに詳しく話を聞いた。
かちかち山の舞台だから?
肝心な箇所が...(画像は西野さん提供。編集部でトリミング)
西野さんが看板を発見したのは、28日の15時頃。
山梨県・天上山(てんじょうやま)にある、「河口湖天上山公園」から「天上山護国神社」へと降りる登山道で発見したそうだ。
一体何が出没したと思うか、予想を聞いてみると、「逃げ回るたぬき」と答えてくれた。
西野さんが言うには、看板のあった天上山は、昔話「かちかち山」の舞台だと言われているらしい。
河口湖周辺の観光施設「河口湖〜富士山パノラマロープウェイ〜」の公式サイトにも、
「みなさんは昔話『かちかち山』を覚えていますか?(中略)この昔話の舞台といわれているのがここ天上山です。(中略)泥舟に乗ったタヌキが沈んでいったのが河口湖といわれています」
という解説が載っている。
さて、天上山の看板にもともと書かれていた文字はなんだったのだろう。実際の答えを知るため、記者は富士河口湖町役場・農林課を取材した。
担当者によると、消えかかっている文字は「イノシシ」と「クマ」であるとのこと。
つなげて読むと、こうだ。
「この付近で、イノシシが出没しました。
(中略)
また、クマの出没する恐れもありますので、ご注意ください」
看板が設置されたのは16年7月13日と、約5年も前である。
長い年月がたち、文字が消えてしまうのも納得できるが......よく、ここまでピンポイントに消えたものだ。
きっと、消えやすい赤や黄色で書かれていたのだろう。
ちなみに、文章の上にある横長の長方形の中には、もともと「危険・注意」と書かれていたそうである。
最近は、天上山に何かが出没したという報告はあったか尋ねると、
「ここ最近では、該当鳥獣の出没報告はありません。誤解を与えることから、近日中には一旦看板を撤去いたします。
しかし、春になり陽気がよくなるとニホンジカ・イノシシ・クマ等の目撃情報は毎年多数ありますので、ご注意ください」
と担当者。
3月になり、日中は気温が上がる日も増えてきた。
冬眠から覚めた野生動物たちが活動し始める時期でもあるので、もし登山などの予定がある人は十分注意してほしい。