現在アメリカでは、ミネアポリスにてアフリカ系アメリカ人、ジョージ・フロイドさんが非武装状態だったにもかかわらず警察によって押さえつけを受け死亡。この残忍な事件に対して激しいデモ活動が展開されており、その影響は先週末に行われたブンデスリーガの中でも色濃くみてとることができた。

 ドルトムントのジェイドン・サンチョとアクラフ・ハキミはインナーに「ジョージのために正義を」とのメッセージを、シャルケの米国代表ウェストン・マッケニーは喪章に同じメッセージを、そしてグラードバッハのマーカス・テュラムは、ゴールの場面で膝をつき頭を下げ、2016年に元NFLのコリン・キャパニックが国歌演奏の際に見せた抗議と同じ姿勢によりアピールを行っている。

 ただルール上では、政治的なメッセージを発信することはサッカーでは禁じられているため、上記4選手について「これから数日以内にも検討がなされることになる」と、ドイツサッカー連盟監理委員会委員長のアントン・ナハライナー氏は語った。

 なおグラードバッハのマルコ・ローゼ監督や、シャルケのヨッヘン・シュナイダーSDは、パフォーマンスを行ったそれぞれの選手に対する支持を明確に示しており、一方でバイエルンの役員オリヴァー・カーン氏は「当然、許されるものではない状況だ」としながらも、「選手たちもまた、様々な社会問題について意見を述べるべき」であり、「そのような責任を負える機会が増えて欲しい。その効果の大きさは誰もが知るところなのだから」とも指摘。

 実際に彼らが見せた行動は、国際的にもポジティブな意味で、大きな反響をもたらすことになったが、果たしてドイツサッカー連盟ではどのような判断が下されることになるだろうか?1.FCウニオン・ベルリンのマネージャー、ルーネルト氏は「もしもこれに反対する判断が下されるとするならば、その時は我々はまだ同じ価値観を持てているのだろうかと、自問自答しなければならないんだろう」と述べている。「これは世界規模でのテーマだ:人種差別にノーを!」