チチパスがグランドスラムで優勝できない理由

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世界ランキング6位のステファノス・チチパス(ギリシャ)は今のテニス界を代表する選手の一人であり、ロジャー・フェデラー(スイス)とプレースタイルが似ていることもあって彼の後継者候補としても注目されている。ここ数年、グランドスラム優勝も期待されているが、いまだにその栄冠には手が届いていない。その理由について元世界1位のレジェンド、アンディ・ロディック(アメリカ)が論じている。ウェブメディアEssentially Sportsが報じた。

アメリカのテニス専門チャンネルTennis Channelに出演したロディックは、チチパスのプレースタイルに問題があると指摘。泥臭く勝つ方法を知らないことから、調子が良くない時は失敗続きになってしまうので、そこを直す必要があると語った。


「素晴らしいプレーができている時の彼には何の問題もない。調子が良くない時に、それでも今よりマシなプレーを見せることが重要なんだ」


どんな選手でも調子が良くない時はある。そんな時でも勝てることが、その選手がエリートと呼ばれる所以だ。フェデラーとラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の3人は、キャリアを通じてそれを証明してきた。また最近の例でいえば、2020年「全米オープン」決勝でのドミニク・ティーム(オーストリア)も、2セットダウンと出遅れたものの、そこから立て直して念願のグランドスラム初優勝を果たしている。


ロディックはこう語る。「チチパスとトップ選手たちとの違いはそこだね。調子が良くない時に、すべてを完璧にやる必要はない。今よりちょっとだけうまくプレーするコツを学ぶことが彼には重要なんだ」


2019年の「Nitto ATPファイナルズ」で21歳にして優勝したように、チチパスに素晴らしい才能があることは間違いない。グランドスラムで準決勝進出を果たした2019年の「全豪オープン」と2020年の「全仏オープン」以上の成績を収めるには、調子が良くない時でも何とかして試合に勝つ方法を学ぶことだ。


(テニスデイリー編集部)


※写真は「Nitto ATPファイナルズ」でのチチパス
(Photo by Julian Finney/Getty Images)