見栄えのいい家事はだれのため?料理に洗濯…“がんばらない”暮らし方
コロナで変わった私たちの暮らし。予想もしなかった緊急事態に家事の負担が増えて、おうち時間がストレスになっている人もいるのでは?
そこで今回は、整理収納アドバイザー・Emiさんと漫画家・マルサイさんに、「ほどよく手を抜きながら、暮らしを楽しむコツ」を教えていただきました。ESSE本誌でも大人気の“暮らし上手”なお2人の特別対談もお届けします!
家族が家で過ごす時間が増えれば増えるほど、主婦としてはあれもこれもやらなきゃ! とがんばってしまいがち。ときには上手に家事の手を抜いて、自分自身もラクに楽しむ時間をつくること。それが快適な暮らしにつながるいちばん大切なことかもしれません。
干した洗濯物はたたまない!
ハンガーで干したものが乾いたら、そのままクローゼットに収納して手間いらず。
乾燥機にかけた子どもたちの服は、それぞれのカゴに仕分けるだけ。自分でしまうルールです。
平日は包丁とまな板を使わなくてすむように、野菜は週末にまとめて切っておき、冷凍しておくとラク。
「平日食材を切る必要が出たときは、キッチンバサミをフル活用!」
「使った食器を食洗機に持っていくのは、食べ終わった人から自分でというルールです」。面倒な食器洗いは、1日の終わりにまとめて一気に食洗機を回すだけ。
今日からマネできる! 暮らし上手なマルサイさんの笑顔でいられる家事テクを教えていただきました。
「たとえば、豆腐にチリメンジャコをかけるだけ、納豆を容器から出して小鉢に盛りつけるなどで、食卓のにぎやかさ重視にしました」
食卓いっぱいに並べた方が家族ウケも!
つくりおきをやめた代わりに、野菜をゆでておく、切っておくなどの半調理をするように。
「当日の気分によってアレンジを利かせることもできて、食べたいものが食べられます」
時代が変われば、心地よい暮らしのスタイルも変わります。なにより大切なのは、家族みんなが笑顔でいること。もちろん、その“みんな”のなかには“妻”や“母”も含まれています。暮らしをもっと気軽に、自由に楽しむためのヒントをたっぷりうかがいました。
マルサイさん:なんでも一生懸命やろうとすると、自分で自分の首を絞めてしまいますよね。以前の私が、まさにそうでしたから。昔は、ドレッシングも必ず手づくりしていたし、本当によくがんばっていたなとわれながら思いますよ。市販品を買えばいいのに、それをあえて手づくりすることで自己満足していたんですよね。よく考えたら、家族のためというよりも、自分のためでしかなかった気がします。それをSNSにアップして、ほめられることで承認欲求を満たしていたというか。
Emiさん:確かに、SNSでほめていただけるとうれしいですよね。でも、私の場合はマルサイさんとはちょっと違うアプローチかもしれません。
マルサイさん:えっ、どういうこと!?
Emiさん:私の場合は丁寧な家事をSNSにアップして「すごいね」と言われることよりも、「こんなこと、じつはやらなくても平気でした!」っていうことをアップして、「え、なにそれ!」と驚いていただく方がうれしいんです(笑)。たとえば、「洗濯物はたたみません。ハンガーで“かける収納”にすれば問題なし!」なんていう、“やらない自慢”をついしたくなっちゃうんです。
マルサイさん:なるほど〜! そういえば私も、本当に疲れたときがあって、インスタントラーメンとか焼きそばだけ、みたいな食卓の実態をSNSにあげたことがあるんです。それまでは、きちんとしたごはんをつくったときだけ写真をアップしていたのですが、そのズボラ献立を見た人たちからの反応が意外なほど優しかったんです。“そんなときも、ありますよね”、とか。私だけでなく、みんなにもそういう日があるんだなって思ったら心強かったのを覚えています。SNSってキラキラした面ばかり見えちゃいますけど、そう言ってもらえると、なんか安心できますよね。
Emiさん:そういうごはんにしたとき、ご家族から文句はありましたか?
マルサイさん:それが、彼らはむしろ喜んでいました(笑)
Emiさん:時間をかけてつくったごはんよりも市販品が喜ばれる…悲しいあるあるですね(笑)
マルサイさん:それからうちの家族には、手間をかけた1品よりも、品数を適当に増やした方が好評なこともわかって。今は、ゆで野菜をあえるだけ、など手間のかからないおかずをササッと並べるスタイルに変えました。自分がラクしながら、家族も喜んでくれてラッキー! という感じです。
Emiさん:料理って毎日のことだから、できる限り負担を減らしたいですよね。私も、手間を省けるよう試行錯誤中!
