この冬、手洗いの影響で、いつも以上に手荒れが気になる方も多いのでは。

「手をしょっちゅう洗うせいか、手荒れがひどく、爪まで割れたり欠けたりするように。ハンドクリームは塗っていますが、気をつけた方がいいことがあれば教えてください」という読者のお悩みに、皮膚科医の貞政裕子先生が答えてくれました。


手荒れの対処

この冬、つらい手荒れ。ひどいときは手袋をつけて就寝を



例年になく、手をこまめに洗う日々、そして空気が乾燥するこの時季は、手も荒れやすくなりますね。とくに水仕事の多い主婦の方などは、手荒れは仕方ない…と思っているかもしれません。

●手洗いのあとはしっかり水分をふき取り、その都度ハンドクリームを塗ることを習慣づけましょう



でも手に湿疹やあかぎれができてしまうと、じつは皮膚科で薬を処方してもなかなか治らないレベルなんです。またそういうトラブルのある肌は、表面の角質細胞がはがれて隙間ができている状態なので、細菌がその隙間に入り込んで、通常の手洗いでは落としきれずに、菌が残ってしまうこともあります。


また台所仕事をするときは手が濡れていることが多くなりますが、乾くときに皮膚の水分を一緒に奪うので、さらに皮膚の乾燥が進む原因に。台所には清潔なハンドタオルを数枚置き、手が濡れたらその都度乾いたタオルでしっかりと水分をふき取るようにしましょう。

そして手を洗ったら必ずハンドクリームを塗る習慣をつけて。爪のトラブルが気になる人は、肌だけでなく爪にもしっかりクリームを塗ると乾燥を防げます。塗り忘れを防ぐには、キッチンや洗面所など、各所にハンドクリームを置いておくのもいいですね。ただし開封したクリームは、早めに使いきるようにして。また、さまざまなタイプがありますが、自分が使いやすいものをチョイスしましょう。

それでも手荒れや乾燥が改善しないときは、ベッドに入る前に手にたっぷりとクリームを塗り、手袋を着けて寝ると効果があります。手袋もいろいろな素材や形がありますが、使いやすいもので大丈夫。

<イラスト/野田節美 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【貞政裕子先生】



サマンサクリニック院長。皮膚科医。川崎医科大学医学部卒業後、順天堂大学皮膚科学教室入局。同大学静岡病院、練馬病院皮膚科にて診療に当たったのち、2015年に東京・練馬にサマンサクリニックを開院。