新型コロナウイルスの感染拡大対策として行われたさまざまな施策により、暮らし方・働き方に以前とは大きく変わった部分があります。イタリアの場合、これまでネットショッピングがなかなか根付かなかったのですが、このコロナ禍を経て一気にネットショッピングが定着したそうです。

Pasta, Wine and Inflatable Pools: How Amazon Conquered Italy in the Pandemic - The New York Times

https://www.nytimes.com/2020/09/26/technology/amazon-coronavirus-pandemic.html



イタリアは「店でものを買う」という伝統的なショッピングスタイルが特に根強い国で、ネットショッピング大手のAmazonが2010年に進出してもそのスタイルは変わりませんでした。EUの統計グループ・Eurostatが調べた「2019年のネットショッピング利用率」によると、イギリスは87%、ドイツが79%、フランスが70%、EU平均が60%だったのに対して、イタリアは38%で、これより低いのはルーマニア(23%)とブルガリア(22%)のみでした。



イタリアでネットショッピングが広まらなかった理由は、高速インターネットの普及の遅れと、南部の道路インフラの未整備によるものだったとのこと。

ところが、ロックダウンにより外出ができなくなったことで、さすがのイタリア人といえどもネットショッピングの利用を開始。コロナ禍を機会としてネットショッピングを初めて利用したというイタリア人は200万人以上もおり、イタリアの小売コンソーシアム・Netcommは「10年分の進化の飛躍」と表現しました。

E-commerce, 10-year leap in Italy. But the gap is still to be filled - News1 English

https://www.news1.news/n1/2020/05/e-commerce-10-year-leap-in-italy-but-the-gap-is-still-to-be-filled.html

イタリアはその後、新型コロナウイルスの対策に成功し、2020年5月にロックダウンが解除されました。営業を再開した店には人がちらほらと戻ってきたものの、ネットショッピングへ移る流れは食い止められていないとのこと。

語学を学ぶ大学生、ルドヴィカ・トマシエッロさん(19歳)も、ネットショッピングの魅力で戻れなくなった人の1人。2020年3月以前はAmazonを利用した経験はありませんでしたが、TikTokで見かけたシュシュが気になり、Amazonを初利用。2020年5月に店舗が営業を再開しましたが、Amazonには「便利」「選択肢が多い」「価格が安い」という優位性があると感じているそうです。