2014年7月、宇都宮市の認可外保育施設で宿泊保育中に放置され死亡した当時生後9カ月の山口 愛美利ちゃんの両親にうその説明をして保育料をだましとったとされる事件の裁判の初公判が22日、宇都宮地方裁判所で開かれ、詐欺の罪に問われた施設の元経営者の女が起訴内容を否認しました。

詐欺の罪に問われているのは、宇都宮市の認可外保育施設「といず」の元経営者、木村 久美子被告(64)です。

起訴状によりますと、木村被告は預かった子どもを毛布で包んで放置するなど不適切な保育をしていたのに「安全面・健康面に細部までこだわってお世話します」などとうその説明をして愛美利ちゃんの両親から保育料など合わせておよそ80万円をだましとったとしています。

裁判で木村被告は「詐欺をしようと一瞬たりとも考えたことがない」と起訴内容を否認しました。

検察側は冒頭陳述で、2013年ごろには預かった子どもをひもで縛るなど不適切な保育をしていたが「スタッフが付き添う」などとうその説明を続けていたと指摘しました。

一方、弁護側は、これまでの刑事裁判で保護責任者遺棄致死などの罪で懲役10年の判決が確定し「既に審理は行われて実質的に処罰されている」とした上で、「被告に詐欺の意図はなかった」と無罪を主張しました。

この裁判を巡っては、両親が2014年に木村被告などを刑事告訴し、宇都宮地方検察庁は2017年に不起訴処分としました。

しかし宇都宮検察審査会で不起訴不当の議決を経て再捜査し、去年7月に起訴しました。