2020年7月27日、アリアンスペース社は、7月28日に予定されていたアリアン5(フライトナンバーはVA253)の打ち上げを延期すると発表しました。
理由はフェアリングおよび2機同時打ち上げ用アダプタ(SYLDA)に追加整備が必要になったため、としています。
新たな打ち上げ日時は、2020年8月1日6時30分(日本時間)になりました。


フェアリングとSYLDAの位置 (Credit: Arianespaceの画像に説明用の文字を加筆)


打ち上げられる衛星

今回打ち上げられる衛星は全部で3機。それぞれ紹介します。


Galaxy30:インテルサット社の通信放送衛星で、北米向けの衛星放送サービスに用いられます。対地同期軌道に投入される予定です。設計寿命は15年、衛星バスはノースロップ・グラマンのGEOStar-2.4E。


Galaxy30 (Credit: Intelsat)



MEV-2:スペース・ロジスティクスLLC社(ノースロップ・グラマンの子会社)の軌道上サービス機。MEVは「Mission Extension Vehicle」(ミッション延長機)の略で、2004年打ち上げのIntelsat10-02とドッキングして推進剤の補給や軌道制御補助を行い、その名の通り衛星の寿命を延長することができます。設計寿命は15年、衛星バスはノースロップ・グラマンのGeoStar-3。


目標にドッキングしたMEV(画像はMEV-1) (Credit: SpaceLogistics LLC)



BSAT-4b:日本の(株)放送衛星システムの静止放送衛星。2017年打ち上げのBSAT-4aの予備機として運用され、4K/8K放送を行います。設計寿命は15年、衛星バスはマクサー・テクノロジーズ(旧スペースシステムズ/ロラール)のSSL-1300。


軌道上のBSAT-4シリーズ(画像はBSAT-4a) (Credit: Space Systems/Loral, Maxar Technologies)


 


関連:https://www.arianespace.com/mission-update/va253-ariane-5-fully-assembled/
フェアリングとSYLDAの姿が確認できる。
関連:https://www.arianespace.com/mission/ariane-flight-va253/


Image Credit: Arianespace, Intelsat, SpaceLogistics LLC, Space Systems/Loral, Maxar Technologies
文/金木利憲