Emiさん:私たちは、母世代が家庭をきり盛りしていた頃とは時代が変わっているのに、まだどうしても完璧な家事にとらわれてしまうんですよね。当時とは生活スタイルも違うはずなのに、なんとなく今も、「母は自分を犠牲にしても家族のためにがんばるべき」というイメージで、社会も自分自身も考えがち。でもそれって、子育てに仕事にと忙しい現代においては、けっして正しい形ではないと思うんです。
マルサイさん:子育てして、仕事もして、さらに家事を完璧にこなすなんて無理がある話ですよね。私自身、長男を産んだばかりの頃なんかは、主婦としてがんばらねば! と思い換気扇掃除もマメにしていましたが、今や1年に1回のズボラさ。とくに気にもならないし、まとめてやる方が私はラク。そういえば、つくりおきも、すっかりつくらなくなったなあ(笑)
Emiさん:ラクをしたいと思いつつ、手を出してしまうこともありますよね。私が普段主宰しているワークショップでも、「子どもに“片づけの力”をつけさせたいと思うけれど、ついやってあげてしまう」という相談があって。そこで提案したいのが、「あえて手を貸さないでいることで、子どもの力を伸ばしている」と考えてみるのはどうかなと。私は家族をワンチームと捉えていて。だから家事も、子どもが自分でできることは自分でやってもらうようにしています。
マルサイさん:それ、すごく気持ちがラクになる考え方ですね。
Emiさん:やってあげたいという気持ちを否定するわけではないんです。自分がやってあげたいなら、それもいいと思う。そのどちらにしても、自分も家族もハッピーでいられることがいちばんじゃないですかね。
マルサイさん:やりたいなら、やる。やりたくないなら、自己嫌悪に陥ることなく気楽に手を抜く。それがストレスなく暮らしていく秘訣なのかも。
OURHOME主宰。整理収納アドバイザー。夫、双子(11歳)の4人家族。最新刊は『揺れ動く今 みつけたい わたしの真ん中
』(大和書房刊)
漫画家。夫、長男(9歳)、二男(7歳)、三男(4歳)の5人家族。ESSE連載をまとめた電子書籍『夫婦&男子3人マルサイ家 体当たり家計改善
』が発売中
<イラスト/マルサイ 取材・文/ESSE編集部>
そこで今回は、整理収納アドバイザー・Emiさんと漫画家・マルサイさんに、「ほどよく手を抜きながら、暮らしを楽しむコツ」を教えていただきました。ESSE本誌でも大人気の“暮らし上手”なお2人の特別対談もお届けします!
“家事の手間は減らしてなんぼ”Emiさんの家事ラクのコツ
●洗濯物はたたまない
干した洗濯物はたたまない!
ハンガーで干したものが乾いたら、そのままクローゼットに収納して手間いらず。
乾燥機にかけた子どもたちの服は、それぞれのカゴに仕分けるだけ。自分でしまうルールです。
●週末のまとめカットで手間なし
平日は包丁とまな板を使わなくてすむように、野菜は週末にまとめて切っておき、冷凍しておくとラク。
「平日食材を切る必要が出たときは、キッチンバサミをフル活用!」
●家族の協力も必須!
「使った食器を食洗機に持っていくのは、食べ終わった人から自分でというルールです」。面倒な食器洗いは、1日の終わりにまとめて一気に食洗機を回すだけ。
“自己満足のための家事はやらなくても問題なし”マルサイさんの家事ラクのコツ
今日からマネできる! 暮らし上手なマルサイさんの笑顔でいられる家事テクを教えていただきました。
●手間をかけずに品数を増やす
「たとえば、豆腐にチリメンジャコをかけるだけ、納豆を容器から出して小鉢に盛りつけるなどで、食卓のにぎやかさ重視にしました」
食卓いっぱいに並べた方が家族ウケも!
●つくりおきをやめる
つくりおきをやめた代わりに、野菜をゆでておく、切っておくなどの半調理をするように。
「当日の気分によってアレンジを利かせることもできて、食べたいものが食べられます」
特別対談Emiさん×マルサイさん がんばらずに快適に暮らすコツは?
時代が変われば、心地よい暮らしのスタイルも変わります。なにより大切なのは、家族みんなが笑顔でいること。もちろん、その“みんな”のなかには“妻”や“母”も含まれています。暮らしをもっと気軽に、自由に楽しむためのヒントをたっぷりうかがいました。
●家事の手抜き=“上手な効率化”です!
マルサイさん:なんでも一生懸命やろうとすると、自分で自分の首を絞めてしまいますよね。以前の私が、まさにそうでしたから。昔は、ドレッシングも必ず手づくりしていたし、本当によくがんばっていたなとわれながら思いますよ。市販品を買えばいいのに、それをあえて手づくりすることで自己満足していたんですよね。よく考えたら、家族のためというよりも、自分のためでしかなかった気がします。それをSNSにアップして、ほめられることで承認欲求を満たしていたというか。
Emiさん:確かに、SNSでほめていただけるとうれしいですよね。でも、私の場合はマルサイさんとはちょっと違うアプローチかもしれません。
マルサイさん:えっ、どういうこと!?
Emiさん:私の場合は丁寧な家事をSNSにアップして「すごいね」と言われることよりも、「こんなこと、じつはやらなくても平気でした!」っていうことをアップして、「え、なにそれ!」と驚いていただく方がうれしいんです(笑)。たとえば、「洗濯物はたたみません。ハンガーで“かける収納”にすれば問題なし!」なんていう、“やらない自慢”をついしたくなっちゃうんです。
マルサイさん:なるほど〜! そういえば私も、本当に疲れたときがあって、インスタントラーメンとか焼きそばだけ、みたいな食卓の実態をSNSにあげたことがあるんです。それまでは、きちんとしたごはんをつくったときだけ写真をアップしていたのですが、そのズボラ献立を見た人たちからの反応が意外なほど優しかったんです。“そんなときも、ありますよね”、とか。私だけでなく、みんなにもそういう日があるんだなって思ったら心強かったのを覚えています。SNSってキラキラした面ばかり見えちゃいますけど、そう言ってもらえると、なんか安心できますよね。
Emiさん:そういうごはんにしたとき、ご家族から文句はありましたか?
マルサイさん:それが、彼らはむしろ喜んでいました(笑)
Emiさん:時間をかけてつくったごはんよりも市販品が喜ばれる…悲しいあるあるですね(笑)
マルサイさん:それからうちの家族には、手間をかけた1品よりも、品数を適当に増やした方が好評なこともわかって。今は、ゆで野菜をあえるだけ、など手間のかからないおかずをササッと並べるスタイルに変えました。自分がラクしながら、家族も喜んでくれてラッキー! という感じです。
Emiさん:料理って毎日のことだから、できる限り負担を減らしたいですよね。私も、手間を省けるよう試行錯誤中!
●私たちの母世代の家事にもうとらわれないで
Emiさん:私たちは、母世代が家庭をきり盛りしていた頃とは時代が変わっているのに、まだどうしても完璧な家事にとらわれてしまうんですよね。当時とは生活スタイルも違うはずなのに、なんとなく今も、「母は自分を犠牲にしても家族のためにがんばるべき」というイメージで、社会も自分自身も考えがち。でもそれって、子育てに仕事にと忙しい現代においては、けっして正しい形ではないと思うんです。
マルサイさん:子育てして、仕事もして、さらに家事を完璧にこなすなんて無理がある話ですよね。私自身、長男を産んだばかりの頃なんかは、主婦としてがんばらねば! と思い換気扇掃除もマメにしていましたが、今や1年に1回のズボラさ。とくに気にもならないし、まとめてやる方が私はラク。そういえば、つくりおきも、すっかりつくらなくなったなあ(笑)
●手抜きも、がんばりも自分本位で決めてOK!
Emiさん:ラクをしたいと思いつつ、手を出してしまうこともありますよね。私が普段主宰しているワークショップでも、「子どもに“片づけの力”をつけさせたいと思うけれど、ついやってあげてしまう」という相談があって。そこで提案したいのが、「あえて手を貸さないでいることで、子どもの力を伸ばしている」と考えてみるのはどうかなと。私は家族をワンチームと捉えていて。だから家事も、子どもが自分でできることは自分でやってもらうようにしています。
マルサイさん:それ、すごく気持ちがラクになる考え方ですね。
Emiさん:やってあげたいという気持ちを否定するわけではないんです。自分がやってあげたいなら、それもいいと思う。そのどちらにしても、自分も家族もハッピーでいられることがいちばんじゃないですかね。
マルサイさん:やりたいなら、やる。やりたくないなら、自己嫌悪に陥ることなく気楽に手を抜く。それがストレスなく暮らしていく秘訣なのかも。
【Emiさん】
OURHOME主宰。整理収納アドバイザー。夫、双子(11歳)の4人家族。最新刊は『揺れ動く今 みつけたい わたしの真ん中
』(大和書房刊)
【マルサイさん】
漫画家。夫、長男(9歳)、二男(7歳)、三男(4歳)の5人家族。ESSE連載をまとめた電子書籍『夫婦&男子3人マルサイ家 体当たり家計改善
』が発売中
<イラスト/マルサイ 取材・文/ESSE編集部>