ご冥福をお祈りいたします - マイク・フェントンさん(2016年撮影)
 - Jerod Harris / Getty Images

写真拡大

 映画『カッコーの巣の上で』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『E.T.』などでキャスティング・ディレクターを務めたマイク・フェントンさんがロサンゼルスの自宅で85歳で亡くなった。米キャスティング協会が現地時間の2日、SNSなどを通して発表した。

 1935年にロサンゼルスで生まれたフェントンさんは、ミュージック・コーポレーション・オブ・アメリカのメールルームやアシュリー・スタイナー・エージェントでエージェントとして働いた後、1963年からパラマウント・ピクチャーズにキャスティング・ディレクターとして加わった。その後1971年に、プロデューサーのフレッド・ルース(『ゴッドファーザーPART II』『地獄の黙示録』など)と自身のキャスティング・エージェンシーを立ち上げ、1982年に米キャスティング協会を共同で設立した。

 これまでキャスティングに関わった作品は、『アメリカン・グラフィティ』『チャイナタウン』『ヤング・フランケンシュタイン』『ノーマ・レイ』『ブレードランナー』『ポルターガイスト』『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』『フットルース』『エイリアン2』など。

 The Hollywood Reporter などによると、スティーヴン・スピルバーグ監督はフェントンさんの訃報に「マイクと仕事をすることは、まるでキャンディ・ストアに行くような感じだった。なぜなら、彼とのキャスティング(過程)は、最高の時間だったからね」とコメント。「彼の俳優への熱心なサポートは伝説的なものだった。彼は俳優が役柄を得た後に、その役を得た俳優以上に大きな笑顔を見せていた。彼は俳優を支援するだけでなく、(俳優のために)大いに宣伝活動もしていた。彼自身も良い俳優で、彼はいつもオフカメラでせりふを読んで、実際にその部分を読んでいる俳優のためにエネルギーとパワーを作り上げていた。マイクは、僕に3人の良い俳優の選択肢があって、僕が選択できずにいたとき、いつもその決断の瞬間を乗り越えるために役に立ってくれた。彼は僕の映画作品の中で、何人もの俳優たちが大きな成功をするための責任も負ってくれていた。彼が(自信を持って)意見してきた俳優と同じように、マイクは自分の役割を気に入っていた。そして、彼の周りの人々も彼のことがとても好きで、僕も(彼の死を)心から寂しく思っているよ」と悼んだ。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